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34歳のオッサンによるフォルトリア星系戦記  作者: 八鶴ペンギン
第2.5章:先を見据えて
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2.5-7:見据える先⑦

艦隊規模が増えて、バックデータの整理で一苦労。

 昼食を挟み、ソフィー達との詳細な打ち合わせは夕方に終わった。今は、自室で振り返りをしているところ。テーブルの上にはクッキーの載った紙皿に、コーヒーが注がれたマグカップが置かれている。ティータイムと洒落こみながら、今後の方針を思い返していく。


 現状、176隻にのぼる改アスローン級駆逐艦だが、最終的には50隻が要塞守備隊として残る予定となっている。なので、それ以外の126隻が解体後に再資源化され別の艦艇へと生まれ変わる訳だ。一方、242隻が配備されているウェクスフォード級は派生型から改良を行う艦に加え、最終的に総数300隻を目標に追加建造を行う。それに加え、新型となるポートマギー級の建造が行われる。此方は、空母機動部隊用に36隻、電子戦部隊用に32隻、工作艦及び補給艦の護衛として16隻の建造を予定している。結果として、駆逐艦は現状の429隻から434隻へと微増となる。


 巡洋艦については、電子戦部隊にカンターク級(電子戦型)16隻を回し、残りの50隻は解体及び再資源化を行う。シャニッド級巡洋艦は現状全ての艦が艦載機運用型であるので、順次通常型へと改良を行う。これらの改良艦に加え、新造艦を空母機動部隊向けの護衛艦も含めて合計56隻を建造する予定となっている。最終的に、現状の132隻から138隻へと微増となる。


 戦艦及び補給艦については、現状維持を予定している。立案された戦力強化の建造方針に加え、建造に必要な資源や消費される推進剤及び弾薬の量等を鑑みた結果だ。勿論、将来的な追加建造を否定する訳ではない。補給艦に関しては、拠点艦の配備状況によって、将来的には解体及び再資源化を予定している。


 空母は、6隻の建造を予定している。これにポートマギー級駆逐艦を36隻と、シャニッド級巡洋艦6隻からなる専属の護衛部隊を付け、空母機動部隊として運用を行う。また空母用の艦載機として、イースキーⅡを予備機含めて400機生産する事となった。資源が飛ぶな……。


 工作艦はドクターが持って来てくれた1隻に加え、3隻を追加建造する。工作艦は拠点艦と補給艦及び護衛の駆逐艦と共に前線後方での後方支援部隊として運用する事となる。補給艦同様、拠点艦の運用数によっては解体及び再資源化を予定している。


 潜航艦については、サウサンの持ってきた1隻はそのまま彼女達が運用する専用艦となる。一応、それ以外に10隻前後の建造を考えているが、まだ予定は立っていない。ぶっちゃけ、他の艦種の建造で建造ドックの予定が当面は埋まっているのよ。


 取り合えず、この位だろうか。後はドクターに依頼している拠点艦を、どこまで用意出来るかだな。まぁ、そもそも現状ではどの程度の性能を持たせられるかも不明なんだがね。その辺は、ドクターと適宜相談しつつだな。暫くは、工作艦と補給艦の組み合わせで運用だな。


 此処までを整理すると……。


 駆逐艦

    解体:126隻(改アスローン級)

    建造:131隻(ウェクスフォード級47隻、ポートマギー級84隻)

 巡洋艦

    解体:50隻(カンターク級)

    改良:66隻(シャニッド級)

    建造:56隻(シャニッド級)

 空母

    建造:6隻(フォックスフォード級)

 工作艦

    建造:3隻(グレンデリー級)


 うん、凄い計画だな。多分、そこまで行く前に、共和国と戦端を開く事にはなりそうな予感がする。現在の要塞ならば同時に8隻の建造を進める事は出来るが、それでも予定隻数を全て建造し終えるには相応の日数が必要となる。駆逐艦でも丸1日以上は掛かるからな。一方で、解体は最大4隻を同時に行え、掛かる時間は8時間となる。なので、1日フルで解体を進めると12隻まで解体可能だ。建造と解体の実施する割合としては、1週間のサイクルにすると1・2日目に合計24隻の艦艇を解体及び再資源化を行い、2日目と4日目と6日目に8隻ずつ建造を行う。こうすることで、1週間で24隻増の24隻減となり保有艦艇数が±0隻になる。


 建造及び解体の順番だが、1週間毎に駆逐艦と巡洋艦を交互に回す事になる。それ以外の空母と工作艦は巡洋艦の改良と合わせて別スケジュールとなり、此方は保有する資源量を見ながら何れかのサイクルと差し替える形となる。恐らく、早くても管理者から資源の提供がある月末以降だろう。で、実際の開始は今夜日付が変わると共に自動的に開始される様、管理AIに指示を出してある。


 さて、此処までは要塞の戦力強化を振り返った訳だが、ついでに今の要塞以外の情勢についても整理してみるか。まずは、もっと近く密接な関係とも言えるガルメデアコロニーからだな。次に、コンラッドコロニーを含めたパルメニア教団関連。最後に共和国の動きとなる。


 先ず、ガルメデアコロニーについては特に大きな動きがアレ以降は発生していない。送り返した連中は以前よりも厳しい待遇の元で労働者として働かされている。まぁ、衣食住が揃っているだけマシって扱いだろうな。スキンヘッド紳士は、相変わらず忙しそうに働いている様だ。パルメニア教団傘下の宙域が少しずつ不安定化していて、中々手を焼いているらしい。暗に、さっさと片付けて欲しい様な事を言って来ているが、暫く待っていてくれとお茶を濁している。


 で、そのパルメニア教団だが、絶賛混乱中と言って良いだろう。星女であるパルメ嬢の他に複数名の教団上層部の人間が共和国軍の拘束下に置かれているからな。コンラッドコロニーのオルガ支部長は無事だったらしいが、会談の際に会ったノーティスコロニーのノーブル支部長は、騒動に巻き込まれた際に拘束された様だ。その様な状況において、現在は伝道統括局の局長を務めているデルモート氏が中心となって、混乱をきたす教徒達の沈静化に尽力している様だ。それに加え、星女代理となる人物の捜索も行っており、パルメ嬢の実の姉が候補に挙がっている様だ。ちなみに、スキンヘッド紳士を経由してオルガ支部長から恨み節の籠ったメッセージを受け取ったが、文句は共和国に言ってくれとしか言いようが無い。


 最後の共和国だが、サウサンが地道に情報の収集と分析をした結果、今回の一連の流れについて断片的ながら情報が入手出来た。そこから推測されたのは、どうやら共和国の真の狙いは、主神『ルーフェス』にあるらしいと言う事だった。中々、断定に繋がる情報が得られず、推測の部分が多くを占めるが、恐らく共和国は『ルーフェス』が記憶しているであろう、銀河連邦時代の多種多様な技術を己が手中に収めんと行動している様だ。

 帝国及び連邦との戦争は長引き、終わりが見通せない状況に陥っている。共和国としてもこれ以上の戦火拡大は、国力に大きなダメージを受ける事になりかねない。そこで、『ルーフェス』の持つ、かつての失われた技術を求めたと言う訳だ。星女であり、星託を受ける事の出来るパルメ嬢は、『ルーフェス』を探す為の言わばアンテナの様な役割を期待されているのだと思われる。


 此方としては、共和国が連邦時代の技術を手中に収める前に、『ルーフェス』を確保乃至破壊するか、共和国を降す必要が出て来た。その為にも、フォラフ自治国家解放は早期に実施する必要がある。とは言え、先ずは共和国の出方を見つつ戦力強化に勤しむしか無いがな。

お読みいただきありがとうございました。

次回もお楽しみに。

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― 新着の感想 ―
[気になる点]  『ルーフェス』が記憶しているであろう、銀河連邦時代の多種多様な技術……  あれ?  おっさんに連邦時代の戦力を供給している『管理者』さんって、名前をルーフェスとかいう落ちじゃないの…
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