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竜の神様と契約しますか?  作者: のん
竜の神様とお付き合い。
203/254

竜の神様、デートはドタバタ。


結局蛇神様と、シキさんが参戦したデート。

まぁ、いつものことか?そう思いつつもオミさんに白無垢がいいなんて言われて、恥ずかしいけど嬉しかったりして、頬が緩みそうになって必死に引き締めた私を褒めてくれ、誰か褒めてくれ。



ショッピングモールでコタツを買おうと思うと話すと、蛇神様が


「なんじゃ、使ってないのがあるから送ってやる」


というので、有り難く甘える事にした。

オミさんは早速コタツを味わえるとあってウキウキしてたけど、もう少し寒くなってからでも遅くはないかな?結局フッカフカなクッションを買ってオミさんはホクホクした顔になっている。可愛い。



ショッピングモールにあるスイーツ店に入って、これまた生クリームがタワーなの?ってくらいのパンケーキを頼んで食べるオミさんと、果物がてんこ盛りにのっているパフェを食べる蛇神様。嬉しそうで何よりである。



「ところで青葉、家の者へは式を挙げる旨は話したのか?」

「あ、はい。昨日母には電話で‥」



そう話していると、メールの着信音が鳴る。


「あ、話をしてたら‥お母さんだ」

「なんと言ってるんだ?」


蛇神様はちょっとワクワクした顔で、私のスマホを見てニマニマしている。隣のオミさんは、フォークを持つ手が止まってる。え、そんな気にする感じ?メールを見ると、



『お爺ちゃん、お母さんが結婚の説明したら意味が分からないって怒って、そっちへ行ったわ〜。もうそろそろ青葉の住んでいる駅に着くって〜』


「はぁあああああ!!!???」



思わず声が出てしまって、慌てて口を手で塞いだ。

つ、着く!!??私の住んでる駅って!!?私は今日出かけているんですけど?お母さんなんで止めてくれなかったの?!大きな声を出した私を心配そうに見つめるオミさん。



「なんだって?」

「お、お爺ちゃんが結婚の話を聞いて怒ってるって‥。え、お母さんなんて説明したんだろう」



オミさんはギョッとして目を見開く。

向かいに座ってる蛇神様は、面白そうにニヤっと笑うけど‥そんな顔しないでください‥。


私は、ふとお母さんが爺ちゃんになんの説明もなく、


「青葉、3月に結婚するんですって〜」


って、爺ちゃんに言って、「大学はどうするんだ!?」「どこの男だ?!」「その前に挨拶はどうした!??」って矢継ぎ早に言って、「あら?どうするのかしらね〜」って言ってる姿しか思い浮かばなかった。っていうか、絶対そうなったな?



「‥まず、爺ちゃんに説明すれば良かった」



多分、お母さんに聞いても埒が開かないと思ったんだろうな。正解です。

でも、私もオミさんもまだ心の準備もしてないし、そもそも日程を決めただけで、細かい事はなーんにも決まってないんですよね‥。さっき白無垢がいいな〜とか、神前式にしたいとか話してたくらい緩い感じだよ?


娘でもある母と、孫の私をそれは溺愛してるからなぁ。

相当慌てているんだろうな。普段ならちゃんと連絡してから来るのに、いきなり来るくらいだし。



「‥えっと、お爺ちゃんが住んでいる駅にもう着きそうなんですって」

「じゃあ、迎えに行った方がいいな。力使って行くぞ」

「すみません、オミさん‥」

「いや、どっちにしろ挨拶はするし‥」



オミさんはちょっと照れ臭そうに話したかと思うと、一気に生クリームとパンケーキをバクッと一口で食べてしまうと、席を立つ。


「じゃ、行くか」

「うむ、わしも行くか!」

「‥‥お前が来ても、話がこじれそうだから来るな」

「だが断る!!!」

「‥勝手にしろ‥」


オミさんが心底うんざりした顔をしているけど、えーと、多分蛇神様なりに心配していると思います。ニヤニヤしてるけど。



会計を済ませて、オミさんは私の手を繋いで人気のない所へ行くと力を使って、私達が住んでいる町の駅にあっという間に着いた。蛇神様とシキさんも側にいて、一緒に周囲を見回す。どうやらまだ来てないようだ‥。



「‥青葉、構内で待ってた方がいいだろ」

「あ、そうですね。あとお母さんにもメールをしておきます」



携帯を出して、メールを打とうとすると、私のスマホを覗き込んだオミさんの長い髪が私のワンピースのボタンに絡まってしまう。


「あ、髪‥」

「わり、取れるか?」

「ちょっと待って下さいね」


前ボタンにまたタイミングよく絡まってしまって、オミさんが外しやすいように少し私の方へ体を屈ませてくれたけど‥、ええと大分距離が近いな?ちょっと顔を赤くしつつ、髪をボタンから外した途端、



「「青葉!!!!そいつは誰だ!!!!!」」



駅の構内に、ものすごいドスの効いた声が響いた。

私もオミさんもあまりの剣幕に驚いて、そちらを振り向くと、ギロっと睨む私のお爺ちゃんが立っていた。えーと、もうすでにめちゃくちゃ怒ってますね?




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