竜の神様、お祭りの約束する。
あれから蛇神様から定期的に服が送られて来るようになった。
シーズンが終わったら回収して、また新しい服を送ってくれるっていうけど‥サブスク!??服のサブスク!?そう思ってしまうけど、毎回新しい服が来て、自分では選ばない服が来るのはちょっと面白い。あと無料も最高だ。
オミさんに嫌味のつもりなのか、毎回際どい服が必ず1着は入っていて、箱を開けるたびにオミさんが真っ赤な顔になる。‥蛇神様の嫌味はなかなかだな。
「‥そんなんぜってぇ着るなよ!!!」
「逆にこんなの着る勇気ありませんよ‥」
本日は、ミニスカワンピだったけど‥。
蛇神様、これを一体どんな気持ちで選んで買っているのか逆に聞きたい‥。箱にしまうと、オミさんが心底ホッとした顔をしている。どっちかっていうと、このやり取りを見せた方が喜びそう???
「そろそろバイトの時間かぁ。オミさん、行きましょうか」
「‥おぅ」
「今日の帰りにスーパー寄って、サッパリうどんとか食べたいなぁ」
「肉がいい」
「昨日も食べたでしょうに‥」
あっという間に7月に入って、試験が終われば夏休みだ。
オミさんを連れ帰ったら、家族が皆驚くかなぁ〜なんて思いつつも、ちょっと面白そうでワクワクする。
商店街を一緒に歩いていると、「納涼祭開催!」のポスターが貼られてる。
ああ、もうそんな季節かぁ。
オミさんが私の見ているポスターを見て、目をキラッとさせる。
「のうりょうさいってなんだ!?」
「夏祭りですね〜。本来は、死んだ人をこっちにお迎えするって意味だったんですけど、まぁ、花火をしたり、踊ったり、食べたりするお祭りです」
私の言葉にオミさんが目をキラキラさせる。
はい、予想通りー!
「いつやるんだ!??」
「ええ〜〜、行くんですか??結構、人多いですよ?」
「肉はあるか?」
「焼き鳥とフランクフルトとかなら‥。あ、かき氷もあるなぁ」
「よし、行くぞ」
「決定かーい!!!」
っていうか、そっちにお祭りはないのかい??
オミさんに尋ねると、あるにはあるけど自分は参加した事がないそうだ。
「‥私は、オミさんの国のお祭りに行ってみたいですね」
「「はぁ!???な、おまっ!!」」
「え?やっぱりダメなんですか?あ、人間は行けない感じですか?」
「いや、うん、まぁ、そう、だな‥」
「そっかぁ〜、ちょっとどんな所か見てみたかったなぁ」
「‥‥‥‥そうかよ」
オミさんの国がどんな場所かちょっと興味があったけど、行けそうにないなら仕方ないなぁ。週末にお祭りはあるので、一緒に行く事をしっかり約束され、バイトへ向かった。
バイトへ行くと、葉月さんがお祭りに行く話をすると、
「あ、だからかなぁ。なんかね、お花を買いに来た人が蒼葉ちゃんとルディオミさんにって浴衣をくれたんだ。なんか人っぽくないお客さんだったから、不思議だったんだよね〜〜」
「私はそれを不思議に思いつつも受け取っちゃう葉月さん、すごいなぁって思います‥」
そう言って葉月さんから紙袋を受け取ると、2着浴衣が入っている。しかも一番上に蛇のマークが入っているメモが入っていて、「楽しんでこい!」と書いてある。‥蛇神様、どこから見ていたんですか?
それにしても葉月さんの色んなものを視える力‥。
むしろ私みたいに何も視えない人なんかより、ずっと力があると思うんだけどなぁ。花の水切りをしつつ、なんで私に力があるんだろうって思っていると、葉月さんが領収書を片付けつつ‥、
「そういえば、青葉ちゃん今年は神社と家の修繕で部屋がないって聞いた?」
「「っへ????」」
「先日、台風があったでしょ?神社の一部と、家の屋根が飛んじゃって、修繕中なんだって。夏休みは帰って来るなって僕言われちゃったんだ〜」
聞いてなーーい!!!!
娘なのに一切聞いてない!!!
「えええ、そんな大変な事なんで教えてくれないかなぁ!!?」
「お姉ちゃんだしね〜」
葉月さんが、ほんわか笑顔で話すけど‥。
そうお母さんもすんごくのんびりしてるんだよね。きっと「あらあら大変〜。今年は帰省は無理かしら〜。あ、お茶の時間だわ〜」とか言って忘れたんだろうなぁ。遠くを見つめて今年の帰省は無理かぁとがっくりした。




