竜の神様、神の島でいちゃつく。
祭壇からすぐの森の中にオミさんは寝場所を作ってた。
茶色の布を木に下げて、タープのようにしていて‥なるほど、外に戦いに行くって言うだけあって慣れてるなぁって感心してしまう。王族なのにすごい。
木と木にハンモックが吊るされていて、そこで寝泊まりしてたそうだ。
「流石、手慣れてますね〜」
「まぁな。ほら来い」
「え??」
オミさんは可笑しそうに笑って私の手を引っ張るとハンモックに引き込んだ。
「ちょ、ちょっと??!!」
「まぁ、敵が来るまで一緒に休もうぜ」
「こ、この状態で??」
「昨日も寝たろ」
「そ、そうですけど???」
オミさんは嬉しそうに私の体を抱き寄せるけど、神社の娘としてはこんな所でイチャイチャして神罰が下らない???と心配だし、気が気でない。
そんな事我関せずのオミさん。
私の頬をそっと撫でて、じっと顔を見つめる。
な、何だよう??照れ臭いんだけど‥。目をウロウロと泳がせていると、ニヤニヤ笑ってる。
「‥なんですか」
「すげー連休になったなって思って‥」
「確かに。忘れられないですね」
そう言うと、オミさんは何だか嬉しそうに笑う。
こっちは色々ありすぎて、もうお腹いっぱいなくらいなのに‥なんでそう嬉しそうなんだ。
「青葉、キスしたい」
「えっ!!??今は無理です!!!」
こんな密着してる状態で!!
しかも、あの、敵がいつ来るか分からないんですよ?!私は顔を赤くしつつも、慌てて首を振るけど、オミさんはジッと私を見つめるのでどうしたものかと、視線を泳がせる。
「い、一回なら‥?」
「何だそれ」
「だって、オミさん何度もキスするじゃないですか!あ、あれ心臓に悪いんですよ!!すんごくドキドキするし、ものすごく恥ずかしいし‥」
オミさんはそれを聞いて、ニヤッと笑うと静かに唇を重ねてきた。
わ、わぁああああ!!!い、今は大変な時だっていうのに〜〜!??
すぐ離れるかと思ったのに、オミさんは私の唇から離れない。な、何で〜〜???は、恥ずかしいってば!!!なんとか離れようとすると、オミさんは私をますます強く抱きしめて、私の後頭部に手を添えるから動けない!
「ふっ‥」
鼻から抜けた自分の声に驚いて、思わずぐっと唇に力が入る。
な、なんかすんごい声出なかった?!!そんな私に、オミさんが小さく笑う気配がするけど、唇は以前離れない。ま、まだ??頭が茹だりそうだし、オミさんの唇が何度も離れそう‥と思うと、また触れてくる。
オミさんの熱い唇に頭も体も火が付いたように熱くて、息もできない。本当に無理!無理だって!!全部溶けちゃうって!!私はオミさんの服をちょっと引っ張ると、オミさんの舌が私の唇をそっと舐める。
なぁああああ!!!??体が思い切り跳ねてしまった。
もう顔が真っ赤も真っ赤だと思う。
静かにオミさんの舌が離れたと思ったら、最後にトドメにわざと音を立ててキスされた。
お、終わった??小さく息を吐くと、オミさんが私の体をより一層抱きしめる。
「力を分けておいた」
「へ???」
「なんかあれば使え」
「使えって‥」
そ、そういう意味でのキスだったの??
真っ赤な顔であろう私をオミさんがニヤッと笑う。
「‥一回だったろ?」
「あ、あの、い、今みたいなのはもう無しで!!!」
「じゃあ、普通のしておくか」
「無理!!!もう無理です!!!」
勘弁して!!
本当に勘弁して、死んじゃうから!!
可笑しそうに笑うオミさんの顔を今、直視できないからね!!??ずっと目はあくまでもオミさんの首元だ。ごめんなさい神様、こんな‥神社の娘にあるまじきいちゃつきをしてしまって‥。
神様のはずのオミさんは、ニヤニヤ笑って私をもう一度ギュッと抱きしめる。
「‥少し休んだら、飯にするか」
「そうですね!!そうしましょう!!お休みなさい!!」
「起きたら、キスな」
「無理!!!もう無理!!!絶対無理!!!」
オミさんが声を上げて笑うけど、ほ、本当に無理だからね!!絶対しないからね!!!




