竜の神様、修行します!
半妖、半神、あるいは神様と結婚すれば力を狙われる事がなくなる。
びっくりし過ぎて、お昼のフライドポテトを横に座っているオミさんが怒涛の勢いで食べているのにも気付けなくて、蛇神様がオミさんのスネを蹴った衝撃でようやく我に返った。
「青葉、大丈夫か〜?」
「うう、蛇神様、ちょっと頭がいっぱいいっぱいです〜」
「そうじゃろうのう、しかしわしが男であればのう‥」
「へ??蛇神様が?」
「そうしたら青葉と結婚したのに」
蛇神様がそう言った途端、オミさんがジュースを勢いよく噴き出した。え、ちょっと、大丈夫?!慌てて紙ナプキンを渡そうとするけど、ゲホゲホと咳をするので背中をさすろうとすると、椅子から転げ落ちた。
「「お、オミさん、大丈夫!?」」
「ちょ、ちょっと、転げただけだ‥」
「いや、そういうレベルでなかったけど?」
私から紙ナプキンを受け取って、口を拭いたオミさんはちょっと目を逸らしつつ、また椅子に座り直した。うん、まぁ、大丈夫か?私はようやく空っぽになってしまったフライドポテトに気付いて、オミさんを睨むと、ニヤッと笑った。
‥成敗してやりたい。
蛇神様は、スマホをタップしつつ、
「しかし、こう何度も狙われるのも確かに気が休まらんじゃろ」
「‥まぁ、確かに?」
「それなら、わしの管理してる別荘で夏休み過ごすか?」
「「べ、別荘?!!」」
私とオミさんの目が丸くなって、蛇神様を見るとニンマリ笑う。
「わしの神域だからのう、おいそれと他の神はおろか、ましてや悪食がまず入って来られない場所じゃ。欲しい物はわしに知らせてくれれば送ってやる」
「え、でもいいんですか?」
「うむ!わしも遊びに行くので構わぬ!」
「ああ、なるほど?」
「あと竜の子の修行もそこでさせる!!」
すかさず私の横で、オミさんが「はぁ!?」って言うけど、蛇神様はジトッとオミさんを睨みつける。
「そもそもお主が神格を上げておれば、あのような狐の小童に舐められた真似をされなくても済んだんじゃが?」
瞬間、オミさんは口をぎゅっと引き結ぶ。
え、でも、十分守ってくれているし‥、私は蛇神様にそう言おうとすると、蛇神様は私を見て‥、
「青葉、強い神は好きか?」
「え???」
「好きか?」
「ま、まぁ??」
「ほれ、竜の子お前のような弱っちい半神ではダメだと!!」
「「あれえええ???そんな事言ったっけ?!」」
蛇神様は、ニヤニヤしながらオミさんを見るので、私はそっと視線だけでオミさんを見ると、悔しそうに蛇神様を睨んでいる。
「そんな訳で、バイトはシキと我が別荘から通って行け」
「え??そんな事できるんですか?!でも、離れるとオミさん力が出せなくなるんじゃ‥」
「上手く力が出せるようにする次元を繋げておく。」
「!!蛇神様すごいですね!??」
蛇神様を崇めるように、両手を上げて頭を下げると面白そうに笑って、「よきに計らえ〜」って言うので笑ってしまう。横のオミさんを見ると、すんごく不満そうだけど‥。
「オミさん、嫌だったらあの、」
「‥行く」
「いいんですか?」
私が念を押すと、小さな声で、
「‥髪、乾かせよ」
まだ粘るか。
でも、オミさんにしてみれば、のんびりしてていいのに私のせいで振り回しちゃうんだもんな。それなら、自分がしてあげられる事をするか‥。
「‥ドライヤー持っていきます」
私がそう言うと、オミさんがニヤッと笑う。
‥本当にこの神様は。
蛇神様と、荷物をまとめて明日その別荘でお世話になる事を決めた。
どんな場所かな〜と思ってワクワクしながら聞いてみると、シキさんが私に、
「そうですねぇ、いくつかあるんですが、温泉付き別荘、プール付き別荘、湖の別荘と色々御座いますが、どれがよろしいですか?」
別荘ってそんな幾つもあるものなの!??
私は目を丸くしていると、蛇神様が得意げな顔をして、
「オススメはな、カラオケルームがある別荘じゃぞ!!!」
と、話すとなぜかオミさんが食いついた。‥そういえば、すぐにポップス覚えてましたね。とりあえず、た、楽しみ?




