サブタイどこ……?
文化祭最終日&ナイトメシア討伐の翌日。
「えー、我々1年A組の勝利を祝って〜」
『かんぱーい!!』
「あんまり騒ぎすぎんなよ〜」
とある洋食屋を貸切って行われているのは、1年A組の文化祭の演し物である男装執事&女装メイド喫茶の祝勝会である。
「メイド長何食う!?」
「まだお祭り気分が抜けていないらしいなぶち殺すぞ」
「痛い痛い痛い!?」
メイド長呼びした霞にアイアンクローをしながらオレンジジュースをストローで飲む。
流石に夜に集まるのは外聞が悪いので祝勝会は昼スタートだ。クラスメイトの1人の実家のレストランでは、まさかの1年A組フルメンバーが馬鹿騒ぎを行っている。
「集計の結果は売り上げは圧勝だったらしいですよ」
「(モグモグ)らひいな……(ゴックン)」
蝕天の話を聞きながらハンバーグを飲み込む。因みに2位は2年生の売店の1つだったらしい。3位は料理研究部だったか。
「これで来月校外学習ってマジかよ…」
「霞が実行委員でしたっけ」
「らしいな」
じゃんけん負けたんだったか。オレンジジュースをストローでちまちま飲みながらバカやってる霞を見る。
「班決めどうすっかなぁ………」
「姫園さんとは組まないのですか?」
「!?……ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...」
噎せた。
「ナンノコトダカワカンナイナー」
「別に、言いふらしたりしませんよ」
流石にそこまで落ちぶれてはいません。と蝕天は続ける。落ちぶれてる自覚はあるのか。
「まぁ、一目惚れ的な?」
「さっさと告白すればいいのでは」
馬鹿言え。そこまで好感度高くないわ。
「ゲーム脳………好感度見えてれば告白するようなタマでもないでしょう」
「どーだかな。そもそも良い子すぎて俺みたいなのが告白していいかすら怪しいんだよ」
「他のクラスの人にも告白されているようですよ?」
…………マジかよ。いや別に不思議でもないけど。
「今のところ全て断っているようですが、あまり押しに強いという性格にも見えません。いつまでもこのままとも限らないのですよ?」
「ほんとに好きだからこそ相手の気持ちを優先したい。みたいな?」
「…………?」
おいやめろ。(コイツ本当に昨日私の事ガードベント扱いしたネカマか?)みたいな胡乱な視線を送るな。
「………あっちでのことはちゃんと埋め合わせするからその目をやめろ」
「分かりましたよ、ピュアボーイくん?」
「リスキルの刑に処すぞ」
少々時間は飛んでゲーム内、エロ装備の会本部にて。
「ご機嫌よう」
誰?
エロ装備の会のメンバーには一通り会ったことがあるが、眼前のプレイヤーには会ったことがない。
黒い髪を長く伸ばした、黒い目に白い肌のここ製と思われる学生服の少女だ。無表情で感情の読み取れないが、値踏みされているような気がする。
「ようこそファケリーちゃん、その子は『れな』ちゃん。ナイトメシアの情報とかをくれた情報屋にして、カンストプレイヤーの1人だよ」
カンスト。トッププレイヤーでも有名なのは数人ぐらいらしいが。
「私はれな。剥き出しの貴方を見せて?」
なんじゃそら。
「女優志望らしくてね。趣味は人間観察らしいよ」
ネカマに対して剥き出しの貴方を見せては流石にいかがなものなのか。
「多分私より顔が広いよ。普段から野良パーティーに潜っては情報集めてるらしいしね」
カンストした情報屋がご苦労なことで。
「あと、私が知ってる中では唯一のファストトラベル持ちだね」
マジかよ。
「ええ。戦うのは得意ではないけど」
どこまで跳べるんだ?
「各国の首都は登録済み。他には狩場を3つほど」
「ジョブはデバフ支援型だからファケリーちゃんと組むこともあるかもね」
なるへそ。
「それと……」
なんだ?
「サブジョブいい加減埋めれば?」
ステータス見られたか。
「デメリット無いし剣士ぐらい入れればいいのに」
「掲示板使って調べて来ます……」
まず談笑してるお前らをヒロインちゃんがガン見してることに気づけ




