2-33:資源は大切に
数隻で始まった艦隊が今じゃこれだけの規模に……。思えば遠くに(違
「シャンイン。取り合えず、現状の建造計画に追加して、クレアモリス級を2隻とシャニッド級巡洋艦(艦載機運用型)を4隻建造しよう。そうなると、残りの建造予定は戦艦2、巡洋艦4、駆逐艦6、補給艦2だな。それに加えて既存のカンターク級巡洋艦の改良か。山積みだわ」
「建造計画完了時の戦力は、戦艦2、巡洋艦10、駆逐艦38、補給艦4ですか。初期の頃と比べて格段に強化されますね。後は、これに平行して兵器類の生産も進められた方が宜しいかと思います」
「勿論、艦載機として『イースキーⅡ』を最低32機は生産したいな。『オグマ』の追加配備は一旦見送りにしよう。後は要塞守備隊用と、宙賊拠点の簡易防衛用の機動砲と爆雷の追加生産が必要だな。資源足りるか?」
此処だとばかりに一気に戦力強化を行うのは良いが、問題は資源だよな。予定では後1週間程で管理者から資源の供給があるとは言え、突発的にそれが無くなったりするかもしれない。将来得られるであろう資源は当てにしないでおこう。
「現在の計画ですと、艦艇のみで金属が78,150t、非金属が14,340t、推進剤が16,600ℓ、弾薬が3,128t必要ですわね。でも、現状の保有資源量から判断するならば、建造を実行する事に問題は無いですわ」
「じゃ、シャンイン。ガンガン建造しよう。24時間建造ドックはフル稼働だ!」
「では、その様に管理AIに設定しますわ。兵器類はどうされますの?」
「艦載機仕様の『イースキーⅡ』を32機は確定として。宙賊拠点の防衛用にどれ位が必要かだな……」
現状、連装型の機動砲が6門と思考爆雷30個、イースキー4機が要塞守備隊として配備されている。まぁ、イースキーは推進剤消耗が激しいから要塞内で待機だけどさ。流石に、宙賊拠点に同数を配備する必要は無いだろうな。拠点防衛用には駆逐艦1隻に起動砲を組み合わせれば宙賊相手に火力は十分だし、爆雷も適当にばら撒いておけば、十分かな。
「宙賊の拠点ですから、放棄を前提に配備した方が宜しいかと思います。爆雷は配備せず、予備の艦艇と機動砲で十分では無いでしょうか?」
「わかった。……シャンイン。宙賊艦隊として何隻位は最低でも必要?」
「拠点防衛に充てる予備艦を考えても、5隻で十分ですわ」
「それで足りる? もう2から4隻位は充当出来るよ?」
「十分ですわ。他の宙賊の戦力から見ても駆逐艦を5隻も保有していれば、過剰火力ですもの」
「なるほど。なら、後は連装砲を6門ほど配備しようか。今、守備隊にあるヤツをそのまま持っていっちゃって良いから」
「了解ですわ」
爆雷は生産せず、機動砲は要塞用に6門追加生産だな。いや、ついでにもう少し増やすか。軍港の規模も大きくなったし、守備隊を広く展開させる上でも数を増やしておこう。
「よし、兵器は『イースキーⅡ』32機に、連装タイプの機動砲を10門生産しよう」
「『オグマ』はどうされますか?」
「一旦、要塞の守備隊に回そう。場合によっては、再度主力艦隊辺りに振り分けても良いしね」
「後は、艦隊編成の詳細ですわね」
さて、本日最も重要な艦隊の割当のお時間だ! 此処で、何度目かの情報整理をっと……。
クレアモリス級戦艦:2隻
カンターク級巡洋艦(電子戦型):6隻
シャニッド級巡洋艦(艦載機運用型):4隻
ウェクスフォード級駆逐艦:18隻
ウェクスフォード級駆逐艦(簡易補給型):4隻
改アスローン級駆逐艦:16隻
カランズ級補給艦:4隻
うん。建造予定も含めて合計で54隻となった。
「シャンインの偽装宙賊艦隊には、改アスローン級駆逐艦5隻で良いかな?」
「えぇ。それで十分ですわ。後は一馬様の方で存分に暴れさせて下さいな」
「シャニッド級巡洋艦とクレアモリス級戦艦は、一旦は要塞待機にしよう。共和国が動いてからが本番だからね。前線展開時の護衛として改アスローン級駆逐艦を5隻付ける」
偽装宙賊艦隊
・改アスローン級駆逐艦:5隻
要塞待機艦隊
・クレアモリス級戦艦:2隻
・シャニッド級巡洋艦(艦載機運用型):4隻
・改アスローン級駆逐艦:5隻
現状、此処までは良いか。そうなると、後は前線へと展開させる主力艦隊と補給艦隊か。
「残りの改アスローン級駆逐艦を補給艦隊の護衛に回して、主力艦隊は同一艦艇で纏めた方が良いと思います」
「そうなると、主力艦隊はカンターク級6隻と、ウェクスフォード級駆逐艦22隻、カランズ級補給艦2隻になるな。で、残りが補給艦隊と……」
主力艦隊
・カンターク級巡洋艦(電子戦型):6隻
・ウェクスフォード級駆逐艦:18隻
・ウェクスフォード級駆逐艦(簡易補給型):4隻
・カランズ級補給艦:2隻
補給艦隊
・カランズ級補給艦:2隻
・改アスローン級駆逐艦:6隻
「……私、宙賊に同情しますわ」
「……同感ね。場合によっては、更に増備すらありえるわよ?」
「ソフィーに頼んだ例の切り札的なのもあるし、兵器類もあるからね。宙賊、特に過激派は徹底的に潰すよ」
「了解です(わ)」
色々と重くなり過ぎた教団と星女の問題から、オッサン自身の気を逸らす為に宙賊達には犠牲になって貰おうじゃないか。えっ? 迷惑だって? お前らの存在自体が迷惑だから、諦めろ。そして、強く生きろ。意味不明だけど、頑張れ宙賊。
「一先ず、この位かな。後は建造の状況を見つつだな。って、シャンインの艦隊はもう出せるのか」
「そうですわね。ネットワークから引き出した情報から、拠点に良さそうな宙賊のピックアップも終わりましたし、何時でも行けますわ!」
「じゃ、今夜遅くにでも出撃させよう。余計な情報を与える必要は無いから、ガルメデアコロニーは経由せず、最短ルートで頼むね」
「了解ですわ」
よし、いよいよシャンイン率いる宙賊艦隊がコンラッドコロニー宙域にデビューとなる。穏健派、過激派に並ぶ3番目の勢力となる伝統派宙賊。派手に暴れて貰おうじゃないの。オルガ支部長には悪いが、荒れますぜコンラッドコロニー宙域。
お読みいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに。