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序章・神をも知らぬ神秘の大陸
秘境。
冒険者たちが憧れてやまない神秘の土地。
いまだ未確認の新種の生物に、奇妙な形をした草花、果ては通常の生態系とは異なった生態ピラミッド。
未開の土地とも呼ばれ、何が起こるかわからない場所。
それが秘境。
まさに命知らずの冒険者たちにぴったりの場所だ。
だが、秘境の中でも、特に冒険者たちが目指す場所がある。
世界の海の中央に位置する場所、ポツンと浮かぶ巨大な島……いや、もはや大陸。
人生を賭けてまで冒険者たちが集う秘境の中の秘境。
神をも知らぬ神秘大陸。
最も冒険者たちが集い、最も冒険者たちから羨望を受ける大陸。しかして、いまだ生態系などの謎が紐解けていない未開の大陸。すでに全世界で発見されている霊亜人や獣人などといった亜人族がギルドの探索隊が上陸する以前から存在しているものの、やはりまだ多くの謎を残す神秘の秘境。
かつては神話上の幻の大陸であると思われていた伝説大陸。
神が創造した大陸ではなく、この世界の意志が創り出したといわれる、神さえも分からぬ大陸。
それがこのティル・ナ・ノーグ。
冒険者の大陸である。