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竜の神様と契約しますか?  作者: のん
竜の神様とお付き合い。
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竜の神様、デート当日。


週末まではあっという間だった。

なにせバイト、勉強、課題提出、文化祭の準備なんかも始まったし。

金曜の夜‥、明日はデートだというのに私はお風呂から出てくるやいなや、疲れでベッドにぱたっと寝転がってしまった。



「や、やっと明日は土曜だ‥」

「今週、なんか忙しかったな」

「来週から文化祭に向けて、本格的に準備が始まりますしね」

「文化祭‥?」

「あ、学校でお祭りをするんですよ」



オミさんはお祭り!と聞いて、ワクワクした顔になるけど言っておくけど、以前行った納涼祭みたいなものじゃないからね?花火はないからね?


「楽しみだな!!!焼き鳥とかき氷はあるのか?」

「そこかーい!いや、焼き鳥はあるかもだけど、かき氷はないと思います」


本当に結構気に入っていたんだな、かき氷。オミさんはかき氷がないのは残念だけど、焼き鳥はあるならいっか?なんて話す。少し肌寒いなぁって思って以来、かき氷作ってないけど‥今度作ってあげるか?いや、その前にコタツでも買おうかな‥オミさん、寒がりっぽいし。



「その前にコタツ、買わないとかな‥」

「コタツ?」

「こうテーブルの下に足元を温める機械があって、布を被せて足元を温めるんです」



オミさんは不思議そうな顔をして「足元あっためてどーすんだ?」って言うけど‥、まーそうだよね。通年暖かい所に住んでいるとそう思うよね。


「えーと、寒くなってくると足元温めると体が冷えなくていいんです。オミさん寒さに弱いから、いいかなって?」


私がそう話すと、オミさんは目を丸くして‥

それから照れ臭そうにはにかむ。


「そ、そうか‥」

「明日のデートで行くショッピングモールの中に家具屋もあるし、ついで見に行きましょうか」


そう言うとオミさんは、目がキラキラしだしてニヤっと笑う。うう、可愛い。このいたずらっ子みたいな顔、可愛い。そう思っていると、オミさんは私の体をヒョイっと持ち上げたかと思うと、正面からギュッと抱きしめる。



「ちょ、ちょっと、オミさん?!!」

「‥明日、楽しみだ」

「あ、は、はい」

「だから、すぐ寝るぞ」

「え?でも、私の髪まだ乾かしてない‥」



と、サラッと風が吹いた?と思ったら、一瞬で髪が乾いている?!

力を使えば本当に一瞬で終わるのに‥。思わずオミさんをジトッとした目で見上げると、ニマニマしたオミさんが私を見ている。まったくこの神様ときたら‥。


「寝るぞ」

「この格好で寝るのは恥ずかしいというか‥、あのいつもの姿勢で」

「嬉しいから、この格好で寝る」

「う、嬉しいから!?」


「‥‥明日、デート、楽しみだったし」


ぐっ‥!!!


胸が!!胸がギュウっと握りつぶされそうだ!!

ニマニマしつつ、恥ずかしそうに話すオミさんの可愛さに、追加で胸がすりこぎで潰されそうになったんだけど!!私は口を引き締めないと「可愛い!!」とか「甘い!!!」とか叫び出しそうなので、必死に色々な感情と戦かった。


そんな事、つゆ知らずのオミさんはウキウキと私を正面から抱きしめたままベッドに一緒に転がると、力を使って部屋の灯りを消したかと思うと眠ってしまったので、私も寝たさ。色々な感情と戦いながら!!



そうして翌朝。

いつもは寝ぼすけなオミさんが私を叩き起こす。



「青葉!!起きるぞ!」

「う、お、オミさんに起こされた‥」

「飯、食うぞ!出かけるぞ!!」

「ま、待って下さいよ〜〜‥」



と、ふわっとなんかいい匂いがする?

目を擦って、ローテーブルを見ると簡単な朝ご飯が用意されて置いてある。


「あれ?朝ご飯できてる‥」

「作った!一緒に食べよーぜ!!」


くしゃっと笑って私を見るオミさんに、朝から心臓が壊された。

え、なに朝からこの破壊力。

今日これからデートなのに、こんなんで私は帰るまでにどんな状態になっているんだろ‥。


心臓が無事でいられるのだろうか?破壊の限りを尽くされるのでは?瞬間接着剤とかガムテープ必要かな?そう思いつつ、オミさんに手を引かれて洗面所で顔を洗ってからローテーブルの前に座ると、焼きたてパンまでおかれた。



え、今日、生き残れるのかな?

ニマニマな顔で私を見つめるオミさんを正面から見て、思わず床に崩れ落ちた私は別におかしくないよね?ど、どーしよ、これ‥。




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