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34歳のオッサンによるフォルトリア星系戦記  作者: 八鶴ペンギン
第1章:歴史の始まり
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1-31:管理者からの報酬

今話までで第1章歴史の始まりは完結となります。

10話構成(予定)の第1.5章を経たのち、第2章へと物語は移ります。

 オッサン、吃驚。向かって右側に亜麻色の髪、白人系美人のソフィー。向かって左側に黒髪、アジア系美人のシャンイン。美人が2人? つまり、両手に華。ちょっと、自分でも何を言っているか分からない。分裂した? アメーバーみたいに?


 「分裂した訳ではございません。新たな肉体を管理者が作製し、私の人格を丸ごと移植したのです」

 「ほぉー。管理者すぎょい……、じゃなかった凄いな」

 「今後はより多くの人手も必要となりますので、私とシャンインのダブル補佐官体制で香月司令官を支えさせて頂きます」

 「そうか。宜しく頼むよ。ソフィー、シャンイン」

 「お任せ下さい!」

 「任されましたわ!」


 笑顔で敬礼してみせる2人。この笑顔を曇らせる事ないように、俺も努力しないとな。まぁ、目の前の仕事が山積み感あって早速逃げたいけどね!


 「さて、管理者より司令官に手紙を預かってきております」

 「手紙?」

 「今回の一件に関しての、総括と言った物ですわ?」

 「なるほど。考査結果の発表みたいなものかな……」

 「むしろ、ご褒美と思って頂いて問題ありませんよ?」

 「ご褒美とな? それは期待して良いのだろうか!?」


 ご褒美とは何だろうか? 資源とか資源とか資源とかか? 後は資源とかかな? やっぱり資源とか? 裏をかいて資源とか? 正攻法で資源って可能性も有るな。もしくは、実は資源だよみたいな? 何れにせよ、資源が欲しい。コロニー側に連絡通路再建の為に金属2600tも拠出する羽目になったしな。


 「では、代読させて頂きますね?」

 「宜しく、ソフィー」


 わざわざ紙の手紙を用意したらしく、封筒からA4サイズの紙を取り出してソフィーが代読を始める。


 「では……。香月司令官、まずは初陣を無事に乗り切れた事をお祝い申し上げる。着任して僅かな日々であったが、君は私の期待以上の戦果を上げてくれた。今後も君が私の期待に応え続けてくれる事を願い細やかながら報酬を送らせて貰おう。内容に関しては、君達の通信端末に目録を送っておいたので、目を通してくれたまえ。それから、今後も君の働きに応じて報酬を出すので、意識して結果を出していって欲しい。最後に、この手紙を10人に送らないと君は不幸になるぞ? 以上です」


 うん、管理者って絶対に愉快犯だろう。中々良い感じの内容の手紙だったのに、最後の1行で全てが台無しだわ。


 「どうしましょうか、司令官。この手紙を10人に送らないと、不幸になってしまいます!」

 「いや、純粋過ぎでしょ、ソフィー?」

 「ソフィーって意外と騙され易いタイプですわね?」

 「……いえ、流石に私でも管理者の悪戯だと分かりますよ?」

 「「……」」

 「本当ですよ!?」


 ソフィーの名誉の為にも、そう言う事にしておこう。さて、端末を起動して目録をチェックするとしましょうかね。手持ち用の通信端末を起動して、確認してみると確かに報酬の目録なる内容のメールが届いている。


 「さて、1つ目は……おぉ、資源だ!」

 「ギリギリでしたから、助かりますわね」

 「コロニーへの拠出に艦体の修理と相応の量が出ますからね。幾ら共和国艦艇を回収するとは言え、余裕が無いのは危険でしたから、助かります」



 君達に送る1つ目の報酬は資源だよ。嬉しいでしょ?

 今回は、月末に送る予定だった資源量を、倍にして送らせて貰うから、有効活用してね?

 ※注釈※月末に送る資源は君の活躍を評価して算出されている。次回も君の健闘を祈る!



 「前回と同じ量と考えても結構な量になるな。艦艇数も増やしたいし、要塞の守備戦力を増強したいしな。本当に助かるわ」

 「今回は数で負けていましたからね、もう少し余裕が欲しい所ですわ」

 「性能差だけでは、何れ立ち行かなくなりますからね。我々も数を揃える必要が有ります」


 初期に貰った資源が金属2万t、非金属5千t、推進剤5千ℓ、弾薬1,500tだった。ただ、推進剤は原則自給自足になるから、貰えるのはそれを除いた金属・非金属・弾薬って事だろう。これらの量を基準とすると、倍の量が貰えるってだけでもかなりの量に相当するな。オッサンとしては、嬉しい限りだ。



 2つ目の報酬はシステムポイントだよ。これも嬉しいでしょ?

 今回の戦闘の戦果から換算して、10SPをプレゼントしたよ。システム端末で確認しておいてね。

 これを使って、必要な所を強化してくれたまえ!



 「推進剤生産プラントの強化は確定として、後は艦艇か兵器のアンロックかな?」

 「艦艇を増やすなら、そろそろ軍港の拡張を視野に入れる必要が有るかと」

 「後は、修理ドックの拡張も必要ですわ」

 「まずは、必須の所から手堅くポイントを振っていこう」


 今回の戦闘で改アスローン級は4隻全てが被弾し小破判定を受けている。現状では修理ドックは2隻までしか同時に修理が出来ないので、残る2隻は待機させるしか無い。損傷艦を待機させるってのは、余りよろしくは無いな。早めに修理ドックの拡張が必要になる。とは言え、後2隻分解放するとなると馬鹿にならないポイント数を消費する事になりそうで怖い。2隻にする段階で3ポイントも要求されたからな……。



 3つ目の報酬は補充戦力だよ。今回の戦い、最低でも倍の戦力が有ればだいぶ違ったよね?

 だから、君には管理者特製ルーレットを回して貰って、出た目の数×現状の艦艇数をプレゼント!

 意味が分からないから説明しろって? 

 今の君は、カンターク級巡洋艦を1隻に改アスローン級駆逐艦4隻を保有しているだろう?

 ルーレットを回して3が出たら、その3倍に当たる巡洋艦3隻、駆逐艦12隻をプレゼントするって訳さ。

 勿論、新造艦だし資源消費も無しだよ。

 さぁ、目の前のルーレットを回してご覧? 今回はマス目を大奮発しておいたから。


 「……管理者って暇なのか?」

 「コメントは差し控えさせて頂きます」

 「ソフィーに同じくですわ」


 端末の画面上にルーレットが出現する。どうやら全部で12分割されている様で、内訳としては3倍が1マス、4倍が2マス、5倍が2マス、6倍が3マス、7倍が3マス、8倍が1マスとなっている。期待値は凡そ5.7倍って所か?


 「やってみるか……」


 画面右下にあるスタートボタンをタッチするとルーレットが動きだした。


 「「「……」」」


 ソフィーとシャンインも俺の端末を左右から覗き込んで来る。圧が凄いよ、圧が!


 「……止ま、ったな」


 →3倍


 「3倍……だとっ!?」


 いやいや、期待値から考えても3倍は無いっしょ!? 折角、要塞の戦力を強化出来るチャンスだったのに、まさかの最低倍率を引き当てるとは……。コロニー攻防戦で運を使い果たしたか、ローマン中佐のフリーダム号に全て運を吸われたかだな。まぁ、それでも資源消費無しで既存の3倍もの艦艇を入手出来たと考えれば、納得するしかないな。オッサン、無念。



 おめでとう。まさか、最低倍率を引くとは思わなかったよ。君は、素晴らしく運が無いな(笑)

 まぁ、獲得した艦隊で頑張ってくれたまえ。



 このメールって、その場で入力しているのか!? それだったら、どんだけ管理者は暇なんだよ……。


 「司令官。お気を落とさずに」

 「そうですわ! 前向きに考えませんと!」

 「まぁ、タダで貰った訳だしね……」


 取り合えず、管理者は2発殴る事に決めた。



 そして、ラスト4つ目の報酬だよ。システム管理端末に新しく【派生】の項目を追加しておいた。

 これからの戦闘に役立つこと間違いなしな機能だから、詳細は是非とも君自身で確認して欲しい!

 では、今回は此処までだよ。この目録は10秒後に爆破処理されるから、気を付けてね!


 「新しい項目か……」

 「詳細を確認して頂ければ分かりますが、使いどころの多い便利な機能ですわ」

 「特に、潤沢な戦力を用意出来る余力がまだ無い我々には必須とも言えますね」

 「2人がそこまで言うのなら、期待が高まるなって……、メール消えた」

 「管理者は無駄な事が好きなんです」

 「要するに、馬鹿なんですわ」


 明らかに呆れ顔の2人。一応は上司にあたるであろう管理者をボロクソこき下ろしている。いい気味だ。まぁ、アレが馬鹿であったとしても結果的にこの要塞の戦力強化に繋がったと言うならば、評価してやろうじゃないか。オッサンは、ちゃんと評価は出来る人の筈。

 

お読みいただきありがとうございました。

次回もお楽しみに。

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[一言] PSO2やってましたか?w
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