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34歳のオッサンによるフォルトリア星系戦記  作者: 八鶴ペンギン
第6章『大国の終焉・中』
315/336

6-18:オペレーション・サジタリウス①

取り合えず、出撃まで。

10月半ばまでちょいちょい更新を休むかもしれませんが、ご了承ください。

いや、本当に忙しいのよ。

 フォルトリア星系歴525年11月1日、午前6時。先ずは、ソフィー率いるα任務部隊(ファリアス・フィンジアス・ゴリアス・ムリアス・モルフェッサ・ウスキアス・エスラス・セミアス艦隊+新型コロニーレーザー2基+陸戦隊15万)がランドロッサ要塞を出撃していった。8個艦隊2,576万隻にも及ぶ戦力に加え、陸戦隊とドクターが急ピッチで仕上げてくれた新型のコロニーレーザーも帯同している。サポートにはテトラとヤヴァナ。


 α任務部隊は、サウサン指揮下の通商破壊艦隊と共にコールマフ連邦軍の主力艦隊を誘引し、これを正面から撃滅することを主任務としている。勿論、最終的な攻略目標は軍需の根幹となる惑星『トゥーラ』だ。陸戦隊が同行しているのは、地上戦や連邦の要人確保を想定してのこと。出番が無ければ良いねって感じだが。


 で、それから4時間後の午前10時。オッサンの率いるβ任務部隊(ダグザ・ヌアザ艦隊+第一航空戦隊+改良型コロニーレーザー2基)が出撃となった。ダグザ・ヌアザ艦隊に関しては、ソフィー達からの強い要望により更なる追加建造が行われ、それぞれ644万隻もの戦力となっている。改良型コロニーレーザーは、既存のコロニーレーザーを改良して、新型相当まで能力を向上させた代物。


 第一航空戦隊は、生産したものの予備戦力になりつつあったランドグリーズを前線で暴れさせる為のモノだ。配置転換等で艦隊未配備だった艦艇群から、フェサード級空母2,000隻、ラクランⅡ級1,000隻、護衛としてサムズ・クロス級12,000隻を抽出し構成している。これにランドグリーズ隊72,000機が加わる形だ。


 β任務部隊には、オッサンの他にヘイスァ・バイスァ・ランスァ・ホンスァの愉快系アイドルグループと、専用機の専従チームが帯同する。賑やかな道中になることは間違いなしだな。ちなみに、β任務部隊の主任務は連邦の勢力圏の大外を迂回しつつ辺境の惑星やコロニー群の攻略、そして最終的な攻略目標は惑星『イングリア』となる。


 α部隊で軍都である惑星『トゥーラ』を、そしてβ部隊で連邦経済の中枢である惑星『イングリア』を陥落させる。後は、連邦へ降伏を要求しつつ戦力を再編成し、総仕上げとして連邦の中枢たる惑星『フォルマ』攻略戦へと移行する。


 まぁ、全ては予定であり状況次第では幾らでも変わる可能性も高い。とは言え、連邦に勝つ為には失敗は許されないのだが。うかうかしていると、先のコロニー襲撃の様な悲惨な事態が幾度も起こりかねないからな。連邦が体勢を立て直す暇も無いペースで、一気に戦況を塗り変えていく必要がある。


 一方、ランドロッサ要塞に残る面々の内でサウサンには通商破壊艦隊の指揮と共に共和国軍の迎撃を担当して貰う。要塞守備戦力として配備されている2個艦隊644万隻とは別に、対共和国軍用に追加建造した1個艦隊322万隻をこれに当て、正面から叩き潰すだけの簡単なお仕事だ。ぶっちゃけ、322万隻対25万隻では、始まる前から勝負は見えているが、無視は出来ないからな。


 オッサンとソフィー、サウサンが各方面での戦闘に専念している間、シャンインとドクターには要塞の管理と護りに専従して貰うこととなる。ここ暫くは外交面が落ち着きを見せているとは言え、これからの展開次第では再び騒がしくなるだろうからな。シャンインには何時でも動ける状態にいて貰う必要がある。


 ドクターは言わずもがなと言うか、本職は研究開発だからな。色々と依頼しているものもあるし、そもそも前線タイプという訳でもない。今回の専用機専従チームもそうだが、彼自身が出ずとも役割を熟せる人材が育って来ているのが大きい。適材適所と言えば良いのだろう。要塞を頼みます、ドクター。




 「かずー」

 「まー」 

 「どうした? ヘイスァ、バイスァ」


 要塞を出発して10時間余り、コロニーレーザー2基を帯同しての移動という事も有り、その進軍は通常よりかはどうしても遅くなる。とは言え、以前よりもコロニーレーザーの移動速度は向上しているのでマシになってはいる。むしろ、アレだけの巨体を潜航艦と同等の速度で移動できるようにしたドクターがヤバいってのが現実だ。


 「先行艦隊」

 「何か見つけた」

 「敵か?」

 「不明だぜい」

 「識別無いっぽ?」

 「そうか。取り合えず、艦橋に上がるとしよう」


 専用機の関係から、フェサード級空母を旗艦としてオッサン達のβ任務部隊は宙を進んでいる。最初の目的地まではまだ距離があることもあって、暫くはノンビリとした航海と洒落こもうかと思っていた矢先の出来事。どうやら、先行して偵察に当たっている艦隊が何かを発見したらしい。


 それをわざわざ私室まで知らせに来てくれたヘイスァ達と共に、数時間ぶりに艦橋へと上がる。適当な席に座ってわちゃわちゃしているランスァとホンスァを横目に、艦長席へと腰掛ける。


 「それで、状況は?」

 「10分前」

 「先行艦隊」

 「何か」

 「見つけた」

 「「「「っぽい?」」」」

 「……そうか」


 彼女達なりに真面目に伝えているのだろうが、ぶっちゃけそれだけでは殆ど何も分からない。取り合えず、正体不明の何者かを確認したって所だろうな。事前の情報では、この宙域では連邦軍の艦艇は確認されていなかった筈だが……。


 「追加」

 「情報」

 「数100」

 「軍艦」

 「勢力」

 「不明」

 「……」


 たったの100隻なら文字通り一蹴できる程度でしかない。とは言え、所属不明ってのが些か引っ掛かるがな。可能性としては、連邦軍が何らかの作戦のために所属を偽っている場合だろう。共和国軍は、この宙域には進出出来ていないし、帝国は言わずもがな。後は中小勢力って可能性もゼロでは無いが。目的が分からん。


 「先行艦隊には、距離を取って監視を続けるよう指示を出してくれ」

 「あい」

 「さー?」

 「それと、相手の正体が分かるまでは大人しくな?」

 「しー」

 「すー」

 「せー」

 「そー?」


 ……何も起きないと良いな。起こしそうなヤツが身内にいる事について、助言求む。

お読みいただきありがとうございました!

次回もお楽しみに!

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