表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜の神様と契約しますか?  作者: のん
竜の神様とお付き合い。
224/254

竜の神様、モノの神様修行をする。4


オミさんと蛇神様の大学前で、あわやバトルが始まりそうだったけど、シキさんのおかげで事なきを得た。うん、近いうちにシキさんにお礼をしないとなぁ〜なんて思いつつ、大学を終えてオミさんを待つべく門の方へ歩いて行くと‥、



「あれ?シキさん??」

「すみません、ルディオミ様の修行は終わったのですが、ちょっと忙しそうで代わりに迎えに上がりました」



え?!そうだったの?

シキさんも忙しいだろうに‥と、謝ると、小さく首を横に振って真剣な眼差しで私を見つめる。


「それよりも、青葉様!今は心を平静にして、家にお戻り下さいね」

「へ?はぁ‥??」

「いざとなったらセキも呼びますから」

「え!ちょっと待って下さい!結構大変な事態が起きているのでは?!」

「そうですね‥。ちょっと由々しき事態です」


少し緊張した顔のシキさんに、私はオミさんは大丈夫だろうかとドキドキしながら力を使って、あっという間に家に戻った。



シキさんと一緒に、オミさんがいるというリビングへ入って行く。



「オミさん!大丈夫?!」



私が扉を勢いよく開いて、中を見ると、



狐のお面と、兎のお面を被っている着物を着た女の子達にオミさんが両腕を引っ張られている。



えーと‥、何しているのかな?

私は何か大変なことが起きたのかと思って、心配していたのに‥。

思わずジトッとオミさんを睨み、



「お邪魔しました」



リビングの扉を閉めようとすると、オミさんが慌てて私の方へ駆けてくる。



「わーー!!!!全然邪魔じゃねぇ!!お前ら、いい加減離れろ!!」

「「嫌ですー!!だって座敷童様が、ルディオミ様、まだ祝言をあげてないって言ってましたし!」」

「だったら、私と結婚して下さい!!」

「ちょっと、私が先よ!!」



嗚呼、なるほど‥。

結婚すると力を得られるもんね。

私は大きくため息をつきつつ、リビングへと入っていくとオミさんはあからさまにホッとした顔をする。‥そんなに困ってたんですか。



「ルディオミ様!こちらの方と本気で結婚するんですか!?」

「半端者になり‥」



半端者?

狐の子の言葉に首を傾げた瞬間、オミさんがギロッと狐の子を睨む。



「黙れ」



ピリッとした空気になって、狐の子も兎の子も一瞬にして黙る。

と、オミさんはサッと二人から腕を振り払うと、グイッと私を引っ張って、オミさんが私を後ろから抱きかかえる。


「お、オミさん!?」

「‥俺は青葉と結婚する」


わかった!!わかったけど、この体勢、ものすごく恥ずかしいのと、めちゃくちゃお面越しに睨まれて怖いです!しかしオミさんは絶対離すまいとばかりに私の体をしっかり抱きかかえてビクともしない‥。



と、コタツの方から笑い声が聞こえてくる。



「ほれほれ、女子達。そうカッカせず落ち着いてお茶でも飲め」

「へ、蛇神様!!」

「青葉、お帰り。帰ってきて早々難儀じゃな〜」

「完全に他人事!どうにかして下さいよ」

「まぁ、そういうのも仕事の内だからの。どうだ?もう結婚してしまうか?」

「いや、詳しいことは何も決まってなくて‥」



私がそういうと、すかさず狐と兎のお面女子が口を揃えて‥、


「「じゃあ、結婚辞めなさいな!!」」

「アホか!!!俺が結婚するのは青葉だけだって言ってるだろ!!!」


誰か〜〜。

このカオスをどうにかして〜〜〜。



結局、蛇神様が美味しいお稲荷さんと、キャロットケーキを女の子達にオヤツとして差し出すと、ようやく「じゃあ、また明日きまーす!」といって、しっかり食べてから帰って行った‥。あ、明日も来るの!??



コタツでヘトヘトになったオミさんが、


「修行の1000倍辛い‥」


と、萎びたモヤシのように呟いて、コタツに顔を突っ伏すのであまりの姿に頭を撫でておいた。



「‥オミさん、修行っていつまでなんですか?」

「‥まだまだ、しばらく‥」

「そっか、文化祭の本番だけでも参加できたら‥と、思ったけど」

「本番は行く。つーか、行ける」

「そうなんですか?」



オミさんの頭を撫でつつ聞くと、オミさんは顔をテーブルに突っ伏したまま、蛇神様を指差す。



「あいつが、絶対行くだろ」

「うむ!その通り!ミニスカワンピはルディオミが絶対ダメだと言うからの、他のもっと可愛い衣装を近く送るからな!!」

「そうだった〜〜!!蛇神様、絶対参加しますね」



納得したけど、じゃあそれ以外は修行かぁ。

オミさん大丈夫かな?

心配してオミさんの頭をずっと撫でていると、オミさんはようやく体の力が抜けたのか、そのまま眠ってしまった。



「ね、寝てる‥」

「ハードな修行から帰ったら、女子達に囲まれて右往左往してたからな」

「ちなみに蛇神様をそれを‥」

「無論、楽しんで見ていた!!」



予想通りの回答である。

これはシキさんが呼びに来てくれて助かったなぁ。

スウスウと静かな寝息を立てているオミさんの頭をゆっくり撫でると、蛇神様がニヤニヤする。あの、ちょっと視線を逸らしてもいいですよ?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ