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竜の神様と契約しますか?  作者: のん
竜の神様出現。
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竜の神様、一緒に眠る。


寝袋で今日こそは寝ようとすると、オミさんが横になったベッドにちょっと隙間を作ると、ポンポンとここに寝ろとばかりに叩くけど‥、



「‥オミさん、私にも羞恥心ってものがあるんです」

「恥ずべき行為ではないだろう」

「いや、恥ずかしい行為ではありますよ!??」

「別に何もしないぞ」

「それは当たり前です」



ですが、 NOです。

いいえです。

お断りなんです。


私は寝袋にサッサと入ると、オミさんはベッドから起き上がって寝袋ごと私を持ち上げる。



「「な、なな、何をするんですか!!!」」

「うるせぇ!神が袋に入って寝る人間を放置できるか!!」

「その心意気は神ですが、私は恥ずかしいから嫌です!」

「黙って寝ろ」



オミさんは私をジトッと見て、そっとベッドに寝袋ごと私を横たわらせると、自分もゴロッと横になる。私に掛け布団をかけるけど、いやオミさんも掛けなよ。


「‥オミさん、上半身裸なんだから掛け布団掛けた方が‥」

「じゃあ、お前もベッドでこれからちゃんと寝ろ」

「いや、それはだからぁ‥」

「寝ろ」


「〜〜〜〜〜寝ます!寝ますから、その寒そうな肩に布団を掛けてください!気になって眠れません!!」


私が観念してそう叫ぶように言うと、オミさんはニヤッと笑って掛け布団を自分にも掛ける。まぁ、そうなると距離は近くなる訳で、顔が目と鼻の先にある訳で‥。これはこれで気になって眠れない。



いや!!明日は大学だ!勉強だ!!

眠たくなる講義があるんだし、早々に寝よう!!

ぎゅっと目を瞑って、寝袋の中の方に顔を埋める。と、オミさんの胸の辺りに私の顔があるわけで、トクトクと心臓の音が聞こえる。


あれ?これは自分の音か?

オミさんの心臓の音か?

っていうか、神様に心臓はあるのか?


なんにせよ、一定のリズムが刻まれる音を聞いて、ウトウトと眠くなった私はそのまま眠った。オミさんが隣の部屋の壁をまたじっと見ているのなんて気付かないくらい爆睡した‥。



翌朝、スマホのアラームが鳴って目を開ける。


「‥うう、もう朝か」


スマホをタップして、目をパチパチと瞬きして顔を上げると、オミさんは肘をついて私の顔を見下ろしている。



「‥なんでそんなまじまじと見てるんですか」

「‥昨日、散々恥ずかしいって言ってる割りにはすぐに爆睡したな‥と思って」

「それはそれ、これはこれです」

「朝一番によく口が回るな」

「お褒めにあずかりまして‥」



いや、褒めてねぇぞ?って顔をしているけど、私の体を抱えているこのぶっとい腕を退けてくれ‥。


「オミさん、腕を退かして下さい」

「‥お前、この体勢を見て何も思わねぇの?」


「どっちかというと、朝ご飯に食べようと思ったチーズパンが気になるとしか‥」


チーズパン‥。

オミさんの意識がそちらに向いたようで、腕がちょっと緩む。

少ない腹筋を使って寝袋ごと体を起こすと、オミさんが私をジトッと見上げる。



「‥恥じらい、ねぇ」

「いちいちうるさいとお菓子もタレも買いませんよ?ほら、起きて着替えて下さいね。服はこちらをどうぞ参考にして下さい」



そういって、新しく買っておいたメンズ雑誌を渡しておく。

サッパリ系のコーディネート本にしておいた。

ワイルド系なんて、ハマりすぎて怖そうだし‥。あと神様だし。



洗面所で着替えて出てくると、本日のオミさんは白い大きめなニットに、細身の黒いパンツ姿だ。‥うっわ、似合いすぎでは??オミさんと目が合うと、ニヤリと笑う。


「どうだ?似合うだろ?」

「‥大変悔しいですが、お似合いです」


私がそう話すと、オミさんはますます得意そうである。

嬉しそうで何よりです。



「おい、ちーずぱん、食べようぜ」

「はいはい、温め方教えておきますから、今度は自分でやって下さいね」

「またかよ〜」

「修行の一環です」



そんなことを言いつつ、トースターにチーズパンを突っ込んだけど、これは修行の一環になるのかなぁ??そもそも修行って、何をするんだ??



トースターをワクワクした顔で覗き込むオミさんを見て、とりあえず考える事を放棄してチーズパンに付け合わせのカップスープを作るべくお湯を沸かした。



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