四元の斬獲者 群青覇王・惨
ニュネカおりゅ???初投稿です。
「自爆するぞ!!!」
は?
「フェニックス01!『終焉と開闢の種火』!!!」
『Que!?Queeeeeeeeen!!』
テイマーの屑作戦!?
ガルザークの指示の直後、彼女が使役していた不死鳥が悲壮な鳴き声と共にヤバそうなカラーリングに光だす。
直後、視界を塗り潰す極光と共に響く轟音。
海に潜っていた鮫の周囲の水が全て蒸発し、鮫の姿が露わになる。こんがり背中を焼かれており既に虫の息だ。
『shaaaaa!?』
『機能不全:耳』が出た。種火ってレベルじゃねーぞ!?
これドヤ顔サングラスがなかったら視界も死んでたんじゃねぇかな……
「……『呪縛怨獄結界』解除、『呪殺符・誅天鳳』『呪殺符・負王火荒怒』」
結界を消したれなが自動ホーミングと思われる魔法?を使用するのを視界の端で捉えた。御札で出来た鳥と4枚の壁の御札が赤黒く燃え盛り鮫を捉える。
『相生連斬』の残り時間は1秒。周囲の魚はみんな焼けたから新たに補充は無理。
「『真界超越』『天絶星断』!」
加速スキルと攻撃スキルを重ねる。
狙うのは脳。
直後。
死を纏う刀によって覇道の鮫は仲間によって築かれた屍山血河の仲間入りを果たした。
【群青覇王 シャークァの討伐を確認しました】
『Congratulation!!』
『討伐パーティは、『ルナテック』『ファケリー・ヴァイス』『レーズン』『ガルザーク』『スペル・マスター』『れな』です』
『討伐MVPは『れな』です』
『ファケリーヴァイスに『群青覇王の大牙』『群青覇王の心核』が付与されます』
無事終わったようだ。核はレアドロかな?
「ようやく耳が聞こえるようになりましたわ……」
「機人種のスタングレネードでもあんなに威力出ませんよ……」
せいぜい効いて1秒とかだしな。しかもトカゲたちはレーザー乱射しまくって事故率ばっか上がる。
「ドロップアイテム、あっしは牙だけだったけどみんなは?」
「牙と核でした」
「牙だけですわ……」
「骨と内臓とフカヒレ〜」
「牙と卵だった」
「私は骨に特典で「あ、そこまで言わなくてもいいよ」」
みんなが戦利品を挙げていきれなが特典について触れようとした途端に遮った。まあ俺も『ナイトメシア』について色々黙ってるしそれぐらいのプライバシーはあって然るべきだろう。
「牙だけなのは納得いきませんわ!」
「ルナテックは血染彼岸花発動してからずっと旗ブンブンしていたからでしょう。狂乱でしたよ」
「あっしもだね……」
「れなの結界がなかったら逃げ切られてただろうしMVPなのは納得だな」
「ええ、同じく彼岸花の発動やサポートに貢献したレーズンが報酬多めなのも納得ですね」
「照れる〜」
「オレは最後に引き摺り出したのが評価されたって感じか?」
「ファケリーちゃんが核持ってるのは最初の目玉ぶっ刺しとラストアタックボーナスってとこかな?」
「このゲームにそんな仕様あるんですか……?」
「無い……はずだけど貢献度の計算式なんて知らないしありえなく無いんだよねぇ……」
「貢献度計算は本当によく分からない」
「ちなみにドロップはどーするの〜?」
「当機は武器ですかね」
「あっしも同じく」
「ワタクシもですわ!」
「フカヒレは食べて残りは砕いて肥料〜」
「牙はサンプルに保存、卵は繁殖出来ないか試してみるさ」
「特典はともかく牙は武器か呪術の媒体」
まあみんなそんなもんだろうよ。
「一発で討伐完了でしたがどうします?鶏も行きます?」
「……無理。結界貼るのにアイテムが必要だけど一つしか持って来てない」
「じゃあ仕方ないし今日は解散かな?」
「構いませんわ!」
「意外と早く終わったね〜」
「なんか狩りに行くなら手伝いますが」
「待って。なにか来る」
「嘘ぉ!?連戦!?」
れなの警告の後に放たれたお姉さんの悲鳴は今の俺たちの心情そのものだった。
『誰のシマで暴れ散らかしてんだテメェらァァァ!!』
空から降ってくるわけでもなく、海から上がってくるわけでもなく、勿論背後の陸からのそのそ歩いてくる訳でもなく。
突如出現した。
白い鱗に黒い角。水墨画から抜き出て来たと言われてと納得するモノクロ。体躯は細長く蛇のそれを思わせるが強靭な手足に爪が備わっており、右腕は虹色の宝玉を掴んでいる。
龍だった。
「ファケリーちゃん見覚えは?」
「残念ながらありませんね」
というか俺ドラゴンの顔見知りなんてせいぜいジェリンドとアルカエストだけだぞ。チラッと機人種に同行していると思われる龍皇を見たけどアレはジェリンド似の西洋竜だったし。
「は?この世界ドラゴンいたの?」
「〜♪」
そして何故かれなを睨みつけるガルザーク。れなは口笛吹いて誤魔化しているけどもしかしてれな、機人種以外の種族について情報出し渋ったな?
「でっかいね〜」
「感心している場合ではなくってよレーズンさん!?」
今回ばかりはルナテックの言い分が正しい。
「ごきけんよう、当機はファケリーと言います。先日も当機はこちらで戦闘を行っていましたが、暴れ散らかすとは?唯の戦闘行為だけを咎める為に隠れ里から出てきたわけではないでしょう?」
『ぬ?テメェが噂に聞く機人種か?』
「ええ。今は単独行動中ですし会ってもあまり言いふらさないで戴きたいんですが」
何とか戦闘は避けられそうだな。
「俺ァ、『天仙龍皇 オボロスサノ』ってんだ。我が神が言ってたジェリンドを殺したカラクリっつーのがテメェでいいんだな?」
眼前の東洋龍の殺気が膨れ上がる。ダメみたいだな。
「ええ。それが何か?」
『……いやァ。アイツァ喧嘩友達みてェなもんだっただけだ』
殺気が収まる。セーフなのかアウトかのかハッキリしてくれ心臓に悪いわ。
『今さっき龍脈がスゲェ乱れたんだが誰か馬鹿デケェ魔法使ったか?』
心当たりは一つしかない。さっきのテイマーの屑作戦だろ。
「あ、オレだわ」
『今回はァ見逃すが余り連発されると龍脈がぶっ壊れる。そうなると隠れ里やヤマト全体がヤベェことになるからな。狂った龍脈を治すのも俺の仕事だ』
「だそうだよガルザークちゃん?」
「分かった。この近辺ではやらんようにする」
近辺じゃなかったらまた自爆させるの???
『じゃあテメェら、俺に会ったことをドワーフの連中に言いふらしたりしたらシバキ回すからな?』
「ちょ!ストォォォプ!オボロ様!勝手に出てっちゃダメですって!?ってありゃ?ファケリー?偶然じゃん」
また来た。オボロスサノと同じ出現の仕方だ。赤い鱗の竜人種。今度はまさかの知ってるドラゴンことアルカエストである。
お前なんでここにいるの?お前たしか拠点にいたじゃんよ。
「ご機嫌ようアルカエスト。どうしてヤマトに?」
「いや、こっちで練丹術とか習いにね。君たちは?」
うん?てことは仙人関係か?アイツは錬金術専門だったはずだし来るのはおかしくないが……どうやって来たんだ?
まあいいや。
「まあ色々と。ヤマトにジョブとか取りにツアーですね。ここには情報掴んでるユニークボスを処分しに来た感じです」
「そりゃお疲れ様。付近に隠れ里あるけど、寄ってく?」
「機人種についての情報は……?」
「大丈夫、オボロ様が伝えてるぜ」
ちょっと一息つくか。
「じゃあ当機はそういう訳で失礼します」
「OK、オレ達はれなとスペル・マスターに色々聞かんといかんからな」
剣呑な雰囲気のガルザークとルナテック。情報絞られる2人は災難だったな。
「え?ファケリーちゃん助けてくれないの?」
「今回に限れば自業自得では?」
「次の集合はどうしますの?」
「私は3日後なら時間取れる」
「じゃあ3日後同じ時間ですわね」
「じゃあねファケリーちゃん!!」
そういって5人は去っていった。
「オボロ様先に帰ってて下さい。貴方は目立つんですから……」
『ぬ?分かった。そやつも一応は同盟相手なのだしな』
直後、視界から霞のように消えるオボロスサノ。
「それじゃあ招待するよ。『妖怪の隠れ里』に」
妖怪?
5人のクランの詳細情報
『掲示板』
クランマスター:れな
サブマスター:ハイド・ハイド
登録:戦闘クラン
情報屋ロールのプレイヤー達が設立した情報屋クランとされている。クランマスターのれなは普段は変装アイテムを使用して野良パーティに潜り込んでいるため補足されておらずクランメンバー以外は殆ど詳細を知らないため引退勢では?と思われている。
主な商売道具は補足したユニークボスの位置情報や隠しマップの情報。
非推奨五種族についてはサブマスターのみ知ってはいるが口止めされている。
設立当初は身内での情報共有を行うための相互扶助クランであり、実は身内団である。
『生命研究所』
クランマスター:ガルザーク
サブマスター:ケモショタスキー・モフルンデス
登録:生産クラン
研究所、と銘打ってあるが各地のクラン支部敷地の半分は牧場が占めている牧場クラン。
品種改良したテイムモンスターの販売と畜産が主な収入。そのため飼料の提供をする『白百合の農園』とは密接な関係にある。採れたての牛乳はその辺のポーションより上等な回復アイテムであり高級品。
『白百合の農園』
クランマスター:レーズン
サブマスター:ノーカ
登録:生産クラン
植物栽培のスペシャリストが集うクラン。農業が本業の奴が約半分を占めている。仕事しろよって?機械化と自動化のせいで手作業減って暇なんだよ仕方ないだろ。
曰く、作るのが目的なため非常に良心的な価格で野菜や果物、果てはポーションの材料や布装備の素材を卸してくれるプレイヤー人気ナンバーワンクラン。
『聖鎖の騎士団』
クランマスター:ルナテック
サブマスター:サンライズ
登録:戦闘クラン
通称、『西の方のやべーやつら』。因みに東はエロ装備の会。
女性だけの身内団ではあるが実態は頭おかしい奴らの巣窟で男どもが入るのを拒否しただけ。エロ装備の会が定期的に装備を卸しているのとクランマスターがプレイヤー屈指のバフ撒き女であること、あとはサブマスターの貧乳が敵対クランを粗方殲滅したことで西の方では屈指の戦闘クランとされていた。ナイトメシアにボコられた被害から立ち直りつつある。もしくは弱ってると見て抗争を仕掛けてきたクラン共を平らげて回復したとも。




