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竜の神様と契約しますか?  作者: のん
竜の神様出現。
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竜の神様、契約はお互い様。


図書館では、オミさんは厳戒態勢で私の側にいてくれた。

おかげでレポートはなんとか仕上がったけど‥、つ、疲れた。


外を出ると、すっかり夕方だ。

熱気のすごい道路を歩きつつ、さっきのあのぞわりとした空気は何だったんだろう。また私の力を狙う何かなのだろうか‥、そう思うと気分が重くなる。



‥オミさんの課題の事だって考えないといけないのに、

契約だってずっとオミさんを縛り付けてしまうものだから、どうにかしないと‥そう思うのに、グルグルと色んな事が頭の中を巡っていると、ひやりと首筋に何かが当たる。



「「ひゃぁああああ!!!」」

「ぶは!!そんな驚くことか?」



びっくりして顔を上にあげると、いつの間にかオミさんがジュースを買っていてその冷えた缶を私の首筋に当てていたようだ。さ、さっきの事もあって怖かったんですけど!!


ジトッと睨むとオミさんはニヤニヤしながら缶ジュースを開けて、ゴクリと一口飲む。



「‥まぁ、さっきのはなるようにしかならねーだろ」

「そうですけど‥。オミさんに迷惑かけちゃうし‥」



ボソッと呟くと、オミさんが目を丸くして私を見る。

え??違う??


まぁ、オミさんのせいもあるけど、そもそも守られないとまずいっていう自分の存在って大分こう‥大変というか、迷惑じゃない??またいつ狙われて、その度に心配を掛けてしまうのかって思うと、やっぱり申し訳ない気持ちの方が大きくなってきて‥。



「青葉」



いつの間にか俯いていた私はオミさんの足先を見ていて‥、

そっと顔を上げるようとすると、



オミさんが私の頭にずしっと手を置く。

あの、顔を上げられないんですが。



「‥オミさん、重い」

「お前が俺と契約するって選んだように、俺も守るって選んでるんだぞ」



思わぬ言葉に目を見開いて、オミさんの重い手に負けじと顔を上げると、ニヤッとオミさんが私を見て笑う。



「契約はな、命さえ守っておけばいいんだ。怪我しても何があってもいい。命だけ守っておけばいい。それくらいの契約だ」



そ、そうなの??

私はジッとオミさんを見上げて、口をポカンと上げる。



「だけど、お前が怪我したら髪は乾かせないし、シャボン玉で勝負も出来ない、肉も食えない。それはつまんねーから守ってるんだ」


「‥でもオミさんが、怪我したら‥」

「お前本当すぐ忘れるな?俺は神だぞ?怪我なんてしてもすぐ治る」



本当に??

それでも怪我したら、私は嫌なんだけど‥。

オミさんは私の頭の上に乗せたままの手でぐしゃぐしゃと髪を撫でる。



「弱い人間はせいぜい俺を崇めたてろ。あと夕飯、肉な!」



ニカッと笑うオミさんに鼻の奥がツンとなって、ジワリと泣きそうになる。なんでそう優しいんだよ‥、いつもは偉そうにして口が悪くて、すぐ殺気立つくせに。



でもそうか、私だけ一方的にオミさんにお願いしたい‥でなくて、オミさんも守りたいって思ってくれてたんだ。その言葉が聞けて、安心したのと同時にちょっとだけ申し訳ない気持ちもやっぱりあって‥。涙が溢れそうになった私をオミさんが驚いてジュースを持ちつつ慌てて私の背中をトントンと叩く。



「「ば、バカ!!な、泣くな!!!」」

「な、泣いてなんか‥」

「泣いてんじゃねーか!あ、じゃなくて、だ、大丈夫だから!!」



オミさんはもうアワアワして、私の背中をさすったり、叩いたり、オロオロしている。


何か力があるっていうけど、自分では分からないし、どうにも出来ない私を守ってくれる優しいオミさんが辛い思いをしない方法を少しでも早く見つけよう。試験が終わったら蛇神様にも相談しよう。



涙を手でゴシゴシと乱暴に拭いて、顔を上げるとオミさんはホッとした顔で私を見る。赤い夕陽と、髪の色が重なってキラキラと綺麗だ。なんだかお日様が二つも私の上でキラキラ光って守ってくれているようなそんな気持ちになって、私もホッとする。



「‥オミさん、」

「お、おう、なんだよ」

「アイス食べてから、帰りたい‥」

「た、食べようぜ!!すぐに!」

「奢って下さい」

「‥お前、神にたかるな」



私がニコッと笑うと、オミさんはジュースをグビッと全部飲んだかと思うと、ちゃんとゴミ箱に捨てて、ジーンズのポケットに手を突っ込んでジロッと私を見る。でもさっきオミさんが私を守るのを自分でも選んでいるって言って貰えて嬉しい私は睨まれても怖くない。



「‥なににやけてんだよ」

「別に〜〜?」



オミさんの口調を真似して、ニヤッと笑うとオミさんはちょっと目を丸くして、ニカッとオミさんの後ろでゆらゆらと揺れるお日様のように笑った。‥ちょっとストライク入るような笑みだった。



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