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34歳のオッサンによるフォルトリア星系戦記  作者: 八鶴ペンギン
第1章:歴史の始まり
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1-18:兵器

兵器とか考える時間は大好き。

 さて、共和国の追跡艦隊を確実に葬り去る為に兵器の強化を進めたいな。資源的に、艦艇の追加建造は後々に悪い意味で響きそうだからな。兵器なら、相応の資源で数を揃えられるから、結果として使い道も増えるだろうと踏んでいる。さて、システム管理端末を開いてと……。


 「また、任務達成か……」


 確認してみると、≪初改良≫、≪巡洋艦初建造≫とある。これで手持ちのポイントは6ポイントとなった。先日、アスローン級駆逐艦を改良した時のものとカンターク級巡洋艦建造によるものか。ここ数日の間、端末を確認してなかったのがバレるじゃないか。何をしていたかって? ソフィーと今後のプランを色々と考えながら英気を養っていたのだよ。要塞の中に、ジムとかプールとか有って吃驚だわ。オッサン、だいぶ運動不足気味だったので丁度良かった。


 「ソフィー、ちょっと良いかな?」

 「はい。何でしょうか?」

 「兵器の開発ツリーを進めようと思うから、アドバイスを貰えるかな?」

 「了解しました。お任せ下さい」


 うん。やはりソフィーはシャンインに比べて真面目さが自然と滲み出ているね。まぁ、シャンインも仕事自体はしっかりやっているから、不真面目って訳では無いけどね。何て言うか、彼女の方がフランクな感じがする。どっちが良いと言う訳では無いけれどさ。


 「初期兵装の思考爆雷と機動150㎜対艦砲。それぞれってどの様な系統に発展していくのかな?」

 「そうですね。思考爆雷は防御兵器系統へ、機動砲は攻勢兵器系統へと発展していきます。どちらが優れていると言う話ではありませんが、空母の艦載兵器群は機動砲の発展先になります」

 「逆に、爆雷の発展先はこの要塞の護りに有効って事か……」

 「そうですね。何方も状況を見つつ開発ツリーを進めていく必要が有ります」


 ふむ。共和国艦隊との戦闘を考えると、現状では攻勢兵器系統を優先するべきだろうか? 戦闘機とか有れば、ディーシー号の援護にも役立つかもしれないしな。


 「戦闘機タイプの兵器とかは機動砲の発展と考えて良いのかな?」

 「はい。機動砲を発展させる事で、戦闘機タイプの兵器へと発展していきます」

 「今回の戦闘への投入を考えるなら、そっちだな」

 「そうですね。巡洋艦に加えて小回りの利く機動兵器が展開出来れば、状況はかなり有利になるかと思います」

 「良し、まずは機動砲を発展させてみよう。爆雷系統は少し様子見だな」


 さて、急がば回れとは言うが、今は善は急げで早速ポイントを振って開発ツリーを進めるとしよう。システムの開発から兵器を選択、機動150㎜対艦砲に1ポイントを消費して次の開発先をアンロック。


 「機動150㎜対艦砲(連装型)か。これって、要は今の機動砲の砲身が2本になったって事かな?」

 「はい。純粋な強化型と言った所ですね。これまでより、発射の間隔が短くなりますので、単純に時間当たりの砲弾投射量が増えます。その分、弾薬の消費量も増加しますが」

 「必要な資源量次第だけど、今の機動砲の何門かは改良しても良いかもな」

 「その方が、機動砲そのものを倍にするよりかは、幾分ですが資源は抑えられますね」


 元の機動砲と比べてもそれ程までに資源の必要量が増えているって訳では無いな。この先の兵器次第ではあるけれども、改良候補に入れておこう。次のツリー解放には2ポイントか。これで合計3ポイントの消費。それなりの兵器が出てくれると嬉しいんだけど……。


 「次は、イースキー?」

 「イースキーは、連邦軍初期に使用されていた宇宙空間専用の戦闘機ですね。機首下に搭載した100㎜対艦砲が主武装です。後は小型の多目的ミサイルを搭載しています。この兵器の発展型が空母の艦載兵器として使用が出来ますね」

 「機動砲が宙飛ぶ砲塔で、こっちは砲塔をぶら下げた戦闘機か」

 「機動砲よりも機動性が大幅に向上していますので、この宙域のデブリ帯でも活躍してくれるかと」

 「機動砲を要塞の守備に下げて、これをディーシー号の支援に回すのも有りだな」

 「小回りが利きますので、敵艦隊の攪乱にも有用かと。ただ、機動砲と異なり推進剤の消費量が大幅に増えますのでご注意下さい」

 「常時エンジンとスラスターを使用する弊害か……」


 ぶっちゃけ、今すぐ欲しいと思う。推進剤の消費が痛そうだけれども、生産プラントの強化も効いてきて貯蓄には多少の余力が有るからな。少数を先行生産して共和国戦で様子を見てみるか。


 「戦闘機は基本、2機で1分隊、4機(2個分隊)で1個小隊を編成します。ですので、生産数はそれを意識されるのが宜しいかと思われます」

 「ふむ。さて、肝心の必要資材は……、ヤバない!?」


 機動150㎜対艦砲 金属150t 非金属15t 推進剤100ℓ 弾薬5t

 イースキー 金属 50t 非金属 2t 推進剤200ℓ 弾薬2t


 機動砲に比べて金属及び非金属の消費が大幅に減ってるのが分かる。でも、推進剤はイースキーの方が馬鹿みたいに必要になるな。機体サイズから考えたら、燃料効率が最悪だろ。機動性が命の兵器故に、常に推進剤を消費する事になるから仕方が無いのだろうが。これを大量に運用する空母とか頭が痛いレベルだわ。オッサンには戦闘する度に推進剤が湯水の如く消える未来が見えるよ。強化してるから余力あると、余裕ぶっこいてた少し前の自分を殴りたい。急いでポイントを稼いで、推進剤生産施設の強化を進めないと拙いぞ。


 「2個小隊分と行きたい所だけど、推進剤を考えると1個小隊分かな」

 「4機で、改アスローン級駆逐艦と同等の推進剤が要求されますからね。その位に抑えるべきかと」

 「推進剤生産施設の強化を急ごう」

 「次の目標ですね」


 さて、気を取り直してイースキーの生産を行おう。数は4機と。消費される推進剤に相応しい戦果を期待します。じゃないと、オッサンが胃薬のお世話になりそうだよ。


 「イースキーは1機当たり8時間か。機動砲より時間掛かるな」

 「精密な工程が増える分、生産に掛かる時間は増大します。ですが、4機なら並行して生産しますので問題は無いかと」

 「そう言えば、兵器の生産を行っているラインって1度にどれ位の兵器を生産出来るものなのかな?」


 今更過ぎる疑問をソフィーにぶつける。爆雷とか30個が1時間程度で完成してたもんな。今考えてみたら凄い生産速度だよ。


 「そうですね。艦艇の建造ドックや修理ドックの場合は、1つのドック毎に1隻固定となります。ですが兵器の生産ラインの場合は、各ライン毎に一定数の兵器を同時生産出来る仕組みです」

 「つまり?」

 「生産上限10のラインの場合、同時に10個の兵器を生産出来る訳です」

 「それは、兵器の種類やサイズに関係無く?」

 「いえ、種類は混在可能ですが兵器のサイズ毎に生産されるラインが異なります。現在の生産ラインは25t未満の第1小型ライン、25~50tの第2小型ライン、50~100tまでの中型ライン、100t以上の大型ラインが存在します。同時生産可能数としては第1小型ラインで100まで、第2小型ラインで50まで、中型ラインで10まで、大型ラインで5までとなります」


 なるほど。思考爆雷は第1小型ラインだから30個でも一気に生産出来た訳か。イースキーは第2ラインだから50機、機動砲だと同時には5門までか。この前の機動砲6門を生産した時は2回に分けて生産されたって事だな。これらの数も生産ラインの強化で増やせるのだろうけど、時間の無駄を省く為にも一先ずはこの数を目安に生産数を決めるとしようか。こうやって、要塞の仕組みが1つずつ紐解かれていく感覚、オッサン大好きだわ。

お読みいただきありがとうございました。

次回もお楽しみに。

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