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34歳のオッサンによるフォルトリア星系戦記  作者: 八鶴ペンギン
第4章:マーク・トゥウェイン要塞攻略戦
193/336

4-44:バカ襲来②

相変わらずのグダグダでしたが、今話を持って第4章『マーク・トゥウェイン要塞攻略戦』は終幕となります。

次回より、何時もの日常編的な間章(話数未定)を経て、第5章『大国の終焉(仮)』へと物語は進みます。


※お知らせ※

来週の更新はお休みし、再来週の28日(月)朝6時の更新から再開とさせていただきます。

 「……なるほどね。それが君の望みか」

 「そうだ」

 「でも、良いのかい? アレを君に渡す事も出来るんだよ? アレが手に入れば、君達が受ける恩恵は計り知れない筈だ。それを捨ててまで、君は1人の女性を解放する事だけを願うのかい?」

 「笑いたければ、好きに笑え」


 今回の戦いの報酬として臨むのは、『ルーフェス』の完全なる破壊。アレがこの宙の何処かに存在する限り、パメラを含め星女足り得る素質を持った女性達は解放されない。星女を失うパルメニア教が、今後どの様な道を歩む事になるかは知らん。恨みたければ、オッサンを好きなだけ恨め。


 「いや? どの様な答えであれ、君の選択を僕は尊重するよ」

 「なら、さっさとやれ」

 「本当に良いんだね?」

 「しつこいぞ? さっさと破壊しろ」

 「はいはい。……終わったよ」

 「……そうか」


 本当に破壊されたかを、我々が確認する術はない。こう言ってはなんだが、管理者(バカ)がパメラ嬢だけに『ルーフェス』の声を聞こえない様にしただけかもしれないしな。信じるか、信じないか。結局は、そこに辿り着く。


 「さて、これで今回の君達の活躍に対する報酬は終わり……と言いたいところなんだけどね?」

 「何だ?」

 「考えたらさ、今回は2つの目標を達成しているんだよね? だったら、2つの報酬を与えるべきじゃない?」

 「お前の言いたい事は分かるが、余計な情けはいらん。マーク・トゥウェイン要塞攻略と星女救出。これらは、表裏一体の戦術プランとして行われたものだ。当然、受け取るべき報酬は1つのみ。お前のすべき仕事は終わったんだから、さっさと帰れ」


 確かに、管理者(バカ)の言う事も分からなくはない。これまでの戦いと比較すると、今回の戦いは2つの目標を達成している。それぞれについて報酬を渡すと言うのも、別に無理くりという訳では無いだろう。だが、それを言われるままに受けとるのは、オッサンとしては違うと思う。


 「君は変なところで真面目だね? 別に、2つ分の報酬を受け取ったからといって、誰も君を責めないよ?」

 「単に、俺として筋を通すだけだ。それに、そんな事を言いだしたら、今までもそうだが、そもそも最初から幾らでもゲタを履かせられただろうが。それをしなかったのは何故だ? 」

 「……まぁ、確かにね」


 管理者であるコイツがその気になれば、最初から、何百万・何千万と言う資源や艦艇を与える事も出来た。でも、それをしてこなかったのは、コイツなりにルールが合ったからの筈。ならば、今回もそれに従うべきだろう。我々に渡すべき報酬は、1つ分のみだ。


 「……分かった。君の判断に従うよ」

 「そうか。なら、さっさと帰れ」

 「……君、本っ当にブレないね?」

 「誉め言葉として受け取っておくから、さっさと帰れ」

 「分かったよ。そろそろ、本当に撃たれそうだからね……」


 両手を上げ降参とばかりにポーズを決める管理者(バカ)。その右脇腹と左頬に長物の銃口を押し付けてグリグリと容赦なく攻め立てているのは、ランドロッサ要塞が誇る怖いモノ知らずの不思議系双子ちゃんのヘイスァとバイスァ。取り合えず、引き金に指を掛けるのは止めておこうか?


 「撃つ?」

 「撃っちゃう?」

 「撃ったら?」

 「撃つな?」

 「撃つなら?」

 「撃つな?」

 「「撃つっきゃない!」」


 うん、取り合えず止めなさい。いや、本当は撃っても良いかなと思うけども、どうせ逃げられるだろうし、ミーティングルーム内で下手に跳弾とかしたら危険だからね。それと、多分だけど君達が途中で言っていたのは、『飲むならー乗るなー、乗るならー飲むなー』って飲酒運転の標語だよね? 誰が教えたのかな!?


 「じゃ、じゃぁ僕はこれで!」

 「「あっ!」」


 唐突な発光現象も起こらず、煙が発生する事も無く。文字通り、管理者(バカ)の姿はその場から消滅した。確かに、これでは現れるまで見つけようが無いな。銃口を突き付けていた相手が突然消失した事で、バランスを崩しかけたヘイスァとバイスァだったが、互いに支え合う事で転倒する未来は回避したな。


 「かず」

 「まー」

 「ん、どうかした?」

 「もう1回」

 「バカ呼んでー」

 「「次は仕留める!!」」


 気合十分とばかりに、握り拳をオッサンへと突き付けてくるヘイスァとバイスァ。非常に可愛らしいですが、流石に早々呼べるもんでもない。それに、本当に撃たれると分かってて来るほど、アイツもバカでは無いだろうしな。


 「ヘイスァ、バイスァ。気合十分のところ悪いけど、撃つのは次回にしよう」

 「無念」

 「残念」

 「また」

 「来年」

 「何故、来年ですの!?」


 おっ、シャンインのツッコミが入ったか。何気に、ヘイスァとバイスァのボケにツッコミ入れるのって、オッサンかシャンイン位なんだよね。ソフィーは苦笑い、ドクターは好々爺って感じで温かく見守っております。サウサンは、我関せずって感じだな。


 「さて、そう言う訳で今回の報酬は事実上ゼロだ」

 「一馬さん。結果として、膨大な情報を持つ『ルーフェス』が他勢力に渡る可能性が消えたのですから、これで良かったのではないでしょうか?」

 「そうですわ。艦隊も資源も、次の戦いに備えて少しずつ貯めて増やせば良いだけですもの。それに、躍起になって数を増やせば良いと言う訳では無い事も、今回の戦いで証明出来ましたわ?」

 「シャンイン嬢の言う通りですな。これからは、数よりも質を求める時期ですぞ? ミディール隊で、良い実戦データも取れましたしな。いよいよ、艦艇にも攻勢光学兵器を搭載する時かと」

 「ふむ。コメントが思い付かん」

 「サウサン……」


 君、やっぱりポンコツだよね? ……まぁ、良いか。これで、パメラを縛るモノはほぼ消えたと言って良いだろう。パルメニア教団? 知らんがな。一応、実家の宙賊も掃討しておくか?

お読みいただきありがとうございました!

次回もお楽しみに!

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― 新着の感想 ―
[一言] ミッションの報酬は受け取っただろうけど、撃破や生産や戦術加点のポイントを見たら 仰天させられたりしてな。あの管理者ならやりかねない。
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