交渉
今日は投稿する気はなかったですが感想貰ってウキウキなので投稿です
白い髪に赤い目、色素の抜けたような白い肌の少女は日傘を弄びながら語りかけてきた。
「素材はいいのに中身の陰気さが滲み出るようです。例えば蝕のようですね?エクリプス?」
直射日光を避けざるを得ない容姿の少女に返す。
「これは随分と喧嘩腰ですね?同じ非推奨種族ではないですか」
吸血鬼で確定だな。
「だったら何なのですか?共通点を見出した程度で中を組めるほどこちらは尻軽ではないのですが?」
今しがた出てきた鉱脈の入口を見ながら吸血鬼が笑う。
「ならそちらが跪くように仕向けるま「『臨壊機動』『命脈踏破』」
呟くと同時に即座に時間が引き伸ばされ、それと同時に吸血鬼に飛びかかる。
「ガっ!?」
思い切り少女の顔面を殴りつける。ステ差にもよるが多少のダメージを……!?
てっきり吹っ飛ぶかと思ったら頭が柘榴みたいになり血の代わりに緋色のエフェクトを撒き散らす。
「ねえちょっと待ってエクリプスがワンパンされた!?」
「えっやばいですよねこれ」
声の方向に向くと首の長い蜥蜴のようなシルエットとふわふわと鱗粉を撒き散らす妖精が。
竜人種と妖精種か。
ここは先に竜人から潰すか。
「動かなければすぐ終わります」
「待って私たち交渉に来ただけだよ!?」
交渉人にアレをチョイスした時点でプレミだよ。
「ええっ!?」
『待て』
「!?」
まだ新手……!
「危険ですよ!」
『構うな、エクリプスが無礼を働いたのだ。こちらも相応の誠意を見せねばなるまい』
振り向いた先にいたのは巨大な龍だった。
角は4対、翼は3対の巨大な黒龍は言った。
『我が名はブレイヴハーツ、竜人種の神だ、ジェリンドが世話になったな』
こちらのロストギアがファケリーのログを覗いてたようにあちらのブレイヴハーツもジェリンドのログを見れたって所か。それでここを割り出したと。
………一度バフを解除して油断を誘うか。
「………アレに壊された装備は貴方に請求すればいいのですね?」
『戯け』
比喩抜きに大地が揺れた。
うわこっわ。機人種選んで正解だわあいつこっわ。
「吸血鬼と妖精の代表は?1人立てればいいって訳ではないでしょう」
「あー、うちはパス。戦闘向きって訳でもないしね妖精種」
「エクリプスさんはいまリスポーン地点から猛ダッシュしているの…じゃね?」
『……あーもう、ホントは出る気なかったのに』
森の影から歩み出てきたのは、エクリプスと同じく白髪赤眼に白い肌の妙齢の女性。
「ブラットレイズ、よろしくね」
手に持ったクソデカ棺桶さえなければ街に混じってても神だとは気づかないだろう。
「とりあえず、ロストギアに会いたいんだけど、洞窟にいるんでしょ?呼んで欲しいなー、なんて思ってたり」
「貴方がたから出向くのが礼儀では?」
「いや、洞窟狭すぎてね、ブレイヴハーツは通れないんだよ」
「なるほど」
なんてアホな理由だ。
じゃあジェリンドはどうやってこの鉱脈の奥深くまで入ったんだ?
「……一度持ち帰らせてください」
「何日でも待つし、他の出口にも人を割いてるからね」
「表情変えずに雰囲気だけ変えて不機嫌になれるんだね」
「………では失礼します」
『臨壊機動』を再起動して。
「「「えっ」」」
思い切り自分の拳を頭に叩きつけた。
本日の死因:自分の拳による自害、1回