竜の神様、竜の国で魔竜にも任せる??
ヨークさん達と知らない洞窟へ落ちてしまった‥。
そして、現在絶賛ものすごく大きな生き物が私達の前に立ちはだかっている。
竜になったオミさんほどの大きさではないけれど、巨木のような太い胴体、黄色のギロギロとこちらを睨む瞳に私は足が竦みそうだ。いや、さっきまで竦んでたんだけど、私の後ろにすかさず隠れたエトラさんを見てちょっと冷静になった。
「エトラさん!攻撃お願いします!」
「え、俺戦闘向いてない」
「オミさんと喧嘩してたじゃないですか!??」
「エトラはな〜、あんま攻撃得意じゃないんだよな」
「青葉ちゃん、デッカイのが前にいても怖くないんだ?」
だから!!
なぜこうもこの面子は緊迫感がないんだ!!
端的に言って、めちゃくちゃ怖い!!怖いのに私の後ろに一列に並ぶヨークさん達に頭が痛くなる。なんなの??チューチュートレイ●でもするの??!!クルクル皆で時間差で体を回し始めたいの??
グルル‥と、目の前の生き物が唸って、私のお腹の方へ顔を寄せる。
「わ、わあぁあああ!!!」
食べられる?!!
思わず目を瞑ると、フーッと何か生暖かい風が私の顔に掛かった。
ま、まだ囓られてない???
「あーーー!!!!」
後ろのエトラさんの叫ぶ声に私もヨークさん達も一斉に飛び上がる。
「な、何叫んでんだよ!!エトラ!!」
「俺のヤワな心臓が止まるだろうが!!」
「殺す気かぁああ!!!」
いや、その前に私が一番先に死ぬんじゃあ??
そう思いつつ、またもフーッと風が顔に当たって、そぉっと目を開けるとスマホのライトに照らされたそれは‥、
「も、もしかして‥魔竜???」
以前、蛇神様の所まで卵を追いかけてきた魔竜が目の前にいたのだ。
驚いて目を見開くと、後ろのヨークさんやエトラさんが「こいつ、ここに住んでたっけ??」「いや、もっと地竜の方に‥」と不思議そうに顔を見合わせる。
魔竜は私をじっと見つめると、大きな顔をゆったりと上げてズルッと重そうな体を捻って、まるで「ついてこい」とばかりに移動し始める。
「‥とりあえず、ここにいてもなんだしついて行こう」
ヨークさんの言葉に皆頷いて、魔竜の後をついて歩いていく。
セオさんが力を使って火の玉のようなものを出してくれて、ふわふわと辺りを照らしてくれたので私もスマホをポーチに仕舞って不安定な岩場を両手を使って這うように歩いていく。
洞窟は相当大きいのか、坂道のような岩場を登りきると
下には水が流れている場所が見えた。
魔竜はズルズルと体を滑らせて降りていくと、水が流れる川の中へ入ってこちらを見上げた。
「水場に来いって事か?」
「かもな‥。とりあえず岩場を下っていこう」
セオさんやノルトさんが話をして、
足元が悪いからゆっくり降りて行こう‥と、話していたらエトラさんが早速滑って落っこちた。
「え、エトラさん!!大丈夫ですか??」
「あ〜、青葉ちゃんあいつ丈夫だけが取り柄だから大丈夫だよ」
「心配くらいしろ!!!」
エトラさんがそう言いつつ、岩場に落ちたにも関わらずすくっと立ち上がる‥。うん、確かに丈夫そうだ。慎重にヨークさんに手を貸してもらいつつ、岩場を下っていくと何やら足音が聞こえて皆ハッとして岩陰に隠れた。
男の人が3人ほどこちらへ歩いてきた。
「こっちで声がした気がするぞ」
「早く婚約者を捕まえないと‥」
「またこちらに来るかもしれない‥」
もしかして、さっき私達を追いかけた人達?
ボソボソと話す言葉に聞き耳を立てつつ、息を潜めていると、
「ハックシュン!!!」
エトラさんが抜群のタイミングでくしゃみをして、瞬間男の人達が私達のいる岩陰を一斉に見る。い、今かーい!!!
「あそこだ!!」
そういうやいなや、手の平を光らせたかと思うと丸い白いボールのようなものが飛び出してきた!!ヨークさんが、「マジかよ!!」と言って、手の平を男の人達に向けると白い丸い膜が私達の前に現れて、投げられた光を弾いた。
その瞬間、水の中で潜んでいた魔竜が勢いよく飛び出して、咆哮を上げたかと思うと、3人に大きな尻尾をものすごい音を立てて振り落とした!3人は慌てて後ろへ下がったので、その隙に急いで逃げようとすると、
今度は魔竜の大きな尻尾が私達を水の中へ一斉に叩き落とした。
バシャン!!!とものすごい水に叩きつけられた体が、思い切り何かに引っ張られる。腕を足を必死に動かすけれど、上に上にと引っ張られる力に為す術もない。息が口から全部出てしまって、もうダメ!!!そう思った時、眩しい光が私を捉えた。




