竜族の神様、守護の約束。
助けてくれたぺたさんは、ものすごい新情報をぶちまけて
「ルディオミ様も、言の葉の神様もいらっしゃいますから、どんと大船に乗ったつもりで学生生活を満喫して下さい」
そう言って、消えてしまった‥。
ものすごい大船ですね!!!?なおかつ、いつまで狙われ続けるの???呆然とする私の頭をオミさんが大きな手をずしっと置いたかと思うと、ワシワシと撫でる。
「‥腹減った。飯食おうぜ」
「マイペース!!どこまでもマイペース!!!」
でもお腹が減っては戦ができぬ。いや、戦はしたくないけど。
せっかく始まった学生生活‥、これからどうなっちゃうんだろう。
お弁当を食べつつ、どんどん気が重くなっていく。あ〜〜、まだ午後もあるのに‥しっかりしなくちゃ。
「青葉」
オミさんに呼ばれて、顔を上げる。
気が付かない間に、お弁当をずっと見て俯いていたみたいだ。
「‥なんですか」
ジトッとオミさんを見つめると、オミさんは頭をガシガシと掻きつつ、空っぽになったお弁当箱を机の上に置くと、腕を組んで横を向く。
「‥お前が狙われなくなるまではいてやるよ」
オミさんは、そう言って視線だけ私に向ける。
その一言で不安だった気持ちが、胸の中でじんわりと溶けて‥、ぐっと喉が詰まる。泣きそうになってしまって、慌てて口を引き結ぶ私を見て、オミさんはニヤリと笑う。
「ただし肉は切らすなよ」
「「全く締まらない!!!」」
思わず叫んだ。
最初のセリフだけで十分だってのに!!
でも、どうなってしまうんだろうって不安だったから、その言葉が嬉しかったのは確かだ‥。
「野菜も食べて下さいね」
「嫌だ」
「髪も自分で乾かして下さい」
「嫌だ」
「も〜〜!!少しは自分でやって下さいよ!!」
そう言うと、ニヤッとオミさんが笑う。
「その方がりんごは、気が紛れるだろ?神の素晴らしい配慮だ」
「面倒くさいだけのくせに‥」
私が口を尖らせてそう話すと、オミさんは頬杖をついて私をじっと見る。な、なんだよ‥?!メンチ切るなら、勝負してやるぞ!?
「‥お前の気は、心地いいからなぁ」
「「っへ?」」
「まぁ、そう言うわけだから安心しろ」
「「え、え、えええええ???」」
心地いい??
私の気?
全然意味が分からないんだけど‥‥。
ニヤニヤしながら私を見ていたオミさんは訳が分からない私を放って、空き教室に置いてあった雑誌を鼻歌を歌いつつ読み始めた。ご機嫌だね。
‥これ以上何か言うのもなんなので、とりあえずお弁当の残りを食べようとして、ふと窓の外を見るとあれだけ降っていた雨は止んでいて、雲の切れ間から光が差していた。
「あ、晴れちゃった‥。あの傘、また使いたかったのに」
「また降ったら使えばいいだろ。あの傘、お前を気に入ったみたいだし」
「‥‥傘が、私を気にいる???」
‥また不思議な世界の話きたーーーー。
うん、もう考えるのはやめよう。とりあえず晴れた空を見て‥、やっぱりいつも使ってた傘を使おうかなって思った‥。
晴れた夕焼け空の下、傘を持ってオミさんと学校から帰る。
「‥今日も色々あったのに、バイトか〜〜」
「お前、本当にそんな働いて大丈夫か?」
「爺ちゃんやお母さん達に迷惑を掛けられませんから‥」
私がそう話すと、オミさんが片眉を上げて、
「ちっこいくせに」
「人の器というものはですね、体の大小では決まりません」
「まぁ、確かに」
お?
素直に認めた??
私が意外そうな顔をして、オミさんを見上げると、
「りんごは泣き虫な癖に、すぐに強がるよな」
「「本当っに失礼が過ぎる!!!」」
オミさんの脇腹をパンチすると、オミさんが「神に不敬は許されねーぞ!」って言うけど、嘘つけ!!全くのノーダメージな癖に!!!可笑しそうに笑うオミさんをジロッと睨み、足元の水たまりを飛び越えて、私はバイト先の花屋へ急いで向かうのだった。
もう!!来るなら来いってんだ〜〜〜!!!という気合いと共に。




