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竜の神様と契約しますか?  作者: のん
竜の神様とお付き合い。
133/254

竜の神様、負けない。


アイスを買って帰ると、家の前に蛇神様とシキさんが立っている。



「あれ?蛇神様!?」

「青葉、さっきぶりじゃの!黒ずくめの娘を先ほど送ってきての」

「あ、そうだった!!えーと、ここじゃなんなんで良かったらうちへ‥」



すかさずオミさんが「入れなくていい」って言う‥。

オミさん、一応ここは穏便にいこうか?

黒ずくめの子を引き受けてくれたのは、蛇神様だからね??



ブスッとした顔のオミさんを宥めて、私は家に入ってもらうと、蛇神様が「お〜!可愛い部屋じゃのう!」と興味津々であちこち見ているのでちょっと照れる。もうちょっとマメに掃除しておけば良かったかも。



二人にお茶を出すと、蛇神様はお茶を飲みつつ、



「あの吸血鬼の娘はのう〜、まぁ、気持ちよく告白して、気持ちよく散ったんじゃが、力がなまじあるんでそのまま人間の中に潜り込ませて生活させるのもなんなんで、うちで引き取る事にしたんじゃ」


「えっ!!??でも、こっちの世界にいたんじゃ‥」

「あれで何百年も生きてるから、完全にこっち側の人間じゃな」



へええ〜〜〜!!!

そ、そうだったの?!長谷君、本当すごいのに好かれてたんだな。

そしてやはり振ったのか‥。まぁ、あの勢いはちょっと確かに怖いもんね。



「こっちの世界で生きていた方が、ここにいるよりずっと生きやすいからの。とりあえず力の使い方を覚えるようにと水竜の里へ送っておいた。エトラはともかく、リリアは頼りになるからな」



‥いいのか?

あの結構激しめな性格の子をリリアちゃんに任せて‥。

そう思ったけど、リリアちゃんなら大丈夫な気もする。なにせエトラさんをバカ兄貴とけなせる強さはあるし。


「そんな訳で、ルディオミ。あっちに行くんじゃろ?一応様子見しておいてくれ」


「‥なんで知ってるんだよ。あと面倒だ」

「リリアに青葉を助けて貰ったじゃろうに〜」


オミさんはそれを言われると、何も言えないらしい。

うっと言葉に詰まって、ブスッとしつつ「わーったよ」と話す。ごめんね、オミさん‥。そう思っていると、蛇神様がにこーっと笑って、



「まぁ、あっちも楽しい所だ。青葉、楽しんで来い!」

「あ、ありがとうございます?」

「連休初日はうちでゲーム大会しような!」

「は、はい??」



あ、そ、そうなの??

オミさんがすかさず「何でだよ!!!」って言うと、蛇神様がますますニヤニヤする。



「なんじゃ?竜の子はそんなに青葉と二人っきりでラブラブしたかったのか?」

「っち、ちげぇ!!純粋にお前が嫌だからだ!!!」

「ププーー!!顔が真っ赤じゃぞ!!」



蛇神様が指差して、ゲラゲラ笑うのでオミさんが「黙ってろ!」って、赤い顔で怒ってるけど、もうやめてくれ‥。私の顔も真っ赤だし、恥ずかしいし、どこかに隠れたい‥。そう思っていると、シキさんがお高めなアイスをどこからか取り出して、


「‥ひとまずアイスでもどうぞ」

「うう、シキさんありがとうございます」

「シキめも行って、蛇神様を抑えますから‥」

「よろしくお願いします」


二人で高級アイスを食べつつ、言い合いする蛇神様とオミさん。これはなかなか終わりそうにないなぁ、そう思ってアイスを食べ終えてから、私はゲームを起動して、蛇神様とオミさんにコントローラーを渡した。



「‥とりあえず、勝負はこっちで決めましょう。最初は車、次は体操、その後はシューティングです」



蛇神様と、オミさんの目がキラリと光る。



「勝負じゃ竜の子!!」

「言っておくが、俺は車は制したぞ!」

「この間、一番簡単なモードで‥ですけどね」



「今度は勝つ!!」そう言ってコントローラーを握りしめるオミさん。

カウントダウンの合図と共にエンジンを吹かせて、私は華麗なスタートダッシュをかまして1位をゲットすべく、ドリフト走行を披露した。言っておくけど私も負けませんよ?





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