表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜の神様と契約しますか?  作者: のん
竜の神様とお付き合い。
252/254

竜の神様とクリスマス。9


そんな訳でオミさんは蛇神様と、水になってしまった雪だるま達、そしてまるさんと一緒にプレゼント配りに行ってしまった‥。



しかし、来年のクリスマス‥どうなっちゃうんだろう。

絶対来年は雪だるまは起用されないだろうなぁ‥。お昼の片付けをしてから、今の内に!とばかりに寝室に行ってオミさんの寝る方のベッド下に特大ブーツに入ったお菓子の詰め合わせを置いておいた。


「こっちも仕込みはバッチリだな!」


オミさんの驚いて、喜ぶ顔が今から楽しみである。夜は外食しようって言ってたし、帰ってくるまで部屋の掃除でもしておくかな。なにせ明日は蛇神様とクリスマスパーティーだし‥。テキパキと掃除をして、大分綺麗になった部屋を見回す。



「あとは、その前にお菓子ももうちょっと買い足しておくかな」



オミさんは夕方まで仕事が終わらなさそうだし‥。

バッグに財布を入れて、商店街まで歩いて行くと、あちこちでクリスマスソングやはしゃぐ小さな子供達の姿が目に入る。みんな「サンタさん来るかな〜」って話しているけど、今日は蛇の神様と、赤い髪に褐色のちょっと目つきの怖い神様が届けに行くよ〜なんて心の中で言っておく。


何気に考えたら、絵面が面白いな。

口元に手を当てて、思わず笑ってしまうと‥、



「あれ?青葉、一人なの?」



ん?

誰だろ?

後ろを振り返ると、長谷君がケーキ屋さんの前で手を振っている。


「あ、長谷君」

「なんだ〜、一人だったらクリスマス一緒にしようって誘ったのに‥。あ、もしかしてこれから?」

「うーん、多分?」

「なんだ多分って!もし一人ならこれから友達ん家に‥」


長谷君が言いかけると、後ろでガシャーンと何かが落ちる音がして、咄嗟にそちらを振り返るとオミさんが看板を倒してしまったのかそれを直していた。あ!配達こっちでもしてるんだ。



オミさんと目が合うと、嬉しそうに笑ってこっちへ走ってくる。



「青葉!あとちょっとだから!!」

「え?あ、は、はい!頑張って下さい!」

「おう!」



そう言って笑うと、私の頭をポンと叩いて颯爽と何処かへ走って行ってしまった‥。私と長谷君でその様子をちょっとぽかんとして見ていると、長谷君がオミさんの走って行った方をまじまじと見つめて、



「‥なんかバイトでもしてんの?ルディオミ」

「あ、今日だけね。急遽入っちゃって‥」



サンタの仕事が。

とは言わず、思い切りぼかしておいた。

長谷君は、ちょっとため息を吐いて私を見ると、


「うーん、なかなか出し抜くのは難しそうだな‥」

「出し抜く?」

「まぁ、こっちのこと。じゃあ、年明けにでも遊ぼうぜ〜」

「あ、うん、またね」


長谷君はケーキの箱を持って手を振ると、寂しそうな笑顔で去って行ったけれど‥、何か悩みでもあるのだろうか。でもそれこそ神様でもあるオミさんに相談すべきだろうなぁ。



蛇神様が好きそうなお菓子とジュースを買って家に帰ると、丁度夕方だ。



「オミさん、あと少しって言ってたけどいつ頃帰って来るかな‥」



こたつに入ってウトウトしていると、いつの間にか眠ってしまったらしい。



不意に頬に何か冷たいものが触れて、ぱちっと目が覚める。

あ、今、何時だろ?顔を上げようとすると、ふんわりと雪の匂いがする。



「‥ん?」

「起きたか、寝ぼすけ」

「お、オミさん!?」



後ろを振り向くと、ダウンジャケットを着たままのオミさんに後ろから抱きしめられていて驚いた!あれ??いつの間に帰ってきたの?そんなに熟睡してた??



と、手首からシャラっと音がして右手首を見ると金色の細いバングルがはまっている。



「あれ、これ‥」

「クリスマスプレゼントだ」

「え‥」

「サンタからな。まぁ、ちょっと早いけど」



オミさんがちょっと横を向いて話すけれど、耳が赤い。

え、ちょっといきなり可愛いんですけど。

私は目を丸くしつつ、もう一度自分の手首にはまっているバングルを見ると、結婚指輪と似た綺麗な模様が入っている。



「‥サンタさん、無事お仕事終わったんですか?」

「終わったんじゃね?」

「じゃあ、もうただのオミさんに戻りました?」

「俺はいつも通り格好いい神だ」

「‥そうですね、格好いいですね」



振り返って、オミさんを見上げると、

私の言葉に驚いて目を丸くするオミさんとパチリと視線が合う。



「格好いい‥って」

「言いましたよ〜。なんだかんだでモノ達や雪だるまさん達の面倒を見て、結局お休み返上してプレゼントを配るオミさん、格好いいなって思ったんで」



ニヤッと笑ってみせると、オミさんは顔がちょっと赤くなる。

おお、耳に続いて顔も赤くなった。



「オミさん、顔が赤い〜」

「るせっ!」



オミさんサンタをからかったら、ギュッと抱きしめられたかと思ったら熱烈キスを贈られて‥。危うく酸欠しかけてバシバシと腕を叩くまでオミさんからのキスのプレゼントは止まらなかった‥。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ