いざ逝け冥土道、悪夢の追憶 其の一
『女性トッププレイヤーの装備をエロ装備で染める会・ハイデンフェル支部』
そう看板に書いてある巨大な建物を見上げて呟く。
「この規模で支部……?」
「撮影所や闘技場も内包されていますし、本部程ではありませんが一二を争う規模ですよ」
なんだそりゃ。生産系クランのはずではなかったのか。
「本部はヘクステア共和国……所謂中立国にあります。確か構成メンバーは30は超えていないはずです」
「ここですら100は入りそうですが」
入りますよ。と声をかけられ建物の中に入っていく。
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「思いのほか清潔ですね」
中は白い大理石などで清潔感のある内装だった。
「誰もいませんが……」
カウンターのベルをエクリプスが鳴らす。
「基本、ここのにいる人は固定されています。金属加工を生業としている人ですね」
「ドワーフの国家なだけあると言うことですか」
「ええ、他の国家にも同規模とは言いませんが大きめの支部を沢山置いており、クランランキングの常連ですし本部に関して言えば国家の中では1位、全域でも2位ですね。支部も含めれば全域1位でしょう」
「何故そんなに?」
「彼ら、作る装備の性能は確かなんですよ。弱い装備は誰も使ってくれませんからね」
「ですが、デザインに難があると」
「ええ、しかも彼ら、デザインもまともで性能も少し落とした装備もちゃんと作るんですよ」
「………なるほど」
「ご想像の通りです。まともなデザインの装備はイカれた装備の倍以上の値段です」
「それでも利益は出るんですね」
「ええ、クランマスターのオーダーメイドとなると使用単位がgになります」
ギガってまじかよ。
「間違い無くこのゲームのトッププレイヤーの一人ですね、その分性格もぶっ飛んでますが」
「そう言えば、誰も来ませんね?」
「その場合は誰かしらいるであろう本部にも連絡が行くはずですが……」
「すまないっスー!ちょっと鍛冶の途中だったんスよー!」
扉を開けて、カウンターから身を乗り出して両手を合わせて謝罪したのは、赤髪にゴーグル、白いシャツに巨大なハンマーを背負った少女だった。
「エクリプスさん、久しぶりっスねこんなところになんの用っスか?」
「貴方達のクランマスターとアポを取って欲しいのですが」
「ええと、そちらの方は……?」
「ファケリー、フードを取ってください」
そう言えば被ったままだったな。
ほいっと。
「はじめまし……て?」
「なんスかこのめんこい美少女はぁーーー!?」
「あの」
「え、しかもロボ?ロボっ娘なんスか!?クランマスターに連絡しないと!?」
「ええと」
ゴツン!とエクリプスが少女に拳骨を落とす。いい音だな。
「ちょ!?何するんスかエクリプスさん!」
「貴女こそ冷静になりなさい、とりあえずこれをヘクステアに送ります。そちらのクランマスターに一報入れて欲しいんですよ」
「ワタシもついて行くっス!」
「どうせ戻るのですから来なくて結構です」
「あの、エクリプス?」
何故か、汗をかかない体なのに汗が吹き出している気がする。
「貴女には、ヘクステアに、変態どもの巣窟に向かって貰います」
コイツ。俺のことを売りやがった………!!
書き忘れていたので各種族の身体的特徴のコーナー
エルフ:耳長、色白
ダークエルフ:耳長、褐色
ドワーフ:キャラメイク時に身長と体重の制限がかかる。低身長が多い。
獣人:獣耳と獣の尾。
魚人:エラ、鱗、ヒレなどがメイク時に強制付与
虫人:副腕、外骨格
ゴブリン:小柄、角有り
オーガ:大柄、角有り
小人:ロリショタ多い。低身長。
機人:眼がレンズ、関節部から機械が覗く。
竜人:首長蜥蜴。角と尾はデフォルト、オプションに翼
妖精:手のひらサイズ。虫のような翅がある
吸血鬼:白髪赤目に白い肌。八重歯が目立つ。
粘菌種:気を抜くと液状化する。
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