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34歳のオッサンによるフォルトリア星系戦記  作者: 八鶴ペンギン
第1.5章:要塞での日常
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1.5-5:ランドロッサ要塞の日常⑤

ま、まだ続くのか!?

 さてと、次はいよいよ補給艦の建造に入るとしよう。えっ? 話が伸びすぎだって? 仕方が無いじゃないか、決めなければならない事が多いんだよ。オッサン的に、過剰労働だわ。


 「さて、補給艦の建造に辺り、兵器への補給能力も欲しいから先に派生先をアンロックするか」

 「カランズ級補給艦の派生先は、全部で2種類ですね」

 「兵器への前線補給能力を付与した改修型と、供給能力を向上させた増槽型ですわ」

 「改修型は補給可能対象が増えただけですが、増槽型の場合は重量増加による速力低下が発生しますので注意が必要になりますね」

 「なるほど。現状だと改修型一択だな」


 元々、速度で駆逐艦等からは劣る補給艦が更に遅くなるってのは、現状ではメリットよりデメリットの方が大きいだろうと思う。少なくとも、今必要としているのは改修型だな。


 「改修型のアンロックに必要なのは……、これだけの資材で済むのか」

 「金属25tに非金属5tですね。派生にもよりますが、補給対象が増える程度の派生ならこの程度で済みます」

 「逆に、大きな能力を付与する様な派生型は要求される資源も多くなる傾向にありますわ」

 「よし、さっさとアンロックしてしまおう」


 金属25t、非金属2tを消費してカランズ級補給艦の派生型であるカランズ級補給艦(改修型)が建造可能となった。勿論、ベースの艦を建造してから改良を行う事も出来る。まぁ、今はベースの艦が無いので新規建造一択となるがな。


 「早速、建造に移り……資源凄い喰うなっ!?」

 「補給用の推進剤や弾薬を積載するスペースが必要になりますので、どうしても船体が大型になります。結果として建造に必要な資源も駆逐艦の比ではありません」

 「搭載される推進剤の量も相応の量になりますので、撃沈されたら目も当てられませんわ……」


 1隻当たり建造に必要な金属は6,525t、非金属655t、推進剤1,000リットル、弾薬4tとなる。更に、補給用に推進剤5,000t、弾薬1,000tが積載可能となっている様だ。要塞での丸2日分の生産量に相当する推進剤を搭載出来るのか、凄まじいな。現状の1個艦隊なら1隻で空の状態から満タンに出来る。


 「式典に2個艦隊で行くとなると、それぞれの艦隊に配備する分として2隻建造するべきかな?」

 「現状の資源量で考えれば2隻建造する事は可能です。ですが、正直そこまでは現状必要無いかと思います」

 「実際、特に戦闘が無ければコロニーとの往復で消費される推進剤は、凡そ300リットルを少し超える程度ですわ。式典参加については、補給艦は随伴する必要は無いですわね」

 「具体的な数値って初めて聞いた気もするけれど、意外と消費量は少ないんだな。アスローン級駆逐艦なら2往復近く出来るのか」

 「ガルメデアコロニー攻防戦の様に常時戦闘機動を取った場合は湯水の如く推進剤を消費しますが、航行だけであればこの程度です」


 なるほどね。コロニー戦で3,000リットルを優に超える量の推進剤を消費していたからビビッていたけれども、通常なら恐れる程の消費じゃないな。推進剤を満載状態の改アスローン級駆逐艦なら、凡そ26.6光分の距離を無補給で航行出来るって事になるな。フォラフ自治国家が確か15光分だかの距離だから、行くだけならば無補給で辿り着ける。実際には、戦闘などを想定して補給艦を随伴させる必要があるけどな。


 「よし、取り合えず補給艦を1隻と、んー、改アスローン級駆逐艦を都合4隻建造しよう」

 「各艦隊に1隻ずつ追加でしょうか?」

 「そうだね。或いは、2個艦隊に2隻ずつの増強でも良いし、要塞の守備隊に回しても良いかな。何れにせよ、式典に参加する際に再編して連れて行けば良いでしょ」

 「次世代の駆逐艦では無くて宜しいのでしょうか? ポイントは余裕が有りますので、アンロックも可能ですわ?」

 「あー、確かに。次世代のアンロックに2ポイントか。なら、解放して次代の艦を建造した方が戦力的には向上されるな」

 「燃料効率も若干は上がる筈ですので、数を揃えるなら差は大きくなるかと思います」

 「よし、次世代艦をアンロックして建造するか」


 えっと、確か改アスローン級駆逐艦の次代となるのは、ウェクスフォード級駆逐艦だったな。では2ポイントを消費して、アンロックと。残りのSPは13ポイントとなった。よし、ついでに使ってしまおう。


 「ついでに、修理ドックも増やそう。流れが来ている気がするし……」

 「最終的な判断は一馬さんにお任せ致します」

 「ですわね。それに、やらぬ後悔なら、やる後悔ですわ!」

 「よし、修理ドックを2隻分解放と」


 これで、残り6SP。今後の事を考えて、これは残しておかないとな。


 「先に駆逐艦4隻を建造してから補給艦だな。ウェクスフォード級駆逐艦が1隻28時間、カランズ級補給艦は45時間か。でも、巡洋艦を上回る艦ですら丸2日掛からずに1完成するってのは、今考えても凄いよな」

 「徹底的に無駄を省いた設計に加えて、完全に無人化された建造ドックだからこその恩恵ですね。此処までの建造能力を持つ国家は存在しませんから」

 「3大勢力でも?」

 「彼らでも駆逐艦クラスなら1週間程度で建造出来るでしょうが、それでも彼我の建造スピードの差は歴然としてますわ」


 1隻当たりの建造スピードは圧倒的に此方が上だが、向こうは数で勝負出来るからな。極端な話、100ヶ所の建造ドックが有れば毎週100隻の駆逐艦がロールアウトしてくる訳だ。一方で、こっちは初期艦のアスローン級駆逐艦でも都合14隻しか1週間では用意出来ない。勿論、向こうはそれから慣熟訓練などを行う訳だから、実戦投入にはもう少しの時間は掛かるとは言え、数の暴力ってのがデカいな。


 「まずは、最初の2隻の建造を開始と……」


 資源が消費され、ウェクスフォード級駆逐艦2隻の建造が開始された。完成は明日の午後8時か。時間的に雄姿を眺めに行く位は出来そうだな。資源量からして、船体のサイズは大きく変わりそうにはないが、デザイン等がどの様に変化しているのか凄く楽しみである。何時の時代も、軍艦は男の子を熱くさせてくれる。オッサン、今日は遠足の前の日並みに寝れなそう。

お読みいただきありがとうございました。

次回もお楽しみに。

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