表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34歳のオッサンによるフォルトリア星系戦記  作者: 八鶴ペンギン
第4章:マーク・トゥウェイン要塞攻略戦
163/336

4-14:首を出せ

お待たせしました。本編再始動です(えっ


いよいよ、スキンヘッド紳士も…。

 『香月君。君とは良い関係を築けていたと思っていたのだがね? これは、一体どういった事かな?』

 「はて? サントスさん、聞きたい事は具体的にお願いします」

 『……コロニー周辺に展開している、君の艦隊についてだ。あれは、我々に対する恫喝かね?』

 「恫喝とは心外ですね? ガルメデア訪問に際し、シャンインから警護艦隊を付けられただけですよ?」


 あれから数日が経ち、護衛艦隊を兼ねる『ラーズグリーズ』と『ランドグリーズ』を率いてガルメデアコロニーへと訪れていた。正確には、コロニー外部の宇宙港への入港段階で揉めているってところかな。まぁ、確かにこれだけの規模の艦隊で訪れた事は無かったけどさ。向こうは、武力による恫喝行為とみなした様だ。


 『護衛だと? どう見てもコロニー1つ簡単に落とせる戦力を、ただの護衛と君は言い張るのかね?』

 「他にどう言えと?」

 『先のシャンイン嬢の発言もある。最早、君との友好は崩壊したと私は考えるがね?』

 「お好きにどうぞ? ……そもそも、罪人風情と友好なんて最初からある訳が無いだろ? 長すぎる流刑地暮らしで、遂に頭に蛆でも沸いたか?」


 あくまで彼との関係は利害関係のみだ。個人的に好ましいと思った事は無いし、彼との友好関係だなんて虫唾が走る様な事は言わないで欲しいね。今までは利用価値があるから使っていただけで、要塞にとって不要となったから排除するだけの話だ。身勝手だって? 否定しないから、お好きにどうぞ? 所詮、この世は弱肉強食よ。


 『漸く、本性を現した様だね。まぁ、そちらの方が君らしく自然だと思うがね?』

 「それは、どうも? まぁ、良いか。せめてもの情けだ、自死を選ぶなら今の内だからな?」

 『もう、勝ったつもりかね? 舐めて貰っては困るな? 我々には、我々のやり方と言うモノがあるのだよ!』

 「はいはい。負け犬の遠吠えは聞こえなーい、と」


 地の利は確かに向こうにある。それに、コロニー自体を破壊する訳にもいかないので、使える手段に制限が掛かるのは事実。だが、それ位で選択肢が無くなるほど、此方も脆弱では無い。既に、ミディールがコロニーの建造時に使われた工事用シャフトへと取り付き、内部への潜入準備を進めている。


 「陸戦隊の上陸準備。正面から行くぞ!」

 「了解ですの。艦載機による掃討が完了次第、揚陸艦を突入させますわ!」


 今回、要塞では無く前線で直接指揮を執っている。補佐にはシャンインとドクター。ソフィーとサウサンには要塞を任せて来た。久しぶりの外遊的なお出掛けに、内心かなり興奮していたりもする。スキンヘッド紳士には悪いが、此方側の認識はその程度でしかないのだ。

 

 宇宙港付近から散発的に飛んでくる対空砲火を掻い潜り、艦載機隊が先ずはコロニーの防衛兵器を破壊していく。辺境のコロニーとは言え、最低限の自衛兵器を有しているもので。これ等を無力化してからが、上陸戦の開始となる訳だ。まぁ、強攻上陸も可能だけどな。でも、出来るだけ此方の犠牲は抑えたいので、今回は堅実なプランを選択した。


 「敵、防空兵装沈黙ですわ? まぁ、数が数ですもの、この程度ですわ」

 「念のため、艦載機隊には引き続き周辺宙域の警戒をさせてくれ。陸戦隊、宇宙港へ上陸開始と……」


 抵抗と呼んで良いのかすら分からない程、アッサリと防衛兵器は沈黙した。ちなみに、コロニーの警備艇は姿すら見せてこない。まぁ、これだけの艦隊相手に豆鉄砲程度の武装しかない警備艇ではね。ヨットで戦艦に挑むようなモノだろう。


 「宇宙港には、スキンヘッド紳士達も戦力を集めている事だろうから、慎重にね?」

 「そうですな。では、早速お披露目と行きましょうぞ?」

 「あぁ。例の支援兵器ね?」

 「今回は、クモ型とサソリ型。双方の実証試験も兼ねております。陸戦隊と共に、存分にご活用下され」


 以前から、ドクターに開発を依頼していた上陸戦用の支援兵器類。設計が完了したクモ型とサソリ型を今回用に生産して持ってきた訳だ。これと、陸戦戦力である戦闘アンドロイド達を共にコロニー内部へと突入させる訳だ。


 「各揚陸艦より、揚陸艇発艦ですわ」

 「おっ。いよいよか……」


 シャンインが言う様に、艦隊へ同行している揚陸艦から戦闘アンドロイドや支援兵器を搭載した強襲揚陸艇が次々と発艦していく。無論、護衛として艦載機隊が周辺警戒に当たる。まぁ、現状でこの宙域で脅威となり得る戦力が他には存在しないけどな。でも、油断・慢心ゼッタイダメだ。


 「此処までは、予定通りですな?」

 「だね。それで、ミディール隊の方は?」

 「現在、シャフト内への潜入を開始しております。事前情報通り、シャフト内での行動には問題無いようですな。とは言え、1機分程度の広さしかありませんが」

 「内部へ、ミディールを送り込めるだけマシだよ。人工の大地とは言え、100万近い人間が暮らす場所だ。陸戦隊だけだと人数的にも火力面でも、不安だからな。ミディールが展開出来れば、それらを払拭できるし、何より見た目のインパクトがデカい」


 今回、10隻のブラックバレー級揚陸艦を投入している。1隻当たりの陸戦要員は2,000名。合計で2万人の陸戦要員がコロニー内へと展開する。それに加えて支援兵器も展開する訳だが、それでもコロニーの人口から見たら少数派としか言いようが無い。

 それをミディール隊が補う訳だ。これらの兵器は火力は勿論だが、見た目のインパクトが非常に大きい。巨人と言って良い、人型の機動兵器が市街を我が物顔で歩き回るだけでも、コロニー住民に与える心理的な影響は大きいからな。


 「間も無く、第一陣の揚陸艇が宇宙港へ入港しますわ」

 「よし、要塞初の本格的な陸戦だ。上手くいく事を祈ろう」

 「そう言えば、そうでしたな。良き経験となるでしょう」

 「何事も経験ですの。ゴーゴーですわ!」


 要塞初の陸戦と言う事もあってか、オッサンも含めて誰もが俄かに気分が向上していた。これまでは、各宙域で起こる艦隊同士の撃ち合いがメインだったからな。人対人と言う、最も戦闘らしい戦闘がいよいよ起きる訳だ。戦闘アンドロイドが人かどうかって? 哲学的な話は無視だ、無視! さっさと、戦闘だ!

お読みいただきありがとうございました。

次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 戦力差が圧倒的過ぎる。 戦いになって無いよ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ