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34歳のオッサンによるフォルトリア星系戦記  作者: 八鶴ペンギン
第2.5章:先を見据えて
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2.5-11:見据える先⑪

開発三昧。

 翌日の10月9日。恒例としておきたい任務の達成状況確認と、システムポイントを利用した強化のお時間だ。千里の道も一歩よりって言うしね。地道な強化が実を結ぶ日を待ち望もうぜ!


 「さて、達成出来た任務は幾つあるかな?」


 任務の項目から確認すると、全部で14個の任務を達成出来ていた。内容としては、≪通算建造50隻≫、≪艦艇改良10隻、25隻、50隻、75隻≫、≪涙の別れ(初解体)≫、≪通算解体10隻、25隻≫、≪兵器生産回数750回≫、≪兵器改良10回≫、≪空母初建造≫、≪SP150消費≫、≪敗北の味≫、≪任務達成数75回≫。これら14個の任務達成により合計で43ポイントを獲得。先月末に管理者から資源と共に送られた分が6ポイントあるから、現在の保有システムポイントは68となった。


 「ポイント投入候補としては推進剤生産プラント強化、弾薬生産プラント強化、修理ドック拡張、建造ドック拡張、生産ライン強化、次世代戦艦アンロック、イースキーⅡ後継機アンロック、オグマ後継機アンロック、再資源化設備強化くらいか。……全部は流石に無理だとして、優先すべきは何だ?」


 現在、推進剤と弾薬の生産量は日産で20,000ℓと2,500tとなっている。これを倍にすると合計で17ポイントが必要となる。建造ドックと修理ドックを今の倍、16隻同時にすると合計19ポイントの消費。生産ラインの強化に必要なのはたったの3ポイント。まさか、3ポイントの消費を少ないと思える日が来るとはね……。次世代戦艦アンロックに5ポイント。イースキーⅡとオグマの後継機アンロックには、合計で9ポイント必要。再資源化設備は6ポイント消費で再資源化率が90%に、そこから更に7ポイント消費して再資源化率が100%となる。


 ん? 合計すると、17+19+3+5+9+6+7=66ポイント?


 「現状でも足りるのか……」


 結果、こうなりました。


 推進剤生産プラント→40,000ℓ/日

 弾薬生産プラント→5,000t/日

 生産ライン→全ライン2本化

 修理ドック→16隻/同時

 建造ドック→16隻/同時

 イースキーⅢ→生産リストへ

 バリーフェルター級戦艦→アンロック

 再資源化設備→再資源化率100%


 「これで、残りのシステムポイントは7ポイント。またポイント集めないと……」


 オグマ後継機のアンロックを見送って、ポイントを少しばかり残した。ぶっちゃけ、他に削れる所が無かったってのもあるな。イースキーⅢは悩んだものの、現行のイースキーⅡのままだと大気圏内での戦闘が出来ないんだよな。フォラフ自治国家解放を考えると、大気圏内での戦闘が可能なイースキーⅢが必要だった。まぁ、『オグマ』も大気圏内での戦闘は可能ではあるが、機動性ではイースキーⅢに一歩譲っている。状況に応じた使い分けって事で、アンロックを行った。後は、堅実に要塞自体の強化に繋がるものばかりだな。次世代戦艦に関しては、純粋に今後の艦隊火力強化の面から先行してアンロックをした。他の艦の建造との兼ね合いもあるので、建造するタイミングはまだ未定ではある。今は火力よりも、艦隊の全体的な底上げが優先だと思う。




 「邪魔するよ」

 「これは、香月司令官。どうされましたかな?」


 昼食後、ドクターのラボに顔を出した。午前中に色々と強化を行う中で、ドクターに依頼したい品々を思い付いたからだ。今回は、堅実な物と実験的な物をそれぞれ頼もうと思っている。宇宙だし、ドクターだし、ぶっ飛んだ開発もお願いすべきだろうって思ってね。いや、優先すべきは堅実に成果を出せる方だけどさ?


 「忙しい所で悪いけど、追加で色々と開発をお願いしたくてね?」

 「……ふむ。私に出来る範囲でしたら、喜んでお伺いしますぞ?」

 「結構な数があるから、出来る所からでお願いするよ」

 「優先度はどうされますかな?」

 「早期に実用化出来る所から優先かな?」

 「畏まりました。では、具体的に何をお望みですかな?」


 ドクターの目の奥に変な光が宿った気がする。明後日の方向に走らなければ良いけど……。まぁ、どんなゲテモノでも、戦場で上手く扱う事こそ司令官としての腕の見せ所だよな。


 「1つ目は、艦艇に大気圏への突入及び離脱機能を付与したい。離脱用の追加スラスターに重力圏内での姿勢制御装置、それから船体の冷却システムが必要かな? これらを一式のパッケージとして開発して欲しい」

 「なるほど。この先の戦いを見据えてと言う事ですな?」

 「勿論。宇宙空間だけで戦闘は終わらなくなるだろうからね。惑星内での空中戦や地上戦、下手すれば海上戦や海中戦すらあり得るだろ?」

 「左様ですな。しかし、追加スラスターとなると船体重量の増加は避けられませぬし、艦速や機動性にも影響を及ぼします。此処は艦内に搭載出来る反重力制御装置を用いては如何かと? 大気圏内でも宇宙空間とほぼ同等の機動性を維持出来ますし重量の増加も艦速に影響が出る程ではございません。これに加えて、大気圏を通過する際の冷却システムを追加すればご希望のパッケージになるかと思われますぞ」


 此処でまさかの反重力とか来ちゃったよ。反重力ってあれっしょ? 自身に掛かっている重力を打ち消したり、緩和したり出来ちゃう超技術っしょ? 出来ると言うならば、そっちにするに決まってますよ?


 「なら、それでいこう。えっと、反重力制御装置と冷却システムを一括したパッケージの開発って事で宜しく? 海上云々は取り合えず見送りで良いや」

 「畏まりました」

 「で、2つ目なんだけど。艦艇の兵装を共通規格のモジュールに出来ないかと思ってね? 例えば、砲塔を単装から連装型に乗せ換えたり、砲塔部分に埋め込み式のミサイル発射ユニットを積んだりとか。艦艇用のレーダーや電子戦装置、或いは医療用ユニットなんかも戦闘に合わせて載せ替え出来る様になれば良いかなと。勿論、事前にある程度の数の各種モジュールを製造して置く必要が出てくるし、派生型と役割が重複して来る部分もあるとは思う。ただ、柔軟性では此方の方が上になるんじゃないかな」

 「そうですな。発想は悪く無いかと思います。ただ、大型の艦になればなる程に搭載するモジュール自体が非常に大型になりますな。ですので、積み替えの手間や保管場所などを考えると、実装するにしても駆逐艦が精々でしょう。それ以降の大型艦では、性能の向上する次世代艦の開発を進めるか、或いは以前もお話しましたが、複数の派生型の利点を組み合わせた改良艦を運用した方が、費用対効果の観点からも宜しいかと思われます」

 「なるほど。なら、駆逐艦での運用を前提にした場合の費用対効果の概算を、シミュレーションして貰っても良いかな? それを見た上で行けそうなら、実際に開発を進めて貰うって方向でどうだろうか?」

 「宜しいと思います。では、その様に取り計るとしましょう。つきましては、追加人員の手配をお願い出来ますかな?」

 「勿論。直ぐに手配するよ」

 「感謝しますぞ」


 モジュールは費用対効果の面から要検討って所だな。こうやって、他人の意見を聞くと自分では気が付けない粗が色々と見つかるからありがたい。1人だったら、突っ走って失敗するか要らぬ苦労を背負う事になっているだろうしな。さて、まだまだ依頼した事はありますよっと。

お読みいただきありがとうございました。

次回もお楽しみに。

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