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34歳のオッサンによるフォルトリア星系戦記  作者: 八鶴ペンギン
第6章『大国の終焉・中』
314/336

6-17:始動

相変わらず、暑さと雨に翻弄される日々ですが、皆様は如何お過ごしでしょうか。


今回からと言いつつ、結局まだ動ききれてない本編ですが。

連邦との戦争が、漸く進みます。

 コールマフ連邦との決戦に向けて、急ピッチで行われた戦力拡充が一先ず完了したのは10月21日のことだった。ダグザ艦隊以下、主力艦隊10個で合計3,220万隻。これとは別に、サウサンが率いる通商破壊艦隊が6個艦隊で合計81,000隻。これらの艦隊戦力を持ってして、連邦の戦争を終結させることになる。


 一方で、要塞の守備には主力艦隊2個分の644万隻が任に当たり、侵攻してくるであろうボルジア共和国艦隊を迎え撃つことになる。既に、戦力分析も侵攻予想ルートも特定済みであり、後は確実に叩き潰すだけだ。その辺は、要塞で指揮を執るメンバーに任せれば良いだろう。


 今回の戦力拡充に合わせて、シャンインとドクターに預けていた戦力も現行の主力艦隊と同等数である322万隻まで拡大しておいた。攻める戦力が3,220万隻、護る戦力が644万隻、遊撃に当たる戦力が644万隻。事前の想定よりも更に戦力が上乗せになった気もするが、これは戦争だから仕方が無い。


 「……さて、連邦との戦に終止符を打ちに行く訳だけど、現状で何か問題はある?」

 「要塞の機能は十全です。各ブロックは正常に機能しておりますし、事務方の増員も完了しましたので、管理部門も問題ありません。それと陸戦隊も増員が完了し配備済みですね」

 「了解」


 戦力拡充によって、大きく影響を受けたのがソフィーの管理する要塞内部だろう。各種生産プラントの生産量が桁違いに増えたからな。とは言え、以前から事務方のアンドロイドを増員として手配していたので、自身の補佐であるテトラとヤヴァナを含めて問題無く采配が出来ているようだ。


 陸戦隊に関しては、15万人までの増員が完了している。まぁ、既に追加で15万人の増員に向けた準備が進んでいるけどね。基本的には、敵地に多数の歩兵戦力を送っての地上掃討戦は避けるたい方針だが、全てが上手くいくとは限らない。ミディールやイースキーじゃ、どうしてもって場所も多くあるしな。


 「外務は、一先ず落ち着いていますの。……正確には、嵐の前の静けさってヤツだとは思いますわ。人員に関しては事務方が増えたので、あのおバカさん達が遠足に行っている間くらいは回して見せますの!」

 「シャンインには本当に面倒を掛けるな。なるべく早く戻るようにするから」

 「お願いしますわ!」


 外務に関しては、正にシャンインの言う通り嵐の前の静けさなのだろう。ワルシャス帝国は以前から静観の姿勢を崩していない。彼女が言うには、関係者を通してのやり取りに関しても特段変化は無いようだ。サウサンが言うには、かなり正確に状況を把握しており動く心算は無いようだとのこと。


 一方で、コロニー襲撃と民間船へのテロ攻撃という自作自演工作で国内世論を盛大に誘導している連邦だが、こちらもここ半月ほど前から勢いが落ちている。サウサンの分析によれば凡その目的を達したゆえの抑え込みとのこと。


 まぁ、確かにこの手の扇動はやり過ぎるとコントロールを失うからな。ギリギリで管理できる範囲に留めて置きたいという連邦の狙いがあるのだろう。それに、幾ら怒りの矛先を此方へと向けられたとしても、戦況を変えられ無ければ自らに戻ってくることになる。


 連邦軍に大規模な再編計画があるとサウサンが掴んでいることからも、彼方さんも決着を付けようという意思があるのは間違いない。まぁ、その前にこちらが仕掛けるけどな。正面から組んでの殴り合いも出来るようになった以上、戦いの主導権はこちらが握る。


 そして、最後は共和国だが、こちらも少しばかり落ち着きを取り戻している。とは言え、実際には報復だか懲罰だかを目的とした100個程の機動艦隊が、間も無く準備完了してこちらへ侵攻してくる訳だが。こちらの場所が掴めないからと、フォラフ自治国家にちょっかいを掛けに行くのは馬鹿だとしか思えないが。彼らに軍拡の大義名分を自ら与えてどうするんだが。……まぁ、何も考えてないんだろうが。


 その他の勢力については色々とごちゃついている所もあるようだが、一先ず今は連邦を叩くのが先決となる。コロニー襲撃にせよ、民間船へのテロ攻撃にせよ指示を出したであろう人間を捕えられれば、誤解を解く切っ掛けにはなるだろう。最悪、捕らえられなかったとしてもそれらしい証拠を準備すれば済む話だ。……死人に口なしだからな。


 「研究開発部門は問題ございませんな。人員に関しては将来を見越してもう幾ばくか増員する予定ですぞ」

 「ラボは問題なしと。不知火は?」

 「そちらも抜かり無く。前線には、専従チームを同行させますので、ご安心くだされ」

 「了解」


 ドクターのラボに関しては、特に無しと。フォラフ自治国家向けの駆逐艦開発は順調の様だし、それ以外の開発もほぼ予定通りに進んでいる。新たなオッサンの専用機である『不知火』も、シミュレーターと実機の各種テストで十二分な数値を叩きだしているしな。後は実戦を経て更なるブラッシュアップをするだけだ。


 「こちらも特に問題は無い。既に一馬にも報告してあるように、水面下では色々と動いているが何れも此方が主導権を握れる状況にある。既に、通商破壊艦隊は次のフェーズへと移行段階にある。主力が行動を開始する頃には、派手に始まりの鐘を連邦中に鳴り響かせてやるさ」

 「了解。最終的なタイミングは追って知らせる。まぁ、それまでは今まで通りの通商破壊戦を演じていてくれ」

 「任せろ。それと人員に関してだが、追加で増員を進めるが構わないな?」

 「構わないよ。サウサンに一任するから、必要な人員を増員してくれ」

 「分かった」


 諜報も問題なく機能している。先のコロニー襲撃があってか、情報収集体勢が各方面で更に強化されているようだ。サウサンなりに、思うところがあったのだろう。ただ、今更ながら個人的な意見を言わせて貰うならば、あの一件は恐らくどれだけの人員や時間を用意しようとも避けられなかった事態に思えるのだ。何て言うか、ゲームで言う強制負けイベントって感じなんだよな。


 わざわざあのバカが事前に警告しに来た事もあるし、恐らくその予想は間違っていないと思う。例え、何らかの予兆を掴んだとしても、サウサンやオッサンのところまでその報告があがることは無かっただろう。例えば、システムの不具合とか担当者のミスとか、普通なら有り得ないようなことが起きてな。


 物語を進めるキーとなるイベントゆえに、回避不可能。そう考えた方が色々としっくり来る。勿論、その結果として命を奪われた人々が多数いる訳だが。彼ら彼女らの恨み辛みを晴らす為にも、連邦には代償を払わせる必要がある。


 「さて、他には何があるか?」


 ソフィー達を見渡すが、特に何も無いようだ。まぁ、何かあれば先に言っているって話だが、それは無粋ってもんよ。こういった様式美は何時の時代も、どこの宙でも大事なのです。


 「よし、なら予定通り明日11月1日0時を持って、惑星『トゥーラ』攻略戦を発動する」

お読みいただきありがとうございました!

次回もお楽しみに!

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[気になる点] 地逢えず どういう意味の単語? 調べたけど 該当ないようです
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