3.5-7:カワル宙⑦
※お知らせ※
先日、100万PVを達成しました。
これも、日頃から本作品を読んで下さっている全ての皆様のお陰です。
本当にありがとうございます。
そして、これからも本作をよろしくお願いいたします。
この様な時期ではありますが、本作が僅かでも皆様の気分転換になれば幸いです。
要塞司令官として、戦後処理に関してやらなければならない事ってのは、そこそこ沢山あるもので。次は恒例の艦隊再編成となる。現在、フォラフ自治国家宙域には、『スレイプニル』を旗艦とする艦隊が共和国第6機動艦隊の武装解除を監視する為に駐留している。まぁ、共和国本国への備えと言う意味もあるな。
区別の為に、フォラフ自治国家宙域に展開する艦隊は再編成して1個艦隊として扱っている。艦隊名はシンプルに『フォラフ派遣艦隊』。戦艦19隻、巡洋艦124隻、駆逐艦314隻、空母2隻、拠点艦4隻の合計463隻である。で、残りの6,192隻をどうしようって話になる訳だ。尚、試製双胴駆逐艦はバカに回収された。
『面白そうだから、貰っていくよ?』
良い笑顔で持ち去っていったあのバカ。結局、試製双胴駆逐艦は何の活躍もする事なく歴史から葬り去られたのであった。まぁ、また創れば良いだけなんだけどさ……。
「取り合えず、全部で11個艦隊に再編成するか……」
あのバカのお陰で、手持ちの戦力が終戦時の11倍になっている。なので、下手に難しく考えずに単純に11で割ると、綺麗に各艦隊の艦艇数が揃う訳ですよ。勿論、旧式艦の退役や次世代艦の建造もあ必要だし、艦種毎のバランスを考慮する必要もあるから、今後の追加建造でその辺の調整は必要。特に空母はまだまだ数が少ないから最優先だ。後は拠点艦も追加建造しておかないと、艦隊の規模からして補給に時間が掛かるはめになるだろう。
編成される11個艦隊の内、2個は要塞の守備戦力として常駐させる。今後は敵の規模も大きくなるだろうし、何より根拠地たる此処が落ちる事は終わりを意味するからな。しっかりと防衛戦力も準備するしかない。残り9個艦隊の内、1個艦隊は勢力圏内での偵察に当たらせる。何処ぞの馬鹿共が調子に乗らないとも限らないしな。威圧も含めた行動だ。
で、8個艦隊が今後の主戦力となる訳だが、実際には7……いや6個艦隊が正面戦力で、残りの2個艦隊が予備戦力だな。前回の戦闘で各艦隊を補給に下がらせる時に正面火力の低下が発生していた反省から、その間の代替戦力として予備戦力を確保しておく。
一先ず、現行戦力を単純に等分するとこの様な感じだな。
駆逐艦
改アスローン級:64隻、ウェクスフォード級:256隻、ポートマギー級:74隻
巡洋艦
カンターク級:28隻、シャニッド級:104隻
戦艦
クレアモリス級:18隻、バリーフェルター級:1隻
空母
フォックスフォード級:2隻
潜航艦
ロッグモア級:1隻
補給艦
カランズ級:50隻
工作艦
グレンデリー級:1隻
拠点艦
ラクラン級:6隻
1個艦隊合計:605隻
後は、此処から旧式艦の退役や次世代艦の建造投入があるし、事前の予定通り色々と変わっていく。同時建造数も大幅に増えた事だし、資源に気を付けつつ強化に勤しもうじゃないか。……いや、本当に残り資源には十分注意しないと不味い。流石に、戦闘終了後に修理用素材がありませんは繰り返したくない。
「……」
改アスローン級は全艦退役。ウェクスフォード級と、ポートマギー級は追加建造。カンターク級は全艦退役。シャニッド級は防空特化型と電子戦型の追加建造。フォックスフォード級は艦載機の生産も含め追加建造。潜航艦はサウサン指揮下へ移動。補給艦は全解体。工作艦はドクター指揮下として基本的に要塞待機。拠点艦は追加建造。全体の数は維持しつつ、全体的な質の向上を目指すという感じだろうか。
まぁ、毎回同じ様な事を考えながら、結局は事態が勝手に動くせいで間に合わないけどね。今回も、共和国の動き次第では直ぐに動く事になるしな。1年位、皆大人しく待っていてくれないだろうか……。せめて戦力が整ってから動きたいよね。
「まぁ、準備万端で戦争始められる事なんてそうは無いわな。無い物強請りする暇があったら、手を動かせってか?」
端末を弄りながら、足りない頭を必死に働かせる。奇跡なんぞ、現実的には起こらない。奇跡の生還なんぞ、ただ単に死ぬタイミングじゃなかってだけだしな。故に、備えるしかない。最悪を想定し、準備し、出来る事をやるしかない。
「フォックスフォード級を全艦隊分で先ずは22隻建造と。艦載機は、全部で1,320機必要か。これも生産ラインに回して……」
艦載機は、イースキーⅡから次世代機のイースキーⅢへと変更する。既存の空母艦載機も順次入れ替えていかないとならないか。早めに重力圏下での戦闘に備えないとならんってのは、まず間違いないからな。各艦隊に空母を2隻ずつ追加配備するだけで資源が結構とぶな……。
「金属と非金属の生産プラント。直ぐに強化するはめになりそうだ……」
理想を言えば、金属生産プラントは後2段階、非金属生産プラントは後1段階は強化しておきたいか。残りのシステムポイントは145。29ポイントあれば、一先ずは生産プラントの強化が出来るな。よし、実行しよう。これで、残りは116ポイント。本当に、減る時は一瞬です。ただ、確実に強化に繋がっているから文句は無い。
「今回の敗戦で共和国がどう動くか……」
元々フォラフ自治国家の占領は、共和国の力を見せつけて勢力圏内の引き締めを行うのが目的だったはずだろう。無論、ナターシャ嬢達のこともあるだろうけどな。対帝国、対連邦の2つの戦線を抱える共和国にとって、大事な足元が揺らぐことがあってはならないことだった。だからこそ、力の誇示であったはず。でも、その目論見は道半ばにして、オッサンに殴られてケチを付けられた訳だ。当然、様子見をしていた共和国寄りの小国の中には、このタイミングで何かしらの動きを見せる国もあるだろう。
更なる締め付けを行うか、或いは懐柔に走るか。何れにせよ、共和国内が色々と騒がしくなる事は此方に取っては都合が良いと言える。逆に、共和国が此方を潰すのに本腰を入れる可能性も高まったが……。
「先の戦闘結果と現状の要塞戦力で考えると、4乃至5個機動艦隊程度までなら正面から戦える。それ以上の戦力を一気に投入されると、状況にもよるけど危険だな……。連戦なんぞ更に無理だ」
共和国の1個機動艦隊は定数だと戦闘艦は1,850隻。4個で7,400隻、5個で9,250隻になる。一方で、此方は1個艦隊辺りの戦闘艦は現状では547隻。正面戦力となる6個艦隊で3,282隻。艦艇数が3倍差となる、5個機動艦隊までが安定して対応出来る数と言うところだろうか。ただ、それも一戦ならばって条件が付くのが問題。今回の戦闘も終わってみれば、此方も満身創痍とまではいかずとも、2戦3戦と言った連戦がとても出来る様な状況では無かった。
自軍の損害を可能な限り減らしつつ、敵に出血を強いる。言葉にすれば簡単だが、人相手の戦いでそう上手くいくものでは無い。いやはや、何事もままならないね。指揮する艦隊が増えれば増える程に、見落としが増える可能性も高くなるしな。オッサン、灰色の脳細胞をフル回転させるしかない様です。
――――――ちょいとばかり、知恵貸せや――――――
お読みいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに!