表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/105

女の子2人に男を挟むのはNG




龍血機同盟の拠点が存在する隠しエリアにて。


計6人のプレイヤーが集まっていた。


「じゃあわたくしから。『聖鎖の騎士団』クランマスター、ルナテックと申します。以後よろしく」


黒髪黒目、急所だけを守るようなプロテクターを装着した、所作に育ちの良さを感じる少女が口火を切った。


「あ?オレ?一応『生命研究所』クランマスターのガルザーク、ネカマだよ」


白衣を着た赤い髪の美女が続ける。ポケットに手を突っ込んでいたりとルナテックとは逆に粗雑な印象を受ける。


「私はぁ〜、『白百合の大農園』クランマスター、レーズンですよぉ〜。ガルザークの恋人よぉ」


麦わら帽子の金髪爆乳おっとり系美女がガルザークの腕に抱きつく。


「私いる?『女性トッププレイヤーの装備をエロ装備で染める会』クランマスター、スペル・マスターだよ」


作業服のお姉さんが肩を竦めながら言う。


「一応自己紹介。『掲示板』クランマスターのれな」


ローブで自身の姿を隠した少女が俺を見つめる。俺の番か。


「クランは未所属、機人種のファケリー ヴァイス」


あとガルザークと違ってガチのネカマ。


「あれ、バレた?」


VRだぞ?嘘ついてるのぐらいは分かる。多分、本業(れな)も気づいてるだろ。


「大根もいい所」


「ひっでぇなぁ…」


「ネカマって言えば直結厨は近付いて来なくなるもんねぇ」


直結厨とかこの時代にもいるもんなのか……


「VRは今まではなかったってのと、やっぱりリアルだからなぁ、このゲーム。」


「ネナベなのかネカマなのかもうこれわかんないねぇ?」


「1周回ってノーマルですわ」


「でも恋人って言うのは本当よぉ?」


見りゃわかる。知り合いに両刀がいるんだがそいつになんか雰囲気が似てるっていうか。


「クラン名の白百合ってそういう………」


「クラン名で性癖を晒すのは程々にしようね?」


「まさか人対人ブーメランなんて開発してたとはおったまげましたわ」


「ちなみに皆様は何故にヤマトに密航するのですか?」


「俺はモンスターのサンプル確保とか色々だな」


「私はぁ、あっちの作物の種籾とかを確保しておこうと思ってぇ」


「当機はサブジョブに『剣聖』を取りに行きます」


「あっしはあっち限定の装備とかのレシピだねぇ。輸入品じゃあ限界が見えるんだよねぇ」


「わたくしは、クランメンバーの勧誘……という名目で旅行ですわ」


うーん1人だけ不真面目。


「トラベルのリキャスト溜まったのだけど跳ぶ?」


「時間に余裕ない人いる?」


「大丈夫だぜ!」「大丈夫ですよぉ」「大丈夫ですわ」「問題ないですが」「あっしも大丈夫」「みんな暇なんだね」


これ喋ってたら何時までも終わらないタイプだ。


「さっさと跳んで観光と洒落込みましょう」


「いいねぇ!」


「決まった?」


「ゴーゴー!」


「目的地、ヤマトの首都─────『流離う旅人(ヘルメス)』」



・・・・・


「この国は、私が守る……!」


大きな杖を抱えた外套の少女が、そう呟いた。



・・・・・



ファストトラベルと同時に『()()()』。サーバーが落ちたなどの比喩表現ではなく文字通り、物理エンジンに従って下へ落ちている。


下は……まさかの溶岩。火口に真っ逆さま。周囲は火山地帯のようだ。


「え」「ちょ…!?」「マジで?」


れな、お姉さん、ガルザークから順にリアクション。


れなに嵌められた訳では無さそうだ。


「『ジェリンド』起動!」「喚起(コール):グリフォン04!」


飛行ユニットを起動。今の状況を理解したと思われるガルザークは手袋に嵌められた宝珠から赤いグリフォンを召喚した。


他の4人は飛ぶ手段を持ち合わせていないようだ。


お姉さんは多分身代わり持ってるだろう、レーズンはガルザークが救助に向かう、ヤバそうなのはルナテックとれなか。


「『真界超越(オーバースピード)』!」


急降下してれなのフードを掴む。


「すまない……」


「『走れ獄鎖の蛇』ファケリーちゃんルナテックちゃん頼んだ!」


見渡すとグリフォンにはカップルが載っており、グリフォンの足にお姉さんが鎖を巻き付けてぶら下がっている。


「間に合うか……?『真界超越』!」


グリフォンにれなを放り投げて加速。


ルナテックもこちらに手を伸ばしている。













「あ、ありがとうございます……」


間一髪。何とか手を掴んでルナテックが丸焼きになるのを阻止出来た。


放り投げたれなはグリフォンにフードを咥えられている。


「ファケリーさん!下!下!なんかいます!」


直後、心眼が反応。


赤いラインが俺に照射された。


「チッ!」「ふにゃあ!?」


スキル無しで急加速。


さっきまで俺たちがいた位置に熱線が照射された。


『ururururuuuuuuuu!』


火口から、溶岩をボトボト落としながら出てきたそれは……ヤモリか?何故に大型爬虫類にちょっかい掛けられるのか。


取り敢えずこの荷物を降ろしたい。


「応戦するよォ!『玩具支配・弐式』!『スプレッドバレット』!」「ええい、喚起:フェニックス01、喚起:リヴァイアサン01!被弾は避けて突撃!」「ファケリーさん、1度下ろしてください!」「……どうしてこんなことに……『レジストダウン』『起動・重圧の魔眼』」「ええとぉ、どうしましょう……?」


「降ろしますよ!」


地上まで降りる。


掴んでいた手を離しルナテックを捨てる。


取り敢えず、試し打ちと行こうか……!


「ちょっ!?暑いですわ!?」


地形効果でスリップダメージでも受けているのだろうか。とはいえ俺は暑くないから黙殺。耐性万歳。


「ユニオン」


『union:Dragon Sword』


「『全壊死動(オーバーデッド)』」


さぁ、新装備の初陣といこうか。


名前の由来一覧

れな→本名

スペル・マスター→中黒と星を消そう(直球)。(ファケリー)は気付いたからずっとお姉さん呼び。

ガルザーク→元ネタは、デュエマプレイスで魔改造されたあいつ

レーズン→レズ(直球)

ルナテック→ルナティック



スキル合成の素材


『天眼』+『演算加速(ブレインブースト)』=『神託演算』


演算加速はステータス上昇とHP減少が消えた臨壊機動。重複不可なので生えて直ぐに素材送りにされた。

思考加速に加えて観測、演算した情報を全て脳に叩き込むため頭痛は臨壊機動の比では無い。


天命制覇(オーバーライフ)』+『臨壊機動』+『過熱機巧(オーバーヒート)』=『全壊死動(オーバーデッド)


天命制覇は命脈踏破派生先。過熱機巧は交戦中に継続バフ。

効果は次回。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新乙です。 >直結厨 直結厨はマジで、あれですよね……何時の時代でも何処かにいそう >フード なんか、こう、空飛ぶ生き物にフードを咥えられて運ばれるやつ好きです
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ