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竜の神様と契約しますか?  作者: のん
竜の神様とお付き合い。
135/254

竜の神様、ようやく触れる。


翌朝起きると、スマホにセキさんからメールが来ていて、


『昨夜は申し訳ありません!!次回はメールしてから伺います』


内容に悶絶したのは言うまでもない。

うああぁああああ恥ずかしいよぉおおおおお。

思わずベッドに顔を突っ伏した私は悪くない。あと、その原因の半分のオミさんはそんな私を知りもせず呑気に雑誌を読んでいる。


‥知ったら知ったで、スマホを投げられそうだからそっと心の中にしまっておこう。そう思って、セキさんには当たり障りない返事をしてから、学校に行く準備をした。



オミさんと学校へ行くと、長谷君が慌ててこちらへ駆け寄って来た。



「青葉!おはよ、昨日は大丈夫だった?」

「あ、うん。おかげさまで。長谷君は?」

「うん‥あの後、実はまた現れたんだけど、断ったらちゃんと今度は諦めてくれた‥。本当に青葉も、ルディオミもありがとうな」



爽やかな風がなんか吹いてない?ってくらい爽やかな笑顔で話す長谷君。うん、なんにせよ元気で良かった。オミさんも邪気のない長谷君の笑顔に「おう」って頷く。


「そういえば青葉のお母さん、青葉に似てるな」

「え??そう?」


あの超絶マイペースで、すぐ忘れちゃう母に??

私は思わずオミさんを見上げると、ぶっと吹き出す。


「顔は似てるんじゃねぇ?」

「か、顔ならセーフかな?」


「え?なんで??」


長谷君の不思議そうな言葉に、心中複雑な私‥。雰囲気似てるとはよく言われるけどねぇ。その辺りの誤解もちゃんと解けたと話すと、長谷君はホッとした顔をして、



「‥青葉、顔曇ってたから心配だったんだ。それなら良かった」

「そ、そんなに分かりやすかった??」

「ちょっと妬けるくらいにな」



妬ける?

オミさんがジロッと長谷君を見ると、いたずらが見つかったような顔をした長谷君が笑って、「じゃ、またな」と友達の席へ行ってしまった。


「‥何を焼いたんだろう?」


私がボソッと呟くと、オミさんがブッとまた吹きだすけど椅子に座って私を見ると、


「わからなくていい」

「そうなんですか?」

「ああ、ほらノート出せ、ノート」

「はいはい」


まぁ、いっか。

ノートを出して、授業だ、授業!なにせ今日は眠くて仕方ない歴史の授業なのだ。まだ一時限目なのにすでに眠くなっちゃうので、私はオミさんをちらっと見る。



「‥なんだ?」

「寝そうになったら起こして下さい」

「‥もう寝る気なのか?」

「だって、あの先生の低音の声眠くなりません?」

「いや別に」

「‥うう、とにかく頑張りますよ‥」



ちょっと口を尖らせて、前を見る。

授業の開始のチャイムが鳴って、先生がドアを開けて教室へ入ってくると、皆の視線がそちらに向くので釣られて私も先生の方を向くと、



ツンと頬に何かが触れる。



へ?



横を見ると、オミさんが視界いっぱいに私の前にいて、



「お、」



言いかけて、頬にキスされた。


目を丸くして固まった私に、オミさんがニヤッと笑って前を向く。

い、今‥。



き、き、キス???!!!!



一気に顔が赤くなって固まったままの私を、オミさんが頬杖をつきつつ面白そうに笑ってこっちをニヤニヤしながら見てる。な、な、何をこんな所でしてるんだ!!!



「‥目、覚めたろ?」

「〜〜〜オミさんのバカ!!!」



小声でクレームを入れたけど、そ、そういうのは教室でするのはどうかと思うよ!!プイッと横を向いたけど、オミさんの熱い手が私の手に重なって、もう眠気とかはとっくの昔にどこかに吹っ飛んでいって、今はもう恥ずかしいのと、ちょっと、ちょっとだけ‥嬉しいのと、むず痒い気持ちで一杯だった。



「‥すげー真っ赤」



オミさんの静かな笑い声に、ますます赤くなるから本当にやめて欲しい。

なんとかオミさんの重なった手を離そうとするのに、反対にぎゅっと強く握りしめられて自分でも真っ赤なりんごになっているんだろうなって思った‥。




ここにきてやっと頬にキス。

長い‥私にしては長い。でもこのモダモダが最高に好き。

それなのに読んで頂いて感謝です!!!(五体投地)

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