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竜の神様と契約しますか?  作者: のん
竜の神様とお付き合い。
175/254

竜の神様、神の島で神託を聞く。


神の島の神殿に入っちゃったのに、私はどうやら祭壇に返されたようだ。


オミさんにギュッと抱きしめられて、オミさんの背中をポンポンと叩く。と、オミさんが私の顔をジロッと見る。あ、こ、これは怒られるやつ??



「‥え、えっと、すみません。審議の紙、‥」

「アホかぁあああ!!!そうじゃねぇだろ!!!何で祭壇に乗る?!」

「いや、完全に事故ですって!!故意じゃないです!!」

「こっちがどんだけ心配したと思ってるんだ!!」

「心配してくれるのは嬉しいけど、怒らないで下さいよー!!」



私が涙目でオミさんを見上げると、オミさんがうっと口を引き結んで、ボソボソと「‥何かあったらって思った」って言うので、私は背中を撫でるとオミさんはようやく落ち着いたようだ。



オミさんに抱き起こされて、ヒョイッと抱えられてようやく周囲を見渡せた。



がっしりした体付きのオミさんに似たパティアさんがニコニコ笑って私達を見ていて、後ろには縛られている男の人達が他の兵隊さんらしき人達に取り囲まれている??



「こんばんは、久しぶりだね」

「ご無沙汰してます‥。すみません、審議の紙、防ぎたかったんですけど‥」


「ああ、それはいいんだ。何があっても私はファルファラと別れる気はないし。籍だけすでに入れてしまいましたしね」



イタズラっぽく笑うパティアさん。流石、強かだなぁ。でも籍を入れたんだ‥その事実に思わずホッと息を吐く。パティアさんはチラッと後ろに縛られている人達を見て、私の方を見る。



「彼らが迷惑をかけたね。叔父は‥随分と黒い穢れに染まってしまったようで‥。別の所へ送ったんだ」


「え‥」

「大丈夫。心配するような酷い事はしない」



パティアさんがそう言うと、オミさんがチッと舌打ちする。

こら、そういう態度をしないの‥。



「神託はさっき、ここで出たんだ」

「えっ!!?もう?」



私が驚いてオミさんを見ると、オミさんは私をジトッと見つめる。



「‥お前、祭壇からいなくなって5時間経ってるからな?」

「え??5時間?」



体感10分くらいだったんですけど??

あのやり取りをして、すぐに神託が出されたって驚きなんだけど??っていうか、な、内容!!内容は??オミさんをジッと祈るように見ると、ちょっと黙ったままだ。な、何で??何があったの??私はもう悪い予感しかしなくて、オロオロしてパティアさんを見ると、クスクスと笑い出す。



「‥ルディオミ、教えてあげなさい」

「うるせぇ!指図すんな!!あとの始末はテメーがやれよ!俺はこいつと連休の続きをするんだ」


「え?え?え?」



もうハテナマークしか飛ばないんだけど??

私はパティアさんとオミさんを交互に見ると、パティアさんが可笑しそうに声をあげて笑う。



「ごめんね、青葉さん。ルディオミをよろしくね」

「は、はい???」



とりあえず頷くと、オミさんは背中から竜の翼を出したかと思うと、一気に空高く飛び上がる。ぎゃああ!!!事前報告!!!慌ててオミさんの首に腕を回してギュウッと抱きつく。



「お、オミさん!!!ちょ、ちょっとゆっくり!!!ゆっくり飛んで!!」

「十分ゆっくりだろうが」

「竜族の飛行速度が速すぎる件について〜〜!!!」



泣きそうになって、オミさんを睨むと、オミさんは私からフイッと目を逸らす。



「そういえば、オミさん神託なんて言われたんですか?」

「あ?あー‥、兄貴の結婚はそのまま進めろってのと、あとはまぁ仲良くしろって‥」


「仲良く?叔父さんとか?家族とかですか?」

「あ、まぁ、その‥」



なに??

何かやっぱりまずい事を言われたんじゃあ‥。

不安で胸がドキドキするんだけど?!すると、私達の後ろからバサリと音を立てて緑の竜になったヨークさん達が飛んでくる。



「ヨークさん!」

「大変だったな〜、青葉ちゃん!怪我はない?」

「はい、お陰様で!皆は大丈夫ですか?」

「お〜、俺らは大丈夫!」



オミさんが顔をしかめてヨークさん達を睨む。



「勝手に青葉って呼ぶな」

「あ、いいの???神託言っちゃっていいの?」

「うるせー!!黙ってろ馬鹿!!!」

「え??何??何を言われたんですか?」

「聞かなくていい!!」



いや、聞きたいんですけど?

と、エトラさんが翼を出して飛びながらニヤニヤ笑ってこちらを見る。



「ルディオミ達、結婚していいけど、いちゃつきすぎには気をつけろだと」


「「っへ????」」



いちゃつきすぎ?

ものすごい内容に一瞬、頭が真っ白になる。

え、待って?神託って‥あの場にいた人、皆が聞いたんだよね?



へ、兵隊さん達も、パティアさんも、ヨークさん達も‥そう思ったら、羞恥心で一杯になって‥。や、やっぱり神様の所でキスなんてするべきじゃなかったんじゃないか〜〜〜!!!私はオミさんをジトッと睨む。オミさんも顔が真っ赤だ。




「「オミさんの馬鹿〜〜〜〜〜〜!!!!!」」




私の叫び声と、ヨークさん達の笑い声が海から上がってくる朝日の中で響いたとか、響いてないとか?




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