いざ逝け冥土道、悪夢の追憶 其の四
「はーいこっち向いてー!笑顔で笑顔で!」「次はスク水だな!」「は?バニーじゃないの?」「忍者とかどうよ?網タイツみたいなのピッチリさせてさ」「閃いた」「閃くな」「素材がいいから何着せても似合うよね」「海賊衣装ってどこやったっけ?」「魔女の衣装と一緒に倉庫っスよ」「ちょっと取ってくる」「チャイナドレスもよろしく」「セーラー服!」「うさちゃんパーカー!」
想像の上を往くカオスであった。
「そそそさん。噂のクランマスターさんは居ないのですね」
「そそそって……ええ、ログインしていないようです。リアルの急用とかではないでしょうか?」
双刀掃討総統(以下そそそ)さんから次の衣装(スク水)を手渡され装備変更で着替える。
「ちょっと誰かビーチのセット持ってきて!」「パラソルと椅子でええか?」「あと水着もいっぱい!」「浮き輪とボールも」「貧乳用にしろよ!」「ちょっと待て、逆に巨乳用のでブカブカになった水着って言うのはどうだ?」「それだ!」
「殺処分しますよ?」
ありがとうそそそさん。
緑色の幕の前で撮影会な訳だが、そそそさん監修の元行ってるため思ったよりも安全だ。
「水着持ってきた」
「ちょっと前屈みになってー、そう!両手を膝に!」「うおーー!」「ロボっ子特有のあんま感情ない表情で!」「ちょっとキョトンとしたやつとか!」
………衣装がまともだしだんだん楽しくなってきた。妹が着飾ってるときはこんな気分だったのかもしれん。
「イエーイ、ピースピース」「「「おおっ!?」」」
ちょうどノッてきた所だった。
「…………ねぇ、何勝手に始めちゃってんのよ?」
「げっ」「ひぃっ」「うわでた」「やべっ」「来客来たから落ちる」
最後のやつ嘘だろ。
その女性は、あまり特徴のない女性だった。茶色い髪に黒い目。強いて言うなら装飾の多いブーツが特徴だろうか。
「あ、君が噂のロボっ子ちゃんだね、あっしはこのクランのマスターやってるスペル・マスターだから。ヨロシク」
うん?
「よろしくお願いします」
「うんうん、噂通りの超絶美少女だ。レベルいくつ?」
「100です」
「おお、それならレベルキャップのある装備も付けられるね、自信作は全部90越え限定とかばっかでね」
あー、本気で作ると誰も着れなくなるんか。
「とりあえずこれとかどう?」
ウエストポーチから取り出したのはポーチに入るとは思えないメイド服だった。
こんな所までメイド服着ることになるとは。
「順番……」
「なんか言った?」
「なんも言ってないっス」
なんだこの空気。
とりあえずステータス確認……
冥土霊装 フォロウ
装備条件:レベル100
付与スキル:暗殺10、家事10、体術10、冥府之道
装備効果:不壊、魔法減衰50%、呪縛系状態異常無効『』『』『』
ステータス上昇:STR50、AGI100、DEX250、INT200
なんだこれ。
「あの」
「あげるよ」
「え」
「どうせ誰も着れないからね」
「代金」
「私が自腹で作った趣味だから要らないよ」
「………」
「素材余ってるし手袋とブーツも作るね」
「……」
「NPC用にも防具作るから」
「…」
「だからこれからも時々顔出して欲しいなって」
おかしいな、エクリプス曰く変態だってのに。
ただの装備貢いでくれるお姉さんじゃないか。
「今日は帰っていいよ」
「あの」
「今度装備持っていくね」
ずいっ!と笑顔で遮られた。
「はい」
「ばいばーい」
「失礼、します」
・
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・
・
・
「あ、ん、た、ら、せっかくの超絶美少女ロボ娘が二度と来ないって言ったらどうする気だったの?」
「「「………」」」
「私は止めましたよ」
「そもそも」
「あんな完成された美にエロ装備付けても興奮しねーわ!!」
「えっと」
「分かってねーなおめーらァ!!」
「性癖の話はまた今度に……」
「黙ってろブラッドレイもどき」
「あっ!言っちゃいけない事言いましたね!」
「おめーら、あの最高の被写体を逃さないようにな!次からはちゃんとお・も・て・な・ししろよ!」
現在のレベル100到達者
装備貢ぎお姉さん(エロ装備のやべーやつ)、決闘王者(対モンスもできるやべーやつ)、遺跡潰し(無限湧きバグをポップより早く殺して潰したやべーやつ)、マッピングガチ勢(生存力お化けのやべーやつ)、情報屋ロール(暗殺も出来るやべーやつ)、ネカマ(戦闘特化のやべーやつ)
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