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竜の神様と契約しますか?  作者: のん
竜の神様とお付き合い。
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竜の神様、修行と文化祭。


オミさんが4月からの「モノ」の神様として仕事するので、翌朝から私をオミさんは大学まで送ってくれたけど、その足ですぐに蛇神様と修行する事になった。


大学の前でオミさんと別れるけど、すでにげっそりした顔だ。

大丈夫なのか、神様‥。


「オミさん、頑張って下さい!」

「‥今日、絶対肉がいい」

「わかりました。肉多めにしますから!」

「あと迎えに行くから、終わったらメールしろ」

「え、疲れてたりは‥」

「すぐトラブルに巻き込まれる奴は誰だ?」

「‥‥何も言い返せない!!!」


私の言葉にオミさんがおかしそうに笑うと、ポンと頭を撫でてそのまま大学の門を出ていった。くそう、格好いいか。



本当、オミさんになんだかんだいって、いつもおんぶに抱っこだな?

自分で悪食とか、黒いもやを祓う力でもあればいいんだけど、流石にまだ結婚してないし、力はオミさんのがちょっと入っているとはいえ‥‥。いや、ワンチャンいけるかも。今度蛇神様に聞いてみよう。


そう力を込めていると、私の肩を誰かがポンと叩く。


「青葉!」

「あ、長谷君。おはよー」

「おう、ルディオミは?」

「あ?え、えーと、しばらく仕事が入ってお休み?」

「へー、何の仕事?」

「‥か、カウンセリング???」


く、苦しい〜〜!!

長谷君はそんな私の回答を、「すごいなー。でも確かに落ち着いている雰囲気あるもんなー」とか言ってるけど、納得しなくていいよ。あと、落ち着いてるかもしれないけど、昨日のシャボン玉決戦では私のシャボン玉に息を吹きかけて割ろうとしたからね。



「今日から文化祭の準備に入るけど、ルディオミ参加できないのかな」

「仕事次第かなー。えっと巨大迷路作るんだよね」

「そうそう!早めに講義室抑えたから、今日から忙しくなるぞ〜!」

「皆、張り切ってるもんね〜。コスプレもするんでしょ」

「青葉はしないの?皆、必ず何かしろって話だったぞ」

「そうなの?!案内する人だけかと思ってた‥」



長谷君と話しつつ、校内へ入って行くけど‥。完全にコスプレの事なんて頭になかった。あとで詳細を確認しておこう。長谷君と講義が違うので別れて、コスプレについて詳細を確認したら、



『不思議の国のアリスのキャラクターなら何でもオッケー!』



まじか〜〜〜。

ネットで検索しておかないとだなぁ。

そんな事を思っていると、すぐに先生が教室へ入ってきたので慌ててスマホをしまう。オミさんも一緒に講義に出られたら良かったなぁとか、文化祭一緒に回れるかなぁなんて思っていたら、あっという間に講義が終わった。時の流れ、早くないか?



講義が終われば、文化祭の準備を手分けしてするんだけど‥。

ダンボールを近所のスーパーにもらいに行ったり、友達と話しながら色々小物を作ったりしてて、ふと視線を感じる。



キョロっと周囲を見回すと、何も見当たらないけど‥。

嫌な感じじゃないから、大丈夫かな?


オミさんに「トラブルにすぐ巻き込まれる」って言われたけど、今日はまさかないでしょう。そう思って、文化祭の準備を終えてからオミさんにメールして、大学の玄関まで歩いていく。



「青葉」

「あ、オミさん!お疲れ様です」

「おう、すげー疲れた。肉買うぞ、肉」

「即座に肉。いいんですか、そんな即物的で」

「神に色々な神がいてな‥」



朝よりはちょっと疲れた顔をしているけど、オミさんはいつもの調子だ。

ただ私の周囲をちょっと埃を払う仕草をする。


「オミさん?」

「‥‥色々くっ付いてる」

「え!??それって、怖い奴‥ですか?」

「どうかな〜〜?」

「ちょっと!!違うって言って下さいよ!!」

「いやぁ〜、どうかな〜〜?」

「神様!?脅すのはどうかと思いますよ!?」


思わず自分の後ろを見るけど、何も見えない‥。

うう、こういう時、自分に力があればなぁ〜って思うけど、視えたら視えたで怖い。複雑だな乙女心。



オミさんはニヤッと笑って、私に大きな手を差し出す。



「おら、手を繋いでいけば怖くないだろ?」

「‥神様、それをしたかっただけでは?」

「細かい事はこだわるな。ほら、肉買いに行くぞ」



日が傾きだした夕焼け空。

赤い夕焼けに照らされた、短くなったオミさんの髪がさらっと揺れて、不思議な瞳の色がちょっとウキウキした感じで私を見つめているので、この不器用な神様の手を握った。



「‥オミさんは素直じゃないですね」

「それはお前もだろ」

「どうですかねー」



ちょっと口を尖らせてオミさんを見上げると、ニヤニヤしながら私をおかしそうに見るオミさん。本当、我々はお互い素直じゃないですね。




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