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34歳のオッサンによるフォルトリア星系戦記  作者: 八鶴ペンギン
第2章:星女と宙賊と戦艦
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2-41:要塞の強化②

緊張感のない、グダグダな日々。

 さて、推進剤生産プラント・建造ドック・修理ドックの強化が完了したから次は兵器の方を見てみるか。攻撃兵器はイースキーⅡと、そこから別ルートで開発を進めたオグマが現時点では最新となる。一方、防御兵器は初期の思考爆雷から1つ進んだ機動爆雷で止まっている。この先はルートが2つに分かれる様だな。


 「シャンイン。機動爆雷からの開発先って何か分かるかな?」

 「2ポイントでアンロックされるのが近接防御火器、要するに機関砲ですわ。下の3ポイントの方が近接防御ミサイルですわね」

 「なるほど。機関砲かミサイルなんだな。これは、基本的に要塞に設置するタイプだよね?」

 「そうですの。爆雷で主に周辺宙域の防御を、機関砲やミサイルで要塞自体の防御ですわ」


 敵のミサイルなり魚雷なりは近接防御火器で迎撃。接近する揚陸艦なり上陸用の小型艦をミサイルで狙う感じで使い分ける事になるか。そうなると、どちらか片方って言うよりかは両方とも開発ツリーを進めるべきだな。


 「5ポイント消費してそれぞれをアンロック、近接防御火器と近接防御ミサイルが生産可能と」

 「最初にアンロックされた近接防御火器は実弾となりますが、1つ先をアンロックする事でレーザータイプになり弾薬が節約出来ます」

 「採用!」


 追加で3ポイント消費して、レーザータイプの近接防御火器をアンロック。これでシステムポイントの残りは12となった。少し前まで50超えてたのに、あっと言う間に8割近くを使い切るとか。まぁ、また頑張って貯めよう。


 「ミサイルも開発を進める事で、1度に発射出来る数を増やす事が出来ます。より多数の敵へ同時攻撃が可能となりますね」

 「流石に連装式だと、数で攻められたら厳しいか……」


 最初に解放した4連装式から次の8連装式にするのに必要なポイントは4。悩む所だが、強化を優先するべきだろう。アンロックを実行して解放。残り8ポイント。これで暫くはシステムポイント貯蓄の日々だな。


 「軍港を中心に設置するとして、それぞれどの程度あれば安心だろうか?」

 「軍港周辺を集中的に護るとして、各種20~30程度は最低限必要かと思われます。更に言えば、軍港以外の要塞外周部にも、敵勢力の想定侵攻路に面したエリアにある程度は設置しておいた方が良いかと」

 「敵の陸戦要員が上陸してくる軍港は火器とミサイルの両方を適切に配備しつつ、他の外周部は対艦攻撃が出来るミサイルの方が適していると思いますわ」

 「……なるほど。大雑把な数だけど火器を50基、ミサイルを100基とかにしておくか。余る分には予備とかにしておけばいいしね」


 早速、兵器類の生産を始める。生産にはそこまで時間が必要って訳ではないが、配備して試験運用とかも必要だろうからね。ぶっつけ本番は結構やっているが、最終防衛ラインを護る兵器ともなれば、万が一の事態だけは避けねば。主に、オッサン達が大ピンチになる。


 「取り合えず、これ位か。兵器類は生産完了次第各所に配備して、後は共和国の動きを見張りつつ宙賊狩りと宙賊家業に邁進かな?」

 「そうですね。資源的にも後は兵器類を増産する程度ですね」

 「共和国の方は情報収集を強化しますわ。宙賊の方は概ね現状通りで宜しいかと?」

 「了解。暫くは、静かな日が続きそうかな……」


 オッサンとしては、平和な日常が続くのは大好きです。まぁ、そうは問屋が卸さないとは思うけどね。取り合えず、昼食を済ませて部屋で思案しよう。色々と整理しないとね。




 ソフィー達と楽しい昼食タイムを済ませ、オッサンは1人自室へと戻って来た。心地良い硬さにベッドに横になり目を閉じる。思い返すのは、今日までの日々だ。5月の半ばにこの要塞にやって来て、早5か月程が経過した。一介の会社員だった自分が、今や遠い宇宙で美人補佐官と共に要塞司令官として奮闘しているなど、半年前の自分に言った所で信じまい。拗らせ妄想乙って言われるのがオチだ。だって、オッサンだもん。


 (自分がすべき事を聞かされて、要塞の説明を受けて。初めて軍艦を建造、それで艦隊を編成して。初出撃をしたら初っ端から所属不明艦と遭遇とか、誰も想像出来ないだろう)


 何だかんだと、ディーシー号のアイザフ大佐達と利害の一致から協力関係を構築、ガルメデアコロニーへとやってきた共和国艦隊を迎え撃った。半数以上の艦を失った共和国が降伏し、戦闘は終結。ローガン中佐ことクロシバとの出会いは衝撃だったな。


 (まさか、犬顔の人類が居るとは思いもよらなんだ。まぁ、SFの世界なら割とある展開なのだろうがさ。自分が目にするなんて思いもよらなかった。しかも、日本と繋がりがあるっぽいってのがまたね)


 アイザフ大佐同様、クロシバも利害の一致から協力関係を構築する事に。まぁ、敵を増やすより味方を増やす事の方が良いわな。そこ、彼方此方で喧嘩吹っ掛けてるとか言うな。オッサン、自覚してますから。でも、仕方が無いのだよ。そう言った駆け引きもやっていかなければ、護りたい物は護れないからな。


 (パルメニア教団に、星女、宙賊と。正直、あの宙域だけでお腹一杯になる位に色々とあり過ぎる。1番片付けるの簡単なのが、宙賊関連って時点でどうなのよ? 教団も星女も何だかんだで闇が深すぎ。だから、宗教ってのは厄介なんだよな)


 星女であるパルメ嬢は色々と拗らせてるし、教団は信仰心が暴走しているって言うか、それ以外に無いと言うか。どちらも一筋縄ではいかないな。双方丸く収まる名案なんぞ土台無理な話なのだろうか。共和国辺りが何かしでかしてくれないかな? 教団と戦端開いちゃうとかさ、一方的に武力で制圧すると良いかも? いや、それに介入して上手く物事が解決するとは限らないな。むしろ、余計な事態を引き起こす確率の方が高いかもしれん。


 (パルメニア教の主神たる『ルーフェス』が何処に居るか分かれば、1度話をしてみたいとは思う。連邦時代からフォルトリア星系を観察して来た訳だし、何か解決のヒントになる話が聞けるかもしれないからな。とは言え、人々から距離を取ろうといているAIを、此方の都合で再び引っ張り出すのも悪いか)


 ハッピーエンドが好きなオッサンとしては、どうにか軟着陸させたい。妙案は何か無いだろうか?

 

お読みいただきありがとうございました。

次回もお楽しみに。

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