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羊たちは短足  作者: 神田かん
2/10

第2話

「なぁ、サウザンドレッシングとゴマ風味ドレッシングどっちがいい?」


「どっちでもいいわ。もう、なにもかも」



理由なんてない。



やたら朝早くから、車やらバイクやらのむさ苦しいエンジン音で目が覚めて、けれども布団からは足を出す気力もなく。



気がつけばもう日が暮れかかっていた。



たまの休日もこうしてなにもしなくとも終わってしまい、また終わりがない日々が繰り返されるだけなんだろう、と最近よく思う。



近頃あの若かった時みたく、テレビを見たいとも思わなければ、音楽をただただうっとりと聴くことさえ、露骨に嫌うようになっていた。



なにが自分をこうしてしまったのだろう?



もう人生の半分を生きたというのに、妻子がいるというのに、ただひたすらいつもひとりだ。



あきれて言葉もでない。というか、かける言葉も見あたらない。



いっそうこのまま人生を投げてしまいたい気持ちが毎日毎日、日を追うごとに増してきている



ソンナンダカラ、イマ、ココニイルンダロウ



『妻子殺害 渡辺和夫48歳 殺人罪、逮捕』



牢の中に入ってしまいたいとどれだけ望んでも、実際その中には、やはり、何も存在してはいなかった。

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