えんそくのしおり
「お前が余るまで誰とも組まないのは勝手だ。けど、そうなった場合、誰が代わりに余ると思う?」
「……」
「姫園さんだ。 彼女は学園祭の件で貴方に負い目を感じてるはずだ。 だから貴方がハブられれば、自分から声を掛けに来るでしょう。 けど、そうなると恐らく2人ペアが孤立するでしょう。 そうなれば、クラスの連中は寄ってたかって彼女を責める……」
…………
「貴方が声をかけるしかないんだよ! 貴方もわかってるはずだ。だから何かを期待して私の所に来たんだろう!」
…………
「何をためらってる!貴方は作りたい思い出があるんじゃないのか?」
…………
「自分が信じる幸せのために戦うんじゃないのか?」
…………
「それとも全部嘘だったのか!?」
「………………お前そんなキャラじゃないだろ?」
「1度でいいから言ってみたかったんですよねコレ」
「………まあとにかく声掛けりゃいいんだろ?」
「幸い彼女もまだ誰とも組んでいないようです。私と霞、貴方と姫園さんの4人で確定させれば面倒なことはありません」
「OK。悪いな……」
「いえ別に構いませんよ」
「俺ら以外に組む友達いないもんな」
「死にたいらしいな……望み通りにしてやる!」
「あっ姫園さんまだ決まってないの?ならうち来ない?1人足りないんだよね…」
「わわっ、私で良ければ喜んで!!!」
やったぜ。
「剣聖ぃ?剣聖って、あの?」
「ええ。縮地なる疑似ワープがあるようですし欲しいなと」
「そういえばファケリーちゃんは国家情勢には疎いんだったね……」
「と、言いますと?」
「時系列的にはサービス開始直後にあたるね。極東の島国、ヤマトとドワーフの帝国で戦争があってね。ヤマトが戦争に負けて属国になっちゃったから帝国所属のプレイヤーと元からヤマト所属のプレイヤー以外は出入りが難しいんだよね」
「なんでまたサービス開始直後に………ああ。」
合点いった。
「このゲームは元から戦争するゲームでしたね」
「そう。普通にMMOするだけならどこでもできるけど帝国はバンバン戦争するっていう方針でプレイヤーを集めているのさ。戦法に対してアクティブなプレイヤーが帝国は一番多い。戦争での旨みも多いのは証明しちゃったからね」
「なるほど」
結果起きたのがヤマトの閉鎖か。
「問題ない」
れなが後ろにいた。いつの間に………
「どこから沸いた……」
「これでも暗殺者取ってた」
索敵力足りてないのか。
「ヤマトはファストトラベルは登録済み」
「マジ?どうやったの?」
「帝国所属の知り合いに同行した」
「顔が広いねぇ………」
「今度数人ヤマトに送る予定がある。ファケリーもくる?」
「ええ。お願いします」
「じゃああっしもお願いできる?幾つか欲しいレシピとか素材があるんだよね」
「あ、ファケリーちゃん、頼まれてたモノ、もうちょい待ってね。ちょっと協力者と予定が合わなくてね」
「了解した」
「予定では来週辺りに送ることになっているけど、少々リアルの予定が立て込んでいる。送り返すのには10日後ぐらいになる」
「前々から思ってたけどこのゲーム広すぎない?大陸2つ分だったり移動に手間がかかりすぎでしょ…」
そりゃ国家事業やしβ版でも大規模だから仕方ないね
最初のやり取りが分からなかった人は万丈構文で検索ゥ!




