竜の神様と、言の葉の神様。
やる事なす事とんでもない神様のオミさんと本日無事に学校が終わって、ちょっとグッタリしつつ校門を出る。
「お、終わった‥」
「なかなか人間の講義も面白いもんだな!」
「それは良かったです‥」
私はヘロヘロだけどな。
帰りの電車、よく考えたらオミさん姿が消せるならそのまま電車乗っちゃえるのでは?一瞬、そう思ったけど神様といえど無賃乗車はマズイか‥。
今月、お金大丈夫かなと財布を出そうとすると、オミさんが私を見て、
「歩いて帰ろうぜ。電車、人が多すぎて嫌だ」
「‥私は疲れたんですけど」
「体力ねぇなぁ」
「神様と比較しないでください!!」
まぁ、二駅だし‥頑張って歩くか。
そう思って歩こうとすると、オミさんが大きな手を私の頭に手を置いたかと思うと、ワシワシと撫でる。
「な、なんで頭を撫でるんですか!??」
「疲れを取ったんだよ。どーだ?」
「え?疲れを??」
自分の手や腕を見るけど、よく分からない‥。
でも、気分はさっきよりスッキリしてる。
「‥お前の周り、変な気がまとわりつくから疲れるんだろ」
「へ、変な気!??なんですかそれ!??」
「まぁ、俺がいるから大丈夫だろ。おら、どっち行けば帰れるんだ?」
「うう、気になる事を言うだけ言って、放置かい!!」
これ以上、何かを話す気がないオミさんと一緒に二駅分歩いた。
確かに体が軽い!って、歩いてから気付いたけど‥、神様って本当だったんだな‥と、ちょっと半信半疑だった私はようやく信じた。
と、歩いている、途中でオミさんがふと足を止める。
「オミさん?」
オミさんを見上げてから、オミさんが見ている視線の方向を見る。
横断歩道を渡った先に、小さな路地が見える。
いつもの変わらない風景だ。
「‥あー、こっちに住んでたのか」
「オミさん、私に分かるように話をして下さい‥」
そう言ったけど、オミさんは横断歩道をさっさと渡って、路地へと入って行くので慌てて私もついていく。
「オミさん、こっちの道知ってるんですか?」
「いんや、でも呼ばれてるから」
「誰に???」
すると、路地を出たすぐその前に鳥居が見えて、奥に神社が見える。
木々に囲まれてひっそりとした少し薄暗い中にある神社だ。
「え、こんな所に神社ってあったっけ???」
「ああ、あれはこの世界と、別の世界を繋ぐ神社だな」
「「なんて????」」
私が訳が分からないという顔をするけど、オミさんは構わず鳥居を潜る。
ちょっと!!鳥居を潜る前に作法があるんだぞ!!実家が神社なだけあって、私は慌てたけど‥、オミさんは神様だからいいのか??
私は一礼してから鳥居を潜って、オミさんを追いかけると、
神社の拝殿の木の格子の扉が、静かに内側から開いて私は思わず足を止める。
誰かいるの?!
オミさんの後ろから、そっと顔を出すと格子の中は真っ暗で見えないのに黒字に鮮やかな椿の模様の入った着物から、綺麗な真っ白い手が静かに出てくる。
手‥?
思わずオミさんの服を後ろからぎゅっと握りしめて、その真っ白な手を見ていると、オミさんは私に構う事なく真っ白な手の人に向かって、
「‥神竜の国から来た。火竜のルディオミ・オズベルド・シーラスだ。こっちで厄介になる」
そう話すと、手から何かがコロリと出てくる。
白い丸い‥お饅頭??
コロコロとその丸いお饅頭が転がって、オミさんの足元でピタッと止まったかと思うと、ぱちっと二つの可愛らしいつぶらな目が開く。
「「えっっっっっ!!???」」
「初めまして、火竜のルディオミ様。わたくし言の葉の神様の式神の「まる」でございます。言の葉の神様に代わって、歓迎致します」
ま、饅頭が喋った!!!??
私が目を白黒させつつ、オミさんの背中をバンバン叩いてオミさんを見ると、それはそれは面白そうな顔をして笑った。
「おら、お前の所の神様の使いだぞ。挨拶しろ」
「「ちょっと待って下さい!!説明が不十分過ぎて驚いてるんです!!」」
そう怒鳴った私は微塵も悪くない。
神様の御前でしょうが、悪くないと思うんです‥。




