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██の斬獲者 妖怪の里

おや……?タイトルの様子が……?


新作書き始めたので少々更新が遅くなるかもしれません。


「『妖怪の里』……?」


なんじゃそりゃ。


「わ、オレが口で説明するよりも見た方が早いから」


そう言うとアルカエストはインベントからスクロールを取り出して発動した。


「『テレポート→妖怪の里』」


直後、周囲の景色が変わる。それよりも転移がアイテムで出来る事の方がびっくりだわ。


「テレポート、当機の知り合いは統合スキルでやっと長距離転移使ってたんですけど」


「いや、これはそんなに貴重品じゃないし予め設定したとこにしか飛べないからその知り合いは多分目的地の設定数が多いんじゃない?」


なるほどな。


「して、何処を見れば分かるんですか?一見普通のヤマトの集落にしか見えませんが」


人が全く見えないけどね。


「あー、まあそりゃあね。此処がヤバいのは住んでる奴らだし」


住んでる奴ら?


「『九尾』『鬼』『落武者』『屋敷わらし』。あとは『龍』『仙人』ですかね」


「はい?」


「ここに住んでる人……いや、妖怪達です。説明下手なんで勘弁してください」


ここです、と一際大きな屋敷の前で立ち止まった。



「失礼します」


じいちゃんの家も中々大きかったがここはそれ以上だ。閑散としており誰も居ないが、掃除はしっかり行き届いているようだ。


応接間みたいな所まで来てからアルカエストが振り返って言った。


「これから会う方には絶対にいきなり襲いかからないでくださいね」


「当機をなんだと思ってるんですか?」


「だってエクリプスいきなり殴り殺したじゃないですか」


ぐう。


「NPC相手にはそんなことしませんよ」


「ならいいんですけど。『██████████』」


なんだ今の。


「なんです今の」


「祝詞みたいなものです。考古学者系のジョブ取ってそこから言語学スキル取らないと使えませんし気にしなくて結構ですよ」


「いえ、そうでなくその祝詞を今発する意味が……」


『おはよぉ』


何者!?


突如眼前に現れたのは赤い字で謎の言語が綴られた包帯で体をぐるぐる巻きにしたヒトガタだった。目まで覆われてるのに良くこっち見えてるな。というかこのミイラ、声まで聞き取りずらいんだが。


「もう夕方ですよ」


『私が朝と言ったら太陽が沈んでようが朝だよ』


さっき同じようなこと言う奴(ガルザーク)がいなかったか?


「こちら、前に話した機人種エクスマキナのファケリー・ヴァイスです」


「機人種零号機、ファケリー・ヴァイスです。以後お見知り置きを」


『あ、よろしくね。お茶でも出すから待っててよ』


そう言うとミイラはとてとてと歩いて部屋を出ていってしまった。


「アレなんですか?」


「本人の口から聞けますから焦らずにどうぞ」


『お茶と〜、お菓子だよ〜』


「……どうも」


味分からんがな。


『ええーと、どこまで話したっけ』


「まだ何も話してないのに言うのは新しいですね!?自己紹介すらしてないですよ!?」


『あー。OK。私の名前はスメラギ・ヤマト。初代天帝『開闢』だとか初代龍皇『スサノヤマト』なんて呼ばれた時期もあるがまぁ、今はしがない楽隠居だよ。親愛を込めてヤマちゃんと呼んでくれたまえ♪』


いきなり情報で殴りかかってきたこのミイラ……!?


「………………」


これマジ?とアルカエストを見る。


「………………」


アルカエストは、マジ。と言わんばかりに長い首を縦に振った。


「ええと、ヤマちゃん。ここは妖怪の里と聞きましたがどういうことなんです?」


え!?この空気のまま進めんの!?みたいな視線をアルカエストは送ってきているが無視だ無視。ヤマちゃんみたいなやつのペースに付き合ってたらストレスで禿げるわ!


『古くから、ヤマトの地には呪いみたいな物があるんだ。人によっては祝福と受け取るかもしれないね』


そう言って眼前のミイラは語り出した。


『力ある者ほど人から離れていく。上級、最上級のジョブに就きレベルを上げて、Lv100まで至る。これで第一段階。 不自然にステータスが上がったり、覚えのないスキルを習得する』


ヤマトは包帯に包まれた人差し指を立てる。


『そのまま100年ヤマトの土地を離れないか、強い未練を残して死ぬ。これで第2段階。種族が人類からモンスターに変わってLv1になる。ステータスはそのままやり直し。まだここまでは人里にいても怪しまれないかな。居るかは知らないけど』


更に中指を立てる。


『そうしてLv100まで上げきるとめでたく第3段階。またLv1になってユニークボス認定される。この時点で人里にいるともう大変。それで酷い目に遭った子も結構いるんだからわかんないもんだよね』


薬指を立てた手を振る。


「つまり……」


『今の真名は『開闢龍帝 ヤマトスメラギ』だよ。酷いもんだよね』


「妖怪化の原因は分かってるんですか?」


『勿論。伊達に生き恥晒してないぜ?それに君をここに招待した理由にも繋がるから。勿論聞かずに帰るって手もあるよ?』


ゲーマーなら勿論聞くだろ。


「……聞かせてください」



一瞬、静寂が訪れる。





『ここの地下のダンジョン『絶望回廊』に封印されてるボスを殺して欲しい』





「それは……どれぐらい難しいのですか?」


『私は諦めた。昔は龍皇と天帝兼任してて今はカンストユニークボスの私がだ』


……へぇ。


『最大限ここの設備は使ってくれて構わない。やってくれるかい?』


眼前のミイラは、少し不安げにそう尋ねてきた。


「勿論」


即答。


ゲーマーなら当たり前だよなぁ?

絶望回廊(別サーバー)に入った時点でユニークボスの序列が一つズレます。

現在のユニークボスランキングは

1位:卑欲恋理(討伐済)

2位:宝晶輝龍(討伐済)

3位:未発見

4位:未発見

5位:愚神来慘(討伐済)


ヤマちゃんは友好的なNPC判定(現役の龍皇三体と同じ扱い)なので入りません。入るなら封印中の絶望回廊のボスよりも強いですがよっぽど地雷原でブレイクダンスでもしない限り有り得ないです。

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