表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜の神様と契約しますか?  作者: のん
竜の神様とお付き合い。
253/254

竜の神様とクリスマス。(オミさん視点


クリスマス‥、ここまで本当に長かった。

なにせ神に正式になってからというもの、忙しい!!なんなんだこの国は!!神とか半神とかやたら多いし、問題も多いし、忙し過ぎる!!新婚だというのに青葉と一緒にゆっくりする暇がない!!



‥青葉は全然平気そうな顔をして大学へ行くけど、もう少し寂しそうにしてもいいんじゃねぇ?と思うけど‥。そんな訳でクリスマスを知った俺は、ここぞとばかりに仕事に励み、休みをもぎ取り、近所の神に仕事をおっつけた。こちとら新婚なんだ!



そうして、青葉と一緒にようやくモノ達が「食べに行くならここ!」と言われたこじんまりした丘の上に立つ小さな洋食屋のテーブルに座った。



店に入った瞬間に、店のモノ達が大事にされているのがわかる。

どこもかしこも綺麗で、空気も綺麗で、店の主人の気まで綺麗だ。青葉もそれを感じたのか、店の中をぐるっと見回して「綺麗ですね」と呟いた。



「モノ達が、モノづてに聞いてこの店が良いって言ってたけど正解だな」

「モノが認める店って何気にすごいですね。しかも料理もどれも美味しい!」

「だな。あ、このハンバーグ美味い」

「あ、私も一口下さい!」



向かいの席に座って、ビーフシチューを食べる青葉に小さく笑って、一口切って皿にのせると嬉しそうに笑い青葉に胸が暖かくなる。


「しかしオミさんがサンタクロース‥。いやいやお疲れ様でした。雪だるまさん達はどうなったんですか?」

「プレゼントを配り終えたら、言の葉の神様が帰ってきたんで、元に戻してもらったけど仕事は終えたんで、他の地域を手伝いに行った」

「そっか、元に戻ったんなら良かった‥」


ホッとした顔をしつつ「でも大丈夫ですかね‥」と呟いたが、そこはもう考えたくない。なにせなんとか働いてもぎ取った休み。本当なら青葉と二人きりでいたかったのに、大分プレゼントを配って時間を取られてしまったんだ。これ以上時間を割くなんてしない!絶対しない!!と、心の中で強く誓う。



「帰ったらケーキ食うか」

「え、もうケーキの話?!さっきデザートも頼んでましたよね?」

「ケーキは別腹だ」

「‥すっかり俗世の情報にまみれてますけど、いいんですか神様?」

「神だし問題ないだろ」



しれっとした顔で話すと、青葉が可笑しそうに笑う。

‥くそ、可愛いな。

神になったから、これからはずっとずっと長く生きていけるけれど、時間ってこんなに流れるのが早いのかって毎日思う。本当に人間のままだったら、青葉はあっという間に年老いてしまうんだろうな。


そう思ったら、俺と一緒に生きていくと決意してくれて勝手だとは思うけれど、嬉しくて‥。こんな風に一緒にいられるのが当たり前じゃないって自分に言い聞かせる。



「あ、オミさん、また雪降ってきましたね」

「こりゃ帰りは力を使うか‥」

「そうなんですか?てっきり雪景色を見ながら帰りたいって言うと思ってました」

「‥それよりは青葉と一緒に家でゆっくりしたい」

「っな、な‥」

「赤りんご〜」

「オミさんのせいです!」



頬を染めて俺を睨むけれど、その顔が可愛いって気付いてねーんだろうなあ。小さく笑って、ハンガーグをもう一切れ皿にのせるとフニャッと笑う顔にまたギュッと胸が締め付けられる。‥早く帰りてぇ。



結局、あまりにも心地よくて店でゆっくりしてから家に帰る頃には夜遅くなってしまって‥、玄関前まで転移すると、玄関前に雪だるま達が立っていた。



「あ、お前ら‥」

「ルディオミ様〜〜!本日は本当にご迷惑をおかけしました!」「我々、せめてプレゼントを届けようとルディオミ様をお待ちしてました!」「これどうぞ!お気持ちばかりですが!!」「あ、これも‥」「これも!!」



次々とどこから出してきたのか、プレゼントを出しては俺の腕の中に積んでいくけど、わんこそばみたいにどんどん積み上げていって、バランスを崩しそうだ。



「っだーーーーーー!!!!ちょっと落ち着け!!!」

「オミさんも落ち着いて、はいはい、雪だるまさん達も一列に並んで〜」



青葉の指示で雪だるま達は、ハッとした顔をすると縦に一列に並ぶ。

その間に青葉は玄関を開けて、受け取ったプレゼントを片付けてくれた‥。


「悪い、ありがと‥」

「いいえ。良かったですね!オミさんサンタにもプレゼント沢山届きましたね」

「あ、まぁ‥」

「ではルディオミ様!!プレゼントの続きをしてもよろしいでしょうか?!!」

「まだあんのかよ!??」

「はい!サンタクロース様からお礼だと‥!!」


そういって、雪だるま達に玄関をプレゼントで埋め尽くす気か!!って突っ込むくらいプレゼントを受け取ると、雪だるま達は満足そうに微笑み、



「では、我々はこれからクリスマスパーティーを蛇神様とやってきます!メリクリでーす!!」

「おい!!ちゃんと気配を消してからパーティーへ行けよ!はしゃぎすぎるなよ!!」

「「「「「はーい!!!」」」」」



ものすごいいい返事をして帰っていったけど‥あいつら大丈夫だろうか。しかも蛇神とパーティー‥。隣で立っている青葉が「明日もパーティーなのに大丈夫かな?」って呟いてたけど、あいつは大丈夫だろ。



「そういや蛇神、プレゼント配り終えてから「今夜はぶっ通しでパーリナイ」って言ってたけど、意味わかるか?」

「‥そうですねぇ‥。とりあえずはっちゃけてますねぇ」



青葉が遠い目でそう話してたけど、パーリナイって美味しいのか?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ