竜の神様、竜の国で異様に張り切る。
竜の翼を出したオミさんに抱き上げられたまま、空を飛んで行くけれど‥密着してる状態が大分恥ずかしい‥。
「青葉、あれが俺の城だ」
「へ?」
空中で動きを止めたオミさんに言われて、後ろを振り返ると
大きな白い岩肌の山の中にテラスや窓が見えた。
そうか、岩をくり抜いた城だったんだ!西洋のお城をイメージしていたので想定していたものとは違うけど、竜の城って言われると納得してしまう。
「すごく大きい城だったんですね‥」
「そうか?王城より全然小さいぞ?」
「‥オミさん、うちの部屋の大きさ思い出して」
「‥でかいな」
「デカイです」
そう言うと、オミさんはニヤッと笑うとまた翼を動かして空を飛んでいく。
「せっかくだし、庭が見える山で飯食おうぜ」
「ん??庭??」
「今出てきた城から、あ、そこの山だ」
オミさんが顎をちょっと上げて、ちょっと遠くに見える山を指す。
‥うん、庭って概念が私のそれと大きくかけ離れているな?
それでも5分ほど飛ぶと、あっという間に山の近くまで来る。
下には朝日に照らされた木々がキラキラと輝いていて、川だろうか光が反射してやっぱりそこも綺麗に輝いている。
「綺麗ですねぇ‥」
「そうか?コンビニないぞ」
「すっかり現世っ子になって‥。コンビニがなくても素敵ですよ」
「俺はコンビニがあった方がいい」
ニヤッと笑うオミさん‥。
すっかり人間世界に染まってないかい?
そんな話をしていると、目的地に着いたらしい。
山の上には大きな白い四阿が建っているのが見えた。
オミさんは、その手前にゆっくり降りると四阿の中には白い石で出来たテーブルと椅子がある。
「おお、朝食を食べるにはいい場所ですね!」
「まぁ、そうだな」
オミさんがバスケットをテーブルの上に置いて、バスケットの布巾を取ると中には美味しそうなサンドイッチと果物がギュギュッと詰め込まれている。
「うわ!!美味しそう〜〜!!」
「こっちの肉が挟んであるの、美味いぞ」
「あ、そうなんですか?」
「まずこっち食え」
ちょっとワクワクした顔でオミさんが勧めてくるので、早速ビーフのようなお肉が挟まったサンドイッチを一口頬張ると思ったよりも柔らかいお肉に驚く。しかも美味しい!!なんだか牛と豚を混ぜたような味だけど美味しい!
「美味しい〜〜!!!」
感動してオミさんを見ると、オミさんがニマッと笑う。
四阿の下には川が流れているジャングルの風景が広がっていて絶景だし、美味しい朝食はあるし、最高ではないか〜!ニコニコ笑ってサンドイッチを食べていると、オミさんがバスケットの中を指差して‥
「こっちも美味いぞ」
「これ食べたら、食べてみます」
「この実も美味い」
「へぇ、りんごみたいな色合いですね」
サンドイッチを食べてから赤い実も食べてみたけど、ものすごく甘くて美味しい!!
「これも美味しい〜〜!!」
「そうか、んじゃ後で採りに行くか」
「え、実がなってるんですか?」
「すぐ近くにある」
「いいですね〜〜!!」
近くで果物まで採れるなんていいなぁ!!私がそう言うと、オミさんはまるで自分が褒められたように嬉しそうに笑うので、思わず私まで笑ってしまう。
こんな風に準備をしてくれていたなんて想像もしてなかったから、驚いたと同時にやっぱり素直に嬉しくて‥。オミさんの顔を見上げる。
「オミさん、ありがとう‥」
そう言うと、オミさんはちょっと照れ臭そうに目を逸らすと「おう」と小さく呟いたかと思うと、私の手をギュッと握る。
「よし、行くか」
「行く??」
「狩りだ、狩り」
「か、狩り??」
「前に蛇神のとこの別荘で食べた肉覚えてるか?」
「ああ、あの高級肉‥」
「あれに似てるのがいる」
確か牛に似た魔物って言ってた気がするけど‥。それを狩る?!
オミさんはバスケットを力を使ったのか消してしまうと、私をまたヒョイッと抱き上げるので慌ててオミさんに注意する。
「オミさん!!絶対安全運転して下さい!!」
「どーすっかな〜」
「朝食を戻したくないですからね!!?」
「‥しょうがねぇなぁ‥」
いや?!しょうがなくないからね!?
私はオミさんをジトッと見つめると、オミさんは私の頬にチュッとわざと音を立ててキスをするので、びっくりして目を丸くすると、
「安全運転な」
ニヤッと笑って、またも勢いよく空を飛び出した。
だ、だから!!!安全運転ってお願いしたんですけど〜〜〜!!!??オミさんの首元にしがみつくと、オミさんが可笑しそうに笑った‥。いや、笑い事じゃないから〜〜〜!!




