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34歳のオッサンによるフォルトリア星系戦記  作者: 八鶴ペンギン
第2章:星女と宙賊と戦艦
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2-39:事後処理的なヤツ

タイトル通り! 相変わらず話が進まない。


※お知らせ※

年内の更新は本日で最後となります。

9月から掲載を始め、本日まで多くの読者様に読んでいただき此処まで来る事が出来ました。

改めて、お礼申し上げます。本当に、ありがとうございました。

年明けもまた、出来るだけペースを落とす事無く書いていける様に頑張りますので、宜しくお願い致します。

 あれから、幾ばくかの日数が過ぎ、月が変わり9月となった。本日は9月5日。日本に居た頃ならば、連日の残暑に苦しんでいる時期だろうか。先月28日に起きた元共和国軍人達による要塞への襲撃事件。アレを事件と言っていいか微妙だが、まぁ事件って事にしておこう。あの後、データベースによる情報分析や取り調べに分断作戦を経て首謀者達を特定した。その中にはクロシバの副官だった、コサック少佐の姿もあった。どうやら、クロシバの言う通り流され易い性格が災いした様だ。しかし、何れにせよ事件に加担した以上は責任を取るしか無かった。

 昨晩、首謀者達以外を乗せた補給艦を護衛の駆逐艦と共にガルメデアコロニーへと送り出した。スキンヘッド紳士からも、貴重な労働力を出来るだけ減らしたくないと懇願されたからな。まぁ、次は無いと脅しておいたが……。そして、要塞へ残した首謀者13名はその後で軍港の一画にて処刑した。こう書くと、アッサリとしたものだが、既に多くの共和国軍人や宙賊達を死に追いやっている以上、命を奪う事に対して今更どうこうってのは無い。何より、こうなる様に仕向けたのは俺の訳だしな。自分でやっておいて、落ち込むなり葛藤するとか訳が分からんよ。決めたならば、振り返ってはならない。


 「一馬さん。今回の件に関しての総括を始めても宜しいでしょうか?」

 「ん、悪い。考え事をしてたわ。始めてくれる?」

 「では。鹵獲した共和国艦艇の内、駆逐艦2隻は修理が完了しました。現在は、ガルメデアコロニー攻防戦後に曳航してあった艦艇共々軍港へ係留してあります」

 「有効利用の為に必要な改造もオッケー?」

 「はい」


 切り札と言うか、手札と言うか。鹵獲した共和国艦を、どうせならば今回の対共和国戦で有効活用しようって事になった訳だ。最初は資源にしようと思って曳航してあったんだけどね。放置したままになっていたのが、結果オーライって事だろう。でも、ソフィーは意図的に資源化をしてなかった節もあるんだよな? 何か、彼女なりの勘でも働いたのだろうか……。


 「突貫工事ではありますが、概ね予定通りの性能は発揮出来るかと思われます」

 「トロイの木馬……」

 「それが共和国艦を利用した作戦名ですの?」

 「ん? そうだな。やろうとしている事は、正にトロイの木馬だな。どうせだから作戦名にしちゃおうか?」

 「良いと思います。個有名があった方が理解し易いですからね」


 共和国艦を利用したトロイの木馬作戦。まぁ、此方の艦隊と共和国艦隊が戦闘している最中に、改造した元共和国艦を紛れ込ませるってだけだ。で、適当なタイミングで内部から攻撃させると。大量生産した機動爆雷は共和国艦の腹の中に潜ませる事にした。その為の改造も実施済み。数で負けているならば、悪知恵を働かせないとね。


 「処刑した共和国軍人達の遺体については、クロシバさんの意見も参考に宇宙葬としました」

 「ありがとう。彼らを軍人として戦場で死なせてやる事は出来なかったからね。せめて、それ位はやっておこう。まぁ、所詮は俺の自己満足だけどさ」

 「良いと思いますわ? それもまた、一馬様のあり方ですの」

 「そうですね。彼らのやった事がどうであれ、死してまで汚す必要はありません」


 事件を主導した共和国の軍人達。取り調べ等はソフィー達に一任したので、俺自身が直接彼らと言葉を交わすなど関りを持つ事は無かった。報告を聞いて、指示を出してただけだったな。処刑自体も司令室からモニター越しに見ていただけだし。本当に、役に立っておりません!


 「以前も報告しましたが、ガルメデアコロニー側で手引きした者達は、サントス氏の手で処理されています。どうやら、共和国と何らかの繋がりを持っていた者達だったようですね」

 「そこから、こっちの情報も漏れてたか」

 「まぁ、何れにせよバレるのは時間の問題でしたわ。人の口に戸は立てられぬとは良く言い得てますもの」

 「そうだな。ただ、要塞の場所がバレた以上は、警戒レベルは上げた方が良いか」


 今回、共和国御一行さんは真っ直ぐに要塞目指して進んできていた。ほぼほぼ、此方の位置が特定されていると見て良いだろう。そして、当然その情報は共和国本国側にも流れたと見て良い。未だに今回の共和国艦隊の動員目的が掴めていないが、此方に用が無いと言い切るのは難しいな。


 「要塞は兵器類の増産で現状は対応すべきかと。今の資源量では艦艇の追加建造は中々厳しいですしね」

 「そうだな。ただ、補給艦は無理してでも追加した方が良いな。前線の主力艦隊の数を現状の2隻で補うのは無謀だった。片道分の補給を行っただけでほぼ予備の推進剤が空になるとかヤバいわ」

 「そうなると、今の資源から考えて2隻乃至4隻ですか」

 「厳しいけど、4隻いこう。兵器類は残りの資源でも数揃えられるからね。此処が勝負するタイミングだと思う」

 「良いと思いますわ。共和国艦隊の出撃準備完了まで、最新情報によると後2日程はありますし、十分建造時間が取れますわ」


 後2日か。仮に、9月7日にフォラフ自治国家宙域を共和国艦隊が出撃するとなると、共和国軍が運用する艦艇の巡航速度から見て、コンラッドコロニー宙域への到着は早くて9月9日から10日に掛けてになるだろう。そこから更にガルメデアコロニー宙域まで休憩も取らずに真っすぐ進出して来るとしたら9月11日から12日に掛けてか。まぁ、実際には各々の宙域を通過なりする日時によって、到着時刻は後にズレていく可能性はある。カランズ級1隻辺りの建造時間は45時間だから、4隻建造してもトータル90時間、4日以内には終わるな。


 「良し、カランズ級を4隻建造といこう」

 「了解しました。他に今回の件で何か気になる点はございますか?」

 「いや? 特に被害も出なかったし、結果オーライじゃないかな?」

 「了解です。では、休憩の後で主力艦隊の戦闘詳細をお伝えしますね」

 「宜しく」


 主力艦隊。結構、頑張ってますよ?

お読みいただきありがとうございました。

次回もお楽しみに。



来年が、皆様に取って良い年になりますように。


2019年12月27日 八鶴ペンギン

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