悪食少女は食べられない
掲載日:2021/07/26
お腹が空いた。空腹だ。
だから私は草を食べた。
お腹が空いた。空腹だ。
だから私は紙を食べた。
お腹が空いた。空腹だ。
だから私は食べられるものを探した。けれど、食べてもいい物はどこにもなかった。
お腹が空いた。食べる物がないよ。
だから私は、ペットを食べた。
お腹が空いた。食べる物がないの。
だから私は、知らない人を食べた。
お腹が空いた。食べる物がない。
だから私は、友達を食べた。
お腹が空いた。食べる物がない!
だから私は、家族を食べた。
お腹が空いた。食べる物がない!!
だから私は、自分を食べようとした。
けれど、私は食べる物を見つける事ができた。
白くてつやつやしたご飯。
温かいゆげを浮かべるスープ。
柔らかいパン。
肉汁したたるお肉。
シャキシャキみずみずしそうな野菜。
甘い匂いを放つ果物。
私はそれらをかきこんだ。
詰めれるだけ、詰め込んだ。
でも、私は食べられない。
食べられたけれど、それらは栄養にならなかった。
栄養になるのはそんなんじゃなくなってた。
私は結局、自分を食べるしかなかった。
私のお腹は、悪いものしか食べられなくなってたから。




