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竜の神様と契約しますか?  作者: のん
竜の神様とお付き合い。
201/254

竜の神様、デート中にお祝いする。


狐の嫁入りの列で鼻緒が切れそうだった子のを直してあげたら、祝言に招かれた。


‥なんかすごい展開なんだけど?

私とオミさんは言の葉の神様の鳥居の前で、ポカーンとして立ち尽くしてしまった。


私より先に意識を取り戻した(?)オミさんは、ちょっと可笑しそうに笑うように首を傾げている狐のお面を被った黒い留袖を着た人が手招きするので私の手を繋いで歩き出す。



「お、オミさん、大丈夫なんですか?」

「大丈夫だろ。なんせ言の葉の神様の神社だぞ?」

「そ、それもそうか‥」



私とオミさんは手を繋いだまま、神社の鳥居を潜って時折こちらを振り返る黒い留袖の女性らしき人の方へ着いていくと、神社の中にはすでに社の前にお面を被った人達が並んでいて、白無垢を着たお嫁さんと黒い羽織袴姿の狐のお面を被った男性が、社の手前に一歩一緒に進みでる。



と、神社の社の格子窓が静かに開くと、真っ白い手だけがすっとその中から出てくる。



あれって、以前見た事がある‥。

もしかして、言の葉の神様の手?!私が驚いてオミさんを見上げると、無言で頷いた。



そうしてその二人の前で、何かが囁くように聞こえる。

‥でも、その声がうまく聞き取れない。多分神社でいえば、何かお祝いの言葉を言っているのだろう。神様の言葉だから聞き取れないのかもしれないなぁなんて思っていると、周囲が温かい空気に包まれて、私まで心の中がほかほかと温かくなる。



そうして、狐のお嫁さんの手を狐の旦那さんになる人が握ると、さっきまで雲が空にちょっとかかっていたのに、急に雲がなくなって空が晴れ渡る。



と、オミさんが力を使ったのか、桜の花びらが雪のように花嫁さんと花婿さんの頭上を舞った。それを見た他の狐のお面を被った人達はわっと声を上げて、嬉しそうにその光景を見る。私も花びらに包まれたお嫁さんがお面をしているけど、嬉しそうな様子が伝わってきて嬉しくなる。



「オミさん、素敵ですね!」

「‥まぁ、お祝いの席だしな」



ちょっと照れ臭そうにしつつも、花びらがヒラヒラと舞ってやがて静かに消えると、花嫁さんと花婿さんが私達を見て、静かに頭を下げる。そうして、周囲にも頭を下げると静かに消えてしまった!



「き、消えた?!」

「新居に行ったんだろ」

「新居‥」



驚いてオミさんを見上げると、クスクスと黒い留袖を着た人が笑ってこちらへやって来る。


「先ほどは、息子の鼻緒を直して頂いたばかりか、綺麗なお花までありがとうございます」


オミさんは「たいした事じゃない」というけど、狐のお面を被った女性は私の方を見て、


「結婚式の途中で鼻緒が切れるなんて、大変ですからね‥。本当に助かりました。直して頂いただけでも有難いのに、お祝いまで頂けて花嫁の妹も嬉しいと思います」


お姉さんな上に、ゲン担ぎも気にするんだ!

驚いて狐のお姉さんを見ると、白い箱に赤い紐が蝶々結びになっている箱を私に手渡す。



「ささやかですが、お礼です。ぜひ受け取って下さい」

「え、でも‥」

「火竜の神様にお祝いして頂いたので、これくらいさせてください」



そういうと、狐さんは私に箱を渡すと消えてしまって‥。

気が付くと、あんなに狐のお面を被った人達がいたのにいつの間にか誰もいなくて、私とオミさんの二人だけが神社に取り残されていた。



「‥狐に化かされたみたいだけど、結婚したんですよね?」

「そうだな。その箱が何よりの証拠だ」

「以前の狐とは全然違っていい狐さんですね」

「確かにな」



以前襲われた私としては今回はお礼を貰えるなんて思わなかった。

オミさんはちょっとぽかんとする私を見て、面白そうに笑う。そっか、これから新居でお祝いするのかな?オミさんは貰った箱の中を早速見ると、金の懐中時計が入っていた。お稲荷さんじゃないのね〜。



と、木の格子からまるさんがふわふわと飛んできた!



「まるさん!!」

「青葉様、お久しぶりです!狐の嫁入りに参加されていて驚きました。こちらで祝言を挙げるために見学を?」



しゅ、祝言?!!

驚いて目を丸くすると、オミさんが小さく笑って私の頭にずしっと手を置く。お、重い!!



「こっちで祝言を挙げるなら、言の葉の神様にお祝いして貰えるのか?」

「もちろん!言の葉の神様がお祝いすると張り切っておりますよ!」



まるさんの嬉しそうな声に、私の顔が一気に赤くなる。

こ、言の葉の神様がお祝いしてくれるの??

オミさんを視線だけ、そろっと上げて見るとニヤっと笑って私を見る。



「‥神前式って言うんだろ?確かにいいな、あれ」

「な、なぁあああああああ!!!??なんで知って‥」

「調べた」

「おやおや、これは楽しみですね〜〜」



嬉しそうに微笑むまるさんに、私は更に顔が赤くなるし、オミさんはニヤニヤ笑うし‥。ううう、現れてくれるなら今だよ?蛇神様!!って思ったけど、もっとからかわれそうなんで考えるのをやめた。




ペースダウンしたものの、あっという間に200話。

ここまで読んで頂き、本当にありがとうございます!!

ま、まだまだ続くんですけど‥読んで頂けると、めちゃくちゃ嬉しいです!!

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