5.5-4:変革の靴音④
取り合えず、週一更新はどうにか維持出来る様に。
まぁ、唐突に飛ぶかもしれないけど気長にお待ち下さい。
さて、ミディールⅡに関する意外な話をドクターから聞けたところで、何だかんだ先送りになってしまっていた各部署の人員増員を進めようと思う。流石に、前回からかなり時間が空いてしまっているからな。まぁ、実際に不足が起こっていれば話が来ていただろうから、現状でも回っているのだとは思うが。
「かつての超大国も予算という現実には勝てないって事だけど……。まぁ、ウチはウチって事で次の話題に移ろうか」
「そうですね。過去は過去。そこから学ぶ事は大事ですが、囚われてもなりません」
「そうですわ! 私達には私達のやり方がありますのもの!」
厳しい過去の現実と向き合っても、今が良くなる訳では無いからな。あくまで、学ぶべき事例として捉えておかないと。変な所で足を引っ張られかねん。
「で、次の話題ってのは各部門の人員増員に関してなんだけど。前回の増員から、それなりに時間が経ったからね。各々から、必要な希望を聞きたいんだけどさ」
「内務としては、特に業務量が増えている訳では無いですが……。今後を見据え、数名の増員を頂ければ教育に十分な時間を掛けられるかと」
「了解。テトラとヤヴァナの下に付ける形で良いかな? 人数としては、取り合えず2人か3人ずつ付けようか」
「はい、それでお願いします」
ソフィーの所は、合計6人追加って感じで良いな。彼女の言う通り、確かに内務の仕事量はそこまで多くなってはいないからね。下手に増やし過ぎてわちゃわちゃするよりかは、将来に向けて教育出来る人数に絞った方が効率的だろう。
「シャンインの所は?」
「私の所も、前回ランスァとホンスァが増えたお陰で問題無く機能してますわ。ヘイスァとバイスァを合わせた4人で、一馬様の親衛業務も交互に回せますもの」
「なるほど。でも、最近は彼方此方飛び回っている様だし、もう少し人員増やした方が良いんじゃなか?」
「んー、でも結局の所、最後の取り纏めは私にしか出来ないですもの。一応、相手のメンツもありますから、外務方トップが出ないとは行かないですわ」
「なるほど。なら、もし増やすとしたら要塞でも事務方ってところかな? ヘイスァ達だと何だかんだ理由を付けて、その手の仕事はサボるだろうしね」
「……否定出来ないですわ」
ヘイスァとバイスァ。ランスァとホンスァ。4人とも良い子達なのは間違いない。シャンインの補佐として非常に高い能力を有しているのも事実。更に言えば、ヘイスァとバイスァはパイロットとしても高い適性を見せているし、能力の伸びも非常に良い。
問題なのは、シャンインが色々と途中の過程で手を出したせいで、愉快系アイドルグループだかシスターズだかとなってしまった事に尽きる。お陰で、その行動は常に周囲に色々と良くも悪くも波乱を巻き起こす事になった。最近では、ランスァとホンスァもヘイスァ達に影響を受けたせいか、その傾向が更に強くなってきているありさまだ。
「取り合えず、将来的な負担の軽減を見越して数人増員するよ」
「分かりましたわ」
「と言う訳で、ソフィー。悪いんだけど、シャンインの所の増員も一緒に教育して貰えるかな?」
「はい? それは、別に構いませんが?」
「シャンインに任せると、ヘイスァ達が更に増えるからね」
「一馬様!?」
私、心外ですってシャンインは憤慨して見せるが、絶対にそうなるに決まっている。出来るならば、ランスァ達の時点で修正出来ていた筈だしな。それが出来ないって時点で、次も同じ事になるのは目に見えている。
ここは、心を鬼にしてでも新しい人員の教育はソフィーに任せると吉だ。今回は、事務方の人員として育てる訳だし、彼女以上の適任はいないだろう。教育が完了次第、シャンイン率いる外務部門へと移籍させれば良い。
「これは、決定事項だよ。シャンイン。異議申し立ては受け付けません」
「ガーンですわ!?」
「まぁ、日頃の行いの結果ですな」
「全くだ。少しは反省するが良い」
「フルボッコじゃ、ありませんの!?」
打ちひしがれるシャンインに、ドクターとサウサンの容赦ない追撃が入る。シャンインの言う通り、フルボッコの様相を呈しているが、誰しも中々口にしないものの普段から思っていた事なのだろう。甘んじて受けなさい。
「じゃ、外務はそれで良いとして、次はドクターのラボかな?」
「そうですな……。先に増員していただいた人員に関しては既に教育も完了し、各々がラボで役割を果たしております。ですので、次を担う世代の育成が必要となりますかな? 今後、更に研究開発の重要性は増すでしょうしな」
「了解。で、実際にどの程度の人数だったら業務に支障をきたさずに育成が出来るかな?」
ラボの果たす役割は非常に大きい。各種研究開発は勿論の事、オッサンやヘイスァ達が使っている専用機の整備保守もドクター率いるラボに一任されている。前線に出る時は、専門の整備チームが空母に乗艦して同行してくれているしね。
「……ふむ。ディープラーニングである程度までは必要な知識を与えられますからな、後は実際に身体を動かして覚えるのみ。であるならば、前回と同様に250~300人位でしょうか?」
「なら、前回と同じ250人の増員で進めよう。配置はドクターに一任するから」
「承知しました」
さて、後はサウサンって……あっ。病院船の追加建造分を忘れてた。
「忘れてた。ドクター、病院船の人員はどうする?」
「おぉ。それも、ありましたな。此度8隻追加ですから、医療用アンドロイドを都合800ですかな」
「了解。そっちも併せて手配しておくよ」
「お願いいたします」
現状、1隻の病院船に付き100人の医療用アンドロイドが乗船している。実際には、その半分程度でも業務に支障はきたさないらしいけど、此方も将来を見据えてって事の様だ。今回も、その例に漏れず教育も兼ねての人員配置となる。……彼ら彼女らがフル稼働する様な事態の無いことを願おう。
「最後は、サウサンか。新型の潜航空母に、大規模に増強された通商破壊艦隊。人員増員は必須だな」
「あぁ。要塞での分析要員、現地での工作要員、艦艇での運用要員、事務方も必要になるな」
「現状が、400弱か。ドクターの時と同じだけど、どれ位の人員なら教育が可能?」
「ふむ……。一先ず200、その4週間後にもう200手配してくれ。今後を見据えた業務集約と配置転換による人員調整で、教育担当は必要数が確保出来る見込みだからな。将来を考えて、此処で一気に人員を増やしておきたい。更なる追加を頼むかもしれん」
「了解。そのスケジュールで人員増員の手配を掛けるよ」
これで、全部門の人員増員が確定かな。内務が、事務方6人。外務が、事務方……取り合えず、4人。ラボが研究用アンドロイド250人と病院船用の医療用アンドロイド800人。諜報が、2段階に分けて400人。要塞の戦力から見れば少ないのだろうけど、かなりの部分をAIが補っているから出来る芸当とも言えるか。
さて、人員増員はこれ位で良いか。そうなると、次は……。
お読みいただきありがとうございました!
次回もお楽しみに!