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竜の神様と契約しますか?  作者: のん
竜の神様とお付き合い。
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竜の神様、実家へ飛んでいく。


蛇神様の神域なのに、子供の声がする?!

私とオミさんが驚いて顔を見合わせていると、蛇神様が私とオミさんを見てちょっと笑う。


「どうやら客のようだ。竜の子、青葉、ちょっと迎えに行ってくれるかの?」

「あ、はい」

「‥なんで俺たちが‥」


オミさんは私の体が心配なのだろう。

そっと私を抱えて、玄関へ歩いていくと‥



「あれ?!」



狐のお面を被っている子供がちょこんと玄関に立っている!?

さっきはお面を被っている人には会ったけど、今度は子供?私もオミさんも思わず首を傾げると、狐のお面を被った子供はペコッと頭を下げる。



「先ほどは、鼻緒を直してもらってありがとうございました!」

「あ、さっきの‥?」

「はい!お母さんが何やら困っているようだから、お礼に渡した物の使い方を教えてきなさいって‥」



使い方って‥あの箱に入ってた金の懐中時計のこと?

オミさんが私を玄関に座らせてから、すぐ箱ごと持ってきてくれると、その箱を指差して狐の子は、



「この上のツマミを左に巻くと、望んだ過去に。右に巻くと、望んだ未来に行けます。ただしどちらも一度のみです」



私とオミさんはその言葉を聞いて、顔を見合わせる。

もしかして‥、過去に戻って木を切られるのを止められるって事?!それなら、なんとかなる?でも、なんでここまでしてくれるの?そう思って狐の子を見ると‥、



「お母さんが、以前うちの親族がお姉ちゃんとお兄ちゃんに迷惑を掛けたのに、助けてくれたから‥。だから今度はこっちが助ける番だって」


「え?!親族って‥もしかして‥」



あの私の魂を食べようとした狐??

驚いて狐の子を見ると、面白そうに笑って‥、


「あのおじさんすぐ怒るから、僕は嬉しいんだけどね」


と、ちょっと小声で話すけど‥。

でも、私もオミさんも希望の光が見えてきたようで、嬉しくて胸が一杯になる‥。ああなんだか、まるさんが前に言ってた事を思い出す。



行為や思いが今に繋がる‥。



オミさんは狐の嫁入りを見て、もしかしたらちょっと複雑だったかもしれない。でも、優しくして‥お祝いした。その優しさが今に繋がった。そんな風に思えて、私はオミさんを見て微笑むとオミさんはちょっと照れ臭そうに目を逸らす。


私は狐の子を見て、


「わざわざありがとうございます‥。本当に困っていたから助かりました。お母さんにもお礼を伝えておいてくださいね」

「はい!!それでは失礼します!」


ペコッとまた頭を下げると、狐の子は元気に駆け出して帰って行った。



そうして、オミさんを見上げるとまだちょっと照れ臭そうな顔をしているけど、私が考えていた事がもうわかっているようだ。



「‥実家の神社に、木を切られる前に行くんだろ」

「はい!一緒に行きます!」

「‥大して力もないんだから、気をつけろよ」



そう言ってオミさんが玄関に座っている私の体をヒョイっと持ち上げたかと思うと、急に頬にキスをするので驚いてしまう。


「な、なんで‥」

「俺の力を少し渡しておいた方がいいだろ」

「い、いや、あの、でも‥」


玄関のすぐ隣の部屋にはシキさんも、まるさんもふわさんも蛇神様もいましてね???


真っ赤になった私をオミさんがちょっと可笑しそうに笑って、今度は耳元にキスをすると「静かに‥」って囁くので、私の体は抱き上げられたまま固まってしまう。



静かに私の唇にキスをすると、オミさんは私を優しく見つめる。



「‥魂を結ぶのは確定だからな。神社へ行くぞ」

「はい‥」



赤い顔で小さく頷くと、オミさんが満足そうに笑う。

う、うううう、甘い!!あと恥ずかしい!!

思わず目を横に逸らすと、蛇神様がまるさんと一緒にリビングからヒョイっと顔を出して、



「おう、狐の子から時計の使い方を聞いたか?」

「知ってたんですか?」

「使い方までは知らなんだ〜。連絡しておいたんだが、随分早く来てくれたな」

「お、お知り合い!??」



蛇神様の交友関係って、本当に謎だな?!

驚いていると、蛇神様に「わしって頼りになるじゃろ〜〜?」って言うので、思いっきり頷いておいた。いや本当大助かりですよ!!



「土産は気にせんでいいから、早く行ってくるがいい」

「あ、あれ??そんな感じなんですね?」

「帰ったらコタツで鍋もいいしのう」



うん、それは全面的に賛成だ。

でも、その前にお爺ちゃんや龍の神様を助けにいかねば。

オミさんは私をしっかり抱えると、私に金の懐中時計を渡す。左に回せば過去へ行く。ツマミを左に慎重に回しつつ、



「‥御神木が切られる過去へ‥」



そう呟くと、私とオミさんは何かに思い切り引っ張られ‥、気が付くと私の家の神社の鳥居の前に立っていた。




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