竜の神様、メリークリスマス!
雪だるまさん達にプレゼント攻めされたオミさん。
ぶちぶち文句を言いつつも、山盛りにもらったプレゼントを開けてはオミさんは目を輝かせていた。
中に手紙が同封されてて、ちらっと見ると、オミさんのお父さんやお兄さん、言の葉の神様の名前が書いてあって‥。これはサンタクロースさんからというより、みんなからプレゼントでは??と思った私‥。お歳暮を送ったけど、新年開けたらまたお礼を早めに送っておこうと決意した。
「青葉!青葉、これ、食べたいって言ってたやつだ!」
「あ、本当だ。お肉の燻製したのじゃないですか〜。良かったですね」
「‥おう、あ、そーだケーキ食べようぜ、ケーキ!」
「もう?私は一口にしておこうかな‥。オミさん、ハンバーグ結構くれたし」
「お前、よく食べてたよな」
「だって美味しくて‥。あそこまた行きましょうね」
私がそう言うと、オミさんは嬉しそうにくしゃっと笑って頷いた。
くっ!!可愛いか!!
それにしても、モノ達の情報ってすごいなぁ。
話せないけれど、ちゃんと大事にしてくれる人を覚えていて、モノ同士で会話するとか‥。そう考えると、モノをうっかり買えないとますます思ってしまう。
台所でお湯を沸かしてお茶を淹れていると、右手首にはめられているバングルがキラキラと光る。‥プレゼント、どうしようかなぁ。もう渡しちゃう?でも、今あれだけプレゼント貰っているオミさんだし‥、嬉しさ半減しちゃうかな?
ちょっと悩みつつ、お茶と一緒に焼いたガトーショコラを切ってコタツまで持って行くと、オミさんがパッと顔を明るくする。うう、結婚して以来オミさんの顔がやたらと可愛く見えたり、格好いく見えるの‥どういう事なんだろ。
照れ臭い気持ちを必死に抑えて、コタツに座るとオミさんがいそいそとお皿とお茶をトレイから下ろしてくれた。
「クリスマスってどんなもんかと思ってたけど、面白いな!」
「本来の趣旨とは違う方向で楽しんでいるけど、まぁそうですね」
「また来年もやろうな!」
オミさんが嬉しそうにそう話す笑顔が可愛くて‥、
つい、衝動のままキスをした。
あ、まずい。いきなりキスしちゃった。
でもオミさんがあんまりにも可愛いんだもん。
パッと顔を離して、なんでもないように装う。
「そうですね、来年もクリスマスしましょうね」
「‥‥待て、今、キス「クリスマスケーキは何にします?」
あえて会話に被せた。
そこはもう突っ込まないでくれ。
ちょっと目を逸らしつつ、ケーキをそそっとオミさんの前に差し出すと、オミさんはバクッと一口でケーキを食べてしまった。
「あ、ちょっと!味わう間もなく‥」
「青葉も食え!すぐに食え!」
「え、えええ??」
突然何?何かあったの??
そう思いつつ、お茶を飲みつつ急かしてくるオミさん‥。
私もケーキを食べるけど、結構上手に出来てたな。キット様様である。
「美味しい〜〜」
「食べたな?食べたな?」
「はぁ、食べましたけど、それで何‥」
言いかけて、オミさんが私を軽々と抱き上げると、寝室の方へズンズンと歩いて行く。
「お、オミさん??!!」
「プレゼント‥」
「え?プレゼント?確かにあるけど、それは明日の朝‥」
「わかってる、だからプレゼントを前借りする」
「ま、前借り?」
お菓子の詰め合わせを食べるって事?
っていうか、私のプレゼント知ってたの?
疑問符が頭の上をぽこぽこ出てくる間に、すぐに寝室に着いて、そうして私を抱き上げていたオミさんがそっと私をベッドに下ろした。
「オミさん?」
「青葉からプレゼントを貰う」
「え、それって明日‥」
「だから、青葉を貰う」
オミさんがベッドに乗り上げて、私をじっと見つめて‥
ようやく言葉の意味がわかって、一気に顔が赤くなった。
「え、あ!そ、そういう??」
「‥‥大分わかりやすく言ったぞ」
ニヤッとオミさんが笑うと、私の唇にさっきのお返しだとばかりにキスをすると、あっという間に腕の中に抱きしめられて‥。明日のクリスマスパーティー大丈夫かな??って思ったけど、それはまぁ、明日の私に任せることにして、今は嬉しそうに私を抱きしめるオミさんサンタを抱きしめた。
これにてクリスマス小説終了〜〜!
とにかくオミさんシリーズ書きたい!クリスマスに突発的に書きたい!!
そう思って、この2日でががっと書きました。
楽しんで頂ければ幸いでーす(^^)




