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竜の神様と契約しますか?  作者: のん
竜の神様とお付き合い。
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竜の神様とクリスマス。2


海苔のような眉毛をした雪だるまさん。

我が家へ突然やってきたのは、オミさんにお願いがあったから‥だそうで、ひとまず家に上がって貰った。



‥だけど雪だるまって溶けちゃう、よね?

エアコンを入れようと思ったけど、コタツだけスイッチを入れて、座布団でなくピクニックシートの上に保冷剤を置いてあげると雪だるまさんはホッとした顔でその上に座った。‥そうだよね、溶けちゃうもんね。



私とオミさんはものすごい厚着をして、熱々のお茶を。

雪だるまさんには、我が家のかき氷機を出して、かき氷を一応出してみた。


「わ〜〜!嬉しいです!かき氷!」

「あ、良かったです。良かったら召し上がって下さい」


って、言ってみたけれど、枝に手袋がはめてある手で食べるのだろうか‥。

そう思っていたら、器用に枝の腕が動いて、手袋でスプーンを掴んで食べていて‥。もはや私の中の常識はどっかへ行った。


そんなことを思っていると、熱いお茶を飲みつつオミさんが雪だるまさんを見て、



「で、俺に何の用があってここに来たんだ?」

「あ!そうでした。そうでした、当初の用を忘れておりました!」



苺のシロップが掛けられたかき氷を海苔のような口がもしゃもしゃ食べつつ、雪だるまさんはハッとして顔を上げる。


「実は近年、さんたくろうすという妖精がこの国でも周知されて、毎年こちらにもいらしていたみたいなんですけれど、近年働き方改革で長時間労働なうえに、ハードな仕事内容だからと上に言われて、僕たち冬の化身がさんたくろうすの仕事を担当する事になったんです」


さ、さんたくろうすって‥、

もしらサンタクロースのこと?!

私が目を丸くしていると、オミさんがああ‥と納得して、お茶をズズッと飲む。



「妖精か。こっちの世界は本当に色々いるよな。今だに神もぽこぽこ生まれるしなぁ」

「え、オミさんの世界は生まれないんですか?」

「基本的には生まれないな。こっちの世界がある意味特殊なんだよ」

「そうなんですか‥。って、待って?妖精??」

「いるだろ、目の前に」

「雪だるまさんって妖精だったんですか?!」



私が目を丸くして、雪だるまさんを見てそう言うと、雪だるまさんはちょっと胸を張って嬉しそうに頷く。


「はい!この冬限定の妖精です!さんたくろうすの仕事を終えたら溶けます」

「そ、そんな!刹那的な!??」

「いやぁ〜〜、妖精界も色々忙しい時期ですからね〜〜」


クリスマスが終わったら溶けちゃうって、かなり悲しくないかい?って思ったけど、全然大丈夫らしい。曰く他の物に自我が移るのでさして問題がないとか‥。はぁ〜〜!!不思議な世界だなぁ‥。驚いていると雪だるまさんはオミさんを見上げて、



「で、僕はこの街にプレゼントを配る担当になりまして、何せ初めての仕事で不安だったのですが、ルディオミ様がこの地域の神様とお聞きして‥イブの日につつがなく仕事が出来るよう加護を頂けたらと参りました」


「ああ、なるほどな」

「か、加護??」



加護って、昔セキさんが言ってたけど「何かいい事が起こる」ってやつだよね。私がオミさんをチラッと見ると頷いてくれた。どうやらそのようだ。


「オミさん、加護を与えられるんですか?」

「その為に修行して、神になったんだろーが‥。そういうのも修行しないと与えられないんだよ」


そうなんだ〜〜!

私は驚いていると、オミさんは雪だるまさんの頭の上にそっと手を置く。



『仕事を終えられるように』



そういうと、雪だるまさんの首元に赤いマフラーがふわりと巻かれた。


「お守りだ。何かあればそれで俺を呼べ」

「あ、ありがとうございます!!」


雪だるまさんは感激したように首元のマフラーを見て、黒い目を潤ませ‥、



「あ、感動で体が溶けてきちゃった‥」



急にドロッと体が溶け出し海苔の眉が片方落ちて、私とオミさんは目を丸くした。



「こ、氷ーーーー!!!氷ーーー!!あ、待ってかき氷をかけた方がいいですか?それとも冷凍庫!??」

「‥落ち着け青葉。ちゃんと冷やせる」

「あ、すみません〜〜。なにせ雪だるまになるの初めてでして‥」



申し訳なさそうに海苔のような眉毛が下がったけれど、これでクリスマスイブ当日は大丈夫なの??私はオミさんの力で元の姿に戻った雪だるまさんを心底心配した‥。





雪は楽しい気分になるけど、雪かき大変ですよね‥。

懐かしいぜ1m級のつらら‥(本当に凶器だけど)

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