竜の神様、助けますけど。
魂の仮契約をしたので、色々以前より視えるようになったらしい。
本当そういうの早く言って。
しかし、便利だけど怖い。
あと長谷君の肩に乗っかってた黒い塊が心配で仕方ない。
屋上でお弁当を食べつつ、オミさんと話すけど‥、
「前に言の葉の神様に狐から助けられた時に狙われる事がないようにされてっから、多分あの程度で無事なんだと思うんだよな」
「あ、そうでしたね」
「まぁ、あの塊‥相当執着すごそうだけど」
だ、大丈夫なの??
私は以前、お隣さんにジッと見つめられたり、壁を叩かれるだけで怖くて仕方なかったのに‥。私の顔が曇ると、オミさんが私の頭の上に手をずしっとのせる。
「オミさん、重い」
「なんとかすっから、その顔やめろ」
‥もしかしなくとも、元気付けようとしてくれているのだろうか?
私はオミさんの手が重いので、視線だけ上を向けると、オミさんと目がパチリと合うとオミさんは小さく笑って、そのまま私の頭をグリグリと撫でる。
「自分だって狙われる可能性あんの忘れんなよ」
「オミさん、それフラグって言うんですよ?」
オミさんに一応注意して説明しておくと、慌てて
「えーと、じゃあ俺がいるから大丈夫?えーと、守る。じゃなくて、とにかく一緒にいろ?」
色々フラグ回避を考えて言ってくれたけど、私の心にドコドコストライクが入るだけだった。オミさん、気が付いて結構恥ずかしい事、ガンガン言ってるよ?真っ赤になってる私に気が付かないオミさんは、しばらく考えたのち、
「とりあえず、手でも繋ぐか」
そう言って、手を繋ぐので私は死んだ。
気持ちよく豪快なストライクが入って死んだ。まだ半日しか経ってないのに完敗である。
ヨロヨロと教室へ戻ると、長谷君の肩にいた黒い塊は朝見た時より大きくなっている。ゴミ袋がパンパンになってるくらいの大きさが今やその3倍くらいの大きさだ。
こ、これはまずいのでは???
っていうか、大丈夫なのかな?
そう思っていると、教室から一人長い黒髪を結んだ女の子がやってきて、長谷君に話しかける。
その途端、ぞわっと背中が冷たくなる。
オミさんは机の下で、私の手をさっと握る。
今のって‥。
思わずオミさんを見上げると、眉をちょっとしかめて‥、
「ありゃ西洋の妖怪‥よりも魔物だな」
「ま、魔物!?」
「吸血鬼?だっけ‥」
オミさんは、もう片方の手でスマホをタップして、検索して見せてくれた。あ、吸血鬼は知ってます、はい。っていうか、本当に吸血鬼っているんだ!!
「あれ?でも、今普通に昼間‥」
「黒い塊もだけど、ありゃ幻影で本体じゃない」
「え!!??」
「餌の様子を見に来たんだろう」
え、餌!!!??私が目を見開くとオミさんは、長谷君と話す女性をジッと見て、
「西洋の魔物だから、あれだけ言の葉の神様の守護が張られててもくっつけるんだろうな」
「大丈夫なんですか?」
「魔物となるとどうだろうな‥」
「お、オミさ〜〜ん」
嫌だよ〜〜。
血を吸われてカラカラになっちゃう同級生なんて!!
手を握ってくれているオミさんの手に、私は空いてる手を重ねると、オミさんの体が小さく跳ねる。
「な、あ、青葉‥」
「助けられます?」
「〜〜〜助ける‥けど!」
ホッとして息を吐くとオミさんは、ちょっと目を横に逸らして、
「‥本当、こっち見ろよ」
ってボソッと呟いたけど、今オミさん見てるよ?
もっと見て欲しいのか?
オミさんをじーっと見上げると、オミさんは一瞬目を丸くして、ちょっと赤い顔で私の顔を横にぐりっと向けた。
見ろって言われたから見たのに‥。理不尽。
いつの間にかいなくなっていた黒髪の女性、長谷君は友達と話しているけど‥、半妖ってなかなか大変なんだな。っていうか、なんの半妖なんだろう。
オミさん、知っているかな?
そう思って、オミさんを見るとまた顔を横に無言で戻された。
あの、話をちょっとしたいんですけど‥。




