竜の神様、竜の国で決断していた。
いなくなっていた2日間の間に、なんともとんでもない事になっていた。
いつの間にか私はファルファラさん達の結婚を反対する人達を丸く収める為に、婚約破棄されてるし、セキさんは私の手の中で号泣している。
‥うーん、ここは私が号泣するはずなんだけど。
なんだか気持ちが全く追いついてない。
セキさんの涙を拭いてあげていると、蛇神様がバスタオルを出してセキさんをグルッと包んだ。
「セキ、他に何か情報は?」
蛇神様はお茶を飲みつつセキさんを見ると、セキさんはぐすぐすと泣きつつ、
「ルディオミ様は、別れるなんて考えておりません!だけど、だけど‥翼竜族の大臣を筆頭に神の島に「審議」を出す事を仄めかされて‥」
「神の島?審議??」
なんかまた新しい情報が来たぞ?
蛇神様はそれを聞いて、納得したらしい。
「なるほど、神の島に「審議」を出されたら、神託によって覆される可能性があるからか‥」
「審議って‥」
「まぁ、各国の要人から一定数の署名を集めて提出する、神への疑問や要望書‥といった類だな」
なんとも分かりやすい説明だ。
セキさんは涙を拭きつつ私を見上げる。
「審議が出された以上、必ず神託が降ります。ファルファラ様とパティア様の結婚は力が釣り合わないという理由で以前から反対されておりましたから‥。覆る可能性は確かにあるんです‥。でも、ルディオミ様の後押しもあって、やっと認められたのに‥」
そうなの??
オミさん後押ししてたんだ。
「そっか‥、それならオミさんも自分の婚約問題を横に置かざるを得ないか」
そう呟いてみて‥、ズンと一気に気分が落ちてしまう。
まぁ、そうですよね‥。まずはお兄さん達の幸せを優先させたいよなぁ〜〜‥。考えれば考えるほど、そんな程度だった?って思っちゃう。
い、いかん!!オミさんだってきっと悩んで出した答えだ。
竜の国の習慣もルールも知らない私が「そんなん知るか!」って行動するのは、今はちょっと危険な状態っぽいしなぁ。
「となると、私は自分の世界に帰っていた方がいいかな?」
「そんなーー!!!!そんな事になったらセキは腹を切って死にます!!」
「セキさん、死んじゃダメ」
「でもでも、今青葉様が帰ったなんて聞いたら、ルディオミ様絶対死んじゃいます〜〜〜!!!!そんな事になったらこのセキめも死にますーーー!!!!!」
愛が深い。
まぁ確かにあんなに張り切ってたしなぁ。
でも、まさに殺されそうになった竜の国に帰っても危険だしなぁ。
「うーん、でも竜の国に行ったら危険だし、せめて結婚式が終わるまでは様子を見た方がいいかなーと」
私がそういうと、蛇神様が首を横に振る。
「さっきシキに確認させたが、その「審議」が秘密裏に出されたそうじゃ」
「「「えっ!!??」」」
私もヨークさん達も驚いて、座卓に体を乗り上げる。
だって、来週末に結婚式があるのに「審議」を出したらその途中に「神託」が降りて、結果が覆ったら???そんな事わかっててやったよね?しかも秘密裏って、完全にオミさんの決断を棒に振るような行為じゃないか!!!
やる事が酷すぎる!!
自分達の思い通りにしようっていうその考えに腹が立って、私は立ち上がった。
「神の島に行きます!!!」
その一言にヨークさん達がヒッと青ざめて一斉に止める。
「だ、ダメダメー!!!神の島はまずい!」
「勝手に入ったら、すんげー叱られる!」
「言っておくけど、神様だからね!?」
「もしかしたら帰って来られないからね!!?」
そんなことを言ったって、このまま何もしないのなんてできない!
「帰してくれない神様だったら、泳いで帰ります!秘密裏に「審議」を出したなんて聞いた以上、放ってはおけません!この国の、この世界の人間じゃないし、ズカズカ行きます!!!」
私が一喝すると、蛇神様が爆笑して「やっぱり青葉、大好きじゃ〜!」って笑うし、ヨークさん達はしみじみと「強い‥」「やっぱルディオミの彼女だな」「俺も彼女欲しい」と呟いたけど、最後の一言はその人次第かな?




