竜血機同盟
『同盟のメインは竜人種、吸血種、機人種。さらに傘下として妖精種と粘菌種という形態で良いか?』
「おっけー!」
「異議なし」
「まあ妥当だね」
「新参の我々がメインで良いのか?」
「良いの。粘菌種、妖精種、戦闘苦手」
「そもそも元とはいえ龍皇狩る特級戦力抱えてる時点でねぇ」
『一部始終はこちらで観測したがあれなら現役の龍皇も殺されかねん』
「話が逸れたけど、同盟の名前どうする?」
「ゴッデステイルリンク!」
『黙ってろ』
「メインの三種族からとって竜血機同盟とか?」
「有力株。他に意見ないなら、コレでいい」
「旗にはちゃんと妖精種と粘菌種の意匠も入れてねー!」
「それで良いのではないかの?」
「決まり!ハイ!プレイヤーは解散!」
「各種族の代表、残る。いい?」
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雑に始まって雑に終わったな会議。
「なんの用です?」
エクリプスは不服そうに口を開く。
「いえ、他のプレイヤー達に紹介しなくてはならないので」
「了解しました」
「ついてきてください」
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森のの一角にて、プレイヤー総勢6人。アルカエストは用事ならしく落ちた。
「機人種、ファケリー ヴァイスと申します。よろしくお願い致します」
「ああ、よろしくねェ」
「よろしゅーな」
「よろしくね!」
白髪に赤い目、無精髭の生えた男、金髪の妖精種の少女、同じく妖精種の赤い髪の少女が椅子に座っている。
「オジサンはキスケ。これでも一応ォタンクやらせて貰ってるよォ」
「ウチは時雨。『妖精魔道士』や」
「アタシはメープル!『妖精獣師』だよ!」
「他にもあと3人、ログイン出来なかった人がいますね」
「……つまり、非推奨種族を選んだのは10人しかいないと」
「β自体結構配られてるけど、それの殆どが暫定敵ってコトだね」
「とりあえず、街の拠点に移動しましょう」
「拠点、ですが?」
「まあ、ウチら妖精種と竜人種はともかく、ロロロや吸血種は黙ってればバレんからな、金さえあれば多少の場所は確保出来るっちゅう訳やな」
「なるほど」
「一応私の名義で場所借りてます」
「御苦労なことで」
「よーし!移動しながらピクシアちゃんなんでも教えちゃうぞー!」
「スリーサイズ」
「最低だこいつ」
「同性の知ってどうするのよ…」
「こいつネカマですよ?」
あっ、コイツバラシやがった!
「気づかなかった……」
「リアルで性同一性障害とかじゃないんか?」
「当機は演技派なので」
「その上ロボっ娘ロールとかー」
「ばらさなければNPCで通りそうだよねェ」
「ではピクシア、妖精郷とはなんでしょうか?」
「続けるのね…、妖精郷はね、妖精種と許可された者のみが入れる特殊マップだね。安全地帯もあるし妖精種はそこに住んでる。それに今は竜人種の旅団、吸血種、粘菌種が住んでるね。固有のモンスターもいて、それをテイム出来るのがメープルちゃんよ」
「メープルはすごいのですね」
「(ドヤァ……!)」
「残りの非推奨種族のプレイヤーの割り振りとかは?」
「吸血種が一人、妖精種が一人、竜人種が一人やな」
「(時雨セリフ盗られた……)ロロロは粘菌種唯一のプレイヤーだね。戦闘力皆無だけど」
「まあ戦闘には向かないと言っていましたしね。共存前提なのでしょう」
「では最後に。この10人以外に非推奨種族のことを知っているプレイヤーはどれほど居ますか?」
空気が、凍った。
非推奨の理由一覧
機人種:回復手段が限られており死にやすい。スタートがハードモード。
竜人種:首長蜥蜴もどきで操作しにくい。スタートが場合によってはハードモード。
吸血種:直射日光を避けねばならない。吸血が長時間出来ないと死に至る。
妖精種:小さい。気づかずに踏み潰されたりする。物理面のステータスが貧弱すぎる。
粘菌種:戦いに向かない。気を抜くと体が液状化するため非常に操作困難。
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